S=Oのように二重結合で表すのは便宜的なものであり、配位結合で表すことも可能です。したがって、それを二重結合といってしまうのは乱暴すぎます。仮に二重結合のように扱うとしても、C=O二重結合とはかなり違うものだと考えるべきです。
たとえば、ケトンなどでC=O二重結合を考えてもオクテット則は成立しますが、S=Oを二重結合と考えれば、イオウ原子でオクテット則が成り立ちません。これにはd軌道が関与していることになります。
また、ポーリングの考え方によれば、同種の原子間の結合よりも異種の原子間の結合の方が強くなるとのことです。理由は、異種原子間では電気陰性度の差によって結合に極性が生じ、それが安定化の原因になるということだそうです。詳細はややこしいですが。
つまり、O-O結合は比較的不安定であり、S-O結合の方が好ましいということにもなります。まあ、-O-O-という構造は過酸化物で見られますが、それが現に不安定であることはよく知られていますよね。
要は、結合の数が合えば良いというわけではないということです。