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熱起電力(ゼ-ベック係数)とキャリア濃度

熱起電力とキャリア濃度は相互に関係していて、 キャリア濃度が多くなるにつれて熱起電力が小さくなると聞きました。 (1)なぜキャリア濃度と熱起電力が関係するのか、 (2)またキャリア濃度が多いとなぜ熱起電力が小さくなるのか、 よく分かりません。 基本的な質問かもしれませんが、素人ですので、できるだけ詳しく教えてください。

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回答No.1

実はここ数日この問題をひまを見てずっと考えていました。(^^; 自信はありませんので、疑いの目をもって読んでください。 それからもう少し待てば詳しい方のコメントが得られるかもしれません。 また、どのレベルでお答えしてよいかという問題があるので、 わからなければまた質問してください。 簡単のためにフェルミ縮退した自由電子気体を考えます。 それから電子に電荷がないとします。 まず、高温の物質Aと低温の同じ物質Aを考えます。 この場合、高温の物質Aの方が化学ポテンシャルは低くなっています。 で、これらの物質を理想的な電気抵抗ゼロのリード線で繋ぐと、 どうなるかというと、双方から電子がやってきて、お互いキャンセルして 電子の正味の行き来はなくなってしまいます。 これは化学ポテンシャルのおかげでそうなっているのですね。 もし化学ポテンシャルが等しければ、高い温度の方から低い温度の方に行く 電子が多くなります。これはフェルミ面付近の状態密度が、高いエネルギー の方が大きいことによります。 さて、ここで高温の物質Aと低温の物質Aを繋いだものに、 両端からリード線を繋ぎます。すなわち、 高温の物質Aから物質Bでできたリード線を室温に取り出し、 低温の物質Aからも物質Bでできたリード線を室温に取り出します。 これらのリード線の間に生じる電圧が熱起電力ですね。 この物質Bは、簡単のために熱電能はゼロとします。 また、このフェルミエネルギーは絶対零度の物質Aのフェルミエネルギー に等しいとします。 (参考までに私はこの物質を、モデルとして状態密度のエネルギー依存性が  ないものとして考えました。) この系で、熱起電力が生じるのか考えましょう。 高温側のAとBの接点では、電子はBからAに向かう方が多くなります。 一方、低温側のAとBの接点でも、電子はBからAに向かう方が多くなります。 しかし、高温側のAとBの接点の方が多いため、高温側のB中の電子の方が 少なくなります。 こうして、二つのBの間にはフェルミエネルギーの差が生じます。 この結果、電圧が生じ、熱起電力となります。 ここまでくれば、質問に答えることが出来ます。 キャリア濃度が少なければフェルミ面付近の状態密度のエネルギー依存性は 大きく、その結果大きな熱起電力が発生します。 ちょっとわかりにくかったかも知れませんが、図に書いて考えてみてください。

piroro17
質問者

お礼

なるほど。 丁寧な回答ありがとうございます。

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