社会学

質問

アジャセコンプレックスとエディプスコンプレックスの違いを詳しく教えてください。

回答No.2

Inukawa · ベストアンサー

本来は，社会学ではなく，心理学（精神分析学）ですね。
それぞれ，心理学辞典を見れば項目になっている語です。

エディプスコンプレックスには，母親を自分のものにしたいという異性愛，嫉妬から来る父親への憎悪のほか，自分の敵意に対して強大な父親から報復を受けるのではないかという恐怖（去勢不安）が重要な要素として考えられています。
子どもはこの恐怖に耐えられないため，両親に対するこのような感情は無意識の領域へ抑圧され，コンプレックスとなる……という理論です。

精神分析の祖，Ｓ．フロイトは，自らの幼少期の心理的体験を敷衍して，広く男性の心理的成長過程に普遍的なメカニズムとしてエディプス・コンプレックスを考えました（エディプスとは，それとは知らずに自らの父親を殺し，母親を妻とした，ギリシャ悲劇に登場する王の名前です）。
現在の臨床界では，フロイトが提唱したそのままの形でこのアイディアを受け入れている人は，ほとんどないのではないかと思います。

一方，我が国に精神分析学を移入した古沢平作は，日本人の場合，フロイトのいうような母親に対する異性愛ではなく，逆に，母親への抑圧された恨みを核とするコンプレックス（複合感情）が多く見られると考え，これを「阿闍世コンプレックス」と名づけました(1932)。
阿闍世とは古代インドの王子の名で，母を殺そうとした報いで業病にとりつかれますが，彼を許した母（韋提希）の看病を受けます。

精神分析界の俊英にして，「モラトリアム人間」や「シゾイド人間」の造語でも知られるラベリング巧者，小此木啓吾氏は，古沢によるこの概念に注目し，西洋人のエディプス・コンプレックスと対比させながら，これを日本人に特有の対人心理の構造を説明するものとして再提唱し，理論づけました。

母との一体感，それが崩れたときに生ずる母への恨みと攻撃，さらにその感情を母から許されたと感じたときに生じる罪悪感。
この３つが，阿闍世コンプレックスの基本的な構成要素です。エディプス・コンプレックスとの違いは明らかですね。

自分の親に対する強い感情が抑圧されて，成長後の対人的な心理メカニズムに影響を及ぼすという点では，エディプス・コンプレックスも阿闍世コンプレックスも違いはありません（阿闍世コンプレックスはエディプス・コンプレックスを祖形として考えられたものなので，当然のことです）。
違いは，そのメカニズムの中身にあります。

詳しくは，小此木氏の著書か，小此木氏が執筆者に加わっている心理学事典を参照されるとよいでしょう。

回答No.1

westpoint

アジャセコンプレックスとは、自己犠牲の献身を愛と取り違えて、相手に対しその愛の見返りを強迫的に求めるものです。

エディプスコンプレックスとは、母親に対する異性愛とそれに発する父親への憎悪、そして親としての父親に対する敬愛による、ある種の三角関係です。

エディプスコンプレックスは男性に使われる用語で、女性の場合はエレクトラコンプレックスと言います。もちろん、父親に対する異性としての愛と、恋敵としての母親への憎悪、親としての母に対する敬愛から生まれる物ですね。

アジャセコンプレックスが、自分自身と相手の性別や血縁関係に関係がなく、しかも一対一の関係であるのに対して、エディプス（エレクトラ）コンプレックスは、肉親に対する物で、しかも一種の三角関係であることが異なる点です。

お礼

とても丁寧にありがとうございました。
すごくわかりやすかったです。
本当にありがとうございました。

補足

エディプスコンプレックスは血縁関係に関係がないのはしりませんでした。なかなか難しいです。
ありがとうございました。