- ベストアンサー
映画『男たちの大和』を見ました・・・
カテゴリーが《映画》なのかもしれませんが、映画というよりも歴史に関することかな?ともおもいますのでこちらでお願いします。よろしくお願いします。 質問1 劇中で、肩から腰に航空機弾の貫通銃創を負う人がいます。 弾の大きさがわからないのですが、以前わたしが聞いた話では、航空機の機銃弾を例えば肩に受けたりすると、手が肩から取れてしまうくらいの威力があるということでしたが・・・『男たちの大和』の被弾した人物は意外と大丈夫なかんじでした(入院しましたが)。そういうことも実際にあるのでしょうか? 質問2 劇中で、艦橋(?)にいる夜間当直の大尉(?)のところに水兵が精神訓話内容の質問をしに行くシーンがあります・・・わたしが以前聞いた話ですと、兵卒と大尉の間には、娑婆の人には想像出来ない大きい隔たりがあって、劇のような「ちょっと疑問があるので聞きに行く」というふうな関係ではなかったと思っていましたが、その辺りはどうなのでしょうか? 例えば陸軍と海軍では事情が異なっていて、海軍ではアリだったというようなこともあるのでしょうか? 以上、妙な質問ですが、どなたか教えてくださいますよう、よろしくお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
映画を見ていませんので、一般的な戦史の問題として知りうる範囲でお答えいたします。 質問1について アメリカ軍機からの機銃掃射によって貫通銃創を負ったという状況でしょうか。通常、弾丸を受けた時の傷の程度は弾丸の大きさによって違います。戦艦大和が沖縄特攻を実施した頃のアメリカ海軍艦載機は、口径が12.7ミリの機関銃を標準として装備していました。その他、急降下爆撃機や雷撃機では7.62ミリの機銃が装備されたものもあったと記憶しています。 大まかな目安ですが、 20ミリの弾丸を体に受けたら、その部分がまるごと吹き飛ぶでしょう。 12.7ミリの弾丸を体に受けたら、かなりの重傷を負うでしょう。骨に当たったらその骨が衝撃で体の組織を押しつぶす事になりますし、骨以外の部分に当たったら入射口は小さくて射出口は大きい(内部の組織は破壊される)という傷になることが多いようです。 7.62ミリの弾丸を体に受けたら、上記に比べれば比較的きれいな貫通銃創になると思われます。(きれいなという表現は不穏当かもしれませんが、大口径の弾丸を受けると組織がグシャグシャになってしまいますので)。それでも拳銃による傷などに比べればダメージは多くなります。 >意外と大丈夫なかんじでした(入院しましたが)。そういうことも実際にあるのでしょうか? 弾丸の口径と、体のどの部分に受けるかによるので、「まあ、あり得る」と言えるのではないでしょうか。 質問2について 私の叔父は大戦中に帝国海軍の巡洋艦に乗務しており、奇跡的に戦後まで生き延びた人でした。すでに故人ですが、私が少年時代にいろいろと話を聞かせてくれた事がありました。直接ご質問のような話はなかったのですが、他の話から想像するに、長期間同じ釜の飯を食って狭い艦内で生活していると、立場や階級とは別に個人的にウマが合って目をかけてくれる人はいたようです。もちろん建前上は階級の差は絶対です。 しかし、 >「艦橋(?)にいる夜間当直の…」 これは無いのでは。艦橋は特別な場所であり、士官と兵が任務以外の事を話すというシチュエーションはちょっと考えられません。士官室や食堂など別の場所であればあり得ると思いますが。
その他の回答 (3)
- buchi-dog
- ベストアンサー率42% (757/1772)
「男たちの大和」は私も見ました。時代考証は比較的正確な映画と思います。 質問1 レイテや沖縄作戦で大和を襲った米軍機は、 雷撃機:TBDアベンジャー http://ja.wikipedia.org/wiki/TBF_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F) 爆撃機:SB2Cヘルダイバー http://ja.wikipedia.org/wiki/SB2C_%28%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29 の2機種と思われます。いずれの海戦でも、大和を含む艦隊には直掩戦闘機がありませんので、戦闘機(F6Fヘルキャット 12.7ミリ銃装備)はほとんど参加しなかったでしょう。 質問者様が「航空機の機銃弾を例えば肩に受けたりすると、手が肩から取れてしまうくらいの威力がある」というのは、米軍戦闘機の標準機銃であった12.7ミリ機銃でしょう。 この機銃は「重機関銃」というに相応しい強力な威力を持ち、 a) 胴体や頭以外の四肢に命中した場合:四肢切断を要する。抗生物質がない時代ですので、切断後に壊疽を起こして死ぬ可能性がかなりあります。 b) 胴体や頭に命中した場合:即死。 というくらいの強力な威力を持ちます。ですので、12.7ミリで「肩から腰に航空機弾の貫通銃創」を受ければ即死以外ありえません。 さて、上記のウィキペディアの資料からは、アベンジャーもヘルダイバーも12.7ミリと7.62ミリを混載していることが分かります。7.62ミリであれば、胴体に貫通銃創を負っても即死はしなかった可能性があります。 ただ、質問者様が言っておられるのは、入院している病院を脱走して大和に忍び込んだ内田兵曹(中村獅童)のことではないですか?彼は、劇中では「大和が受けた至近弾(爆弾)が海面で炸裂した破片を体に受けて重傷を負った」設定だったと思いますが。他に「機銃掃射を体に受けて入院した」人がいましたっけ? 質問2 質問者様の疑問はもっともです。一般に、陸軍の方が尉官クラスの将校と兵卒の距離は近かったといわれています。海軍では、准士官以上と下士官兵の区別が非常に厳しく、相互の交流は「基本的になかった」そうです。 劇中で、夜間の当直将校として艦橋にいる臼淵大尉に、特年兵の一等水兵が話しかけるというシーンですが、私も見て非常に疑問を感じました。当直将校は艦長の代わりにフネを預かっている存在です。少なくとも当直中に兵卒と私語を交わすなど全くありえないことです。そんなことをやった水兵は、死ぬほどの制裁を受けたことでしょう。 強いて言えば、臼淵大尉は士官次室(ガンルーム)に属していたそうですので、大尉が非番でガンルームで休んでいる時に、やはり非番の水兵がガンルームに恐る恐るやってきて「教えて頂きたいことがあるのですが」と聞くのならありえなくはないかな、とも思えます。
お礼
ご丁寧な御回答ありがとうございました。 映画を見るのにも、いろいろと知識が必要であるということを痛感している次第です。 ありがとうございました。
- komes
- ベストアンサー率29% (147/494)
弾丸の衝撃力は弾丸重量と弾丸の命中時の速度できまります。 ご質問の場合は米軍戦闘機の搭載機銃は12.7ミリ口径ですからこの弾丸が命中したものとかんがえられます。 命中時の弾速度は不明ですがかなりの衝撃とみられます。 人体に命中した弾丸による傷はその部位によって異なります。 肩の関節や骨に命中した場合恐らく腕をもぎ取られることは予想されますが肉組織に命中し貫通した場合は重大な損傷には成りにくい筈です。 従って映画での描写はありうる範囲でしょう。 艦橋での当直将校との会話はお訪ねに関するかぎりあり得ないとおもいます。 当直勤務は艦内公務ですし私語は禁じられている筈です。 任務以外で艦橋に立ち入ることも許されない行為です。 海軍は陸軍に比べ自由さがあったことは事実ですが映画のような光景は考えられません。
お礼
御回答ありがとう御座いました。 疑問に対する気持ちがだいぶ楽になりました。 ありがとうございました。
私も又聞きなので間違っているかも知れませんが、海軍は同じ船に乗っているということで、兵も将校も運命共同体、また一旦航海に出れば外部との接触無しに数ヶ月も男同士で同じ顔を合わせますから、陸軍とは違った人間関係になると聞いたことがあります。 潜水艦乗りは特にこの傾向が強いらしいので、戦艦でも・・・。 また、雰囲気自体も陸軍に比べれば陽気で陰湿さは幾分なかったと聞いたことがあります。 これが太平洋戦争の突入に対して、陸軍に主導権を握られた原因とも。 公式には将校と兵では神様と奴隷ほどの差があっても、毎日狭い場所で顔を合わせ、お互いが協力し合わないと死ぬかもしれない場所ですから、人間関係で兄貴分的な関係の人もいたかもしれませんよ。 想像ですけど。
お礼
御回答ありがとうございました。 御指摘のとうり、劇中での人間関係にもそのような人間関係が表現されていたようにおもいます。 ありがとうございました。
お礼
御回答ありがとう御座いました。 御回答を伺いまして、劇を見る場合には、史実に対してどのような姿勢をとっているのか、あるいは取ろうとしているのかを見極めるのが必要だとおもいました。