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「科学的視点」からの「論理の展開」って?
私は文系の大学生で、一般教養の授業で「現代科学論」なるものを興味本位でとってしまいました。その授業のレポート課題で、『講義のテーマ(私の場合は地球温暖化を選ぼうかと思っています。)に即した本を2冊読み、見解・意見を述べよ。「科学的視点」からの「論理の展開」を期待する。』というのがでましたが「科学的視点」からの「論理の展開」??ハッキリ言ってワケ分かりません「科学的視点」が特に。文章を書くのは得意ですが己の視点が定まっていない以上どうしようもないです。「科学的視点」と端的にどういうものなのでしょうか?長々と申し訳ありません、是非教えて下さい。
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これは、「課題レポート」の「書き方」についての、先生からの希望というか指示なので、その文脈で考えてみられることです。 テーマとして、地球温暖化を取り上げたいそうですが、この場合、「地球温暖化」の現象また問題として、何が「科学的に論じられ」また「確認されているのか」という把握が、貴方には必要です。こういうスタンスが、「科学的視点」ということです。 実は、地球は温暖化に向かっていないという「科学理論・科学仮説」もあります。温暖化に向かっているというのも、厳密には「科学仮説」なのです。また、温暖化の原因については、人間が排出した温室ガス(二酸化炭素)による温室効果であるとか、過剰な熱の発生などが、述べられていますが、これも実は「科学仮説」で、そうでないという説もあります。 温暖化に向かっていないとか、温暖化の原因は、人間の活動ではないなどというのは、似非理論かというと、合理的根拠なく、そういう断定をすると、非論理的な似非科学になります。(「トンデモ」というような、感情的評価が入った、レッテルを使うだけで、すでに、論理的・科学的でなくなってきます)。 科学理論として妥当かどうかは、時に、たいへん難しい問題なのです。そもそも「科学論」とか「科学哲学」というのは、「科学的に正しい」とかいうのは、どういうことかという問題があるので、学問として成立しているのです。 ですから、「科学論」の授業の課題レポートで、「科学的視点」から「論理的」に論じるように、というのは、この指定が、授業をまともに理解していたかどうかを、試しているのだとも言えます。論じ方が、極端には、採点対象にもなっているのです。 従って、「科学的に立証された理論・説」などを元に、レポートを構成せねばならないわけで、科学的にどこまで確かさが確認されているか、という、程度の問題も実はあるのです。科学者同士で互いに議論しているのが、地球温暖化問題で、これが間違いない理論というのは、おそらくまだないはずなのです。 学会で主流の説や理論があるというのが実情です。科学とはそういうものなのです。 また、科学は、「実証性」を前提にします。主に定量的な実証が求められますが、定性的な実証もあります。従って、客観的にコントロールされた、データを元に、科学理論は構成され、また「科学的視点」というのは、こういうデータに依拠して、議論を展開するということの要請になります。 ただ数値をあげればよいのではなく、コントロールされた確実な数値かどうか、その信頼性の吟味も、科学では問題になります。 何かを論じるとき、理論や説を援用する場合は、それらの理論や説が、どれぐらいの支持があるか、また、どれぐらい実証的データで根拠付けられ、確認されているか、反対する別の説はどう主張しているか、こう言ったことにも配慮するのが、科学的です。 データを使う場合も、客観的にコントロールされたもので、信頼度も分かっているものを使います。信頼度が、不確かな場合は、そのことも明示すれば、別に、非科学的とはなりません。 現時点では、信頼度が、半分ほどしかないが、このデータに基づけば、という形で、科学仮説・理論を構成するということは、科学の方法としておかしくありません。 つまり、理論や説は、どれぐらいの評価か、反論はあるのか、そういったことを意識して記述するのが科学的視点に立っているということになり、データも同じように、コントロールや信頼性の度合いを明示するのがよいのです。 そして、「論理の展開」という時、これは、レポートをあらかじめ、設計しておかなければなりません。何かの意見を述べるなり、レジュメを書くとして、「結論」が「論理的に」出てくるように、その前の部分で、結論を保証するような、理論や説や、データを提示するということが、論理の展開です。 平凡な例かも知れませんが、このままの温度上昇が続けば、今後百年に、aセンチメートル海面が上昇すると、X氏の論文では述べている、これに従えば、百年後には、陸地のA%が水没するとY氏は計算している、というのは、論理の展開です。 ただ、Z氏の説では、と別の数字もあるのであり、これらのデータや理論のあいだで、矛盾するデータを混ぜたりして結論を出してはならないのです。比較するのは構いませんが、また複数の可能性の結論も構いませんが、根拠と結論の対応性が整然としていなければなりません。 整合性のある話で、論理的に結論を出すということが、「論理の展開」だと言えます。常識で考えると、ありそうもないことでも、データに基づいて考えると、こういう「可能性がある」というのが、論理展開です。
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- stomachman
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はっきり言ってわけ分からないと思います。 「現代科学論」は科学の現象論や方法論を扱った哲学か何かでしょ。講義の中でこの先生が「科学的視点」や「論理の展開」という独自の用語を導入なさったとしか考えにくいですな。(この先生独自のものである)講義を(誰が教えても大差のない)授業と思って聴いてたら、分からなくなっちゃってもしょうがない所です。 んでも、無理矢理推測してみますと、 ・科学的方法論の対象となりうる命題(仮説)を、既知の知見から演繹的に導出する。 ・既知の知見(ジョーシキ)とされているものの根拠や、その知見が演繹される推論過程を批判し、科学的知見ではないものを指摘する。 などが考えられます。感想文のレベルなら後者が易しく、従って、選ぶべき本は、いわゆる通説を述べている本と、それに批判的な本、てのが宜しいんじゃないでしょうか。 例えば「地球温暖化防止のために化石燃料の使用による二酸化炭素の発生を抑制しようという政策が採られているが、それは科学的根拠を持つか」「地球が温暖化すると海面が高くなると言われているが、果たして本当か」てな着眼を思いつきますね。というのも、最近数百年に温暖化の傾向が認められるのは事実であっても、実験的に温暖化の原因を究明することはできない訳で、未来予測に関しては何らか数理モデルを使ったシミュレーションをやるのが限界。つまり、温暖化の原因だとか帰結だとかは、検証を経ていない仮説に過ぎない。非常に危ういものですから。
お礼
>選ぶべき本は、いわゆる通説を述べている本と、それに批判的な本 ですか、分かりやすい回答をありがとうございます、まだ締切りには間がありますので色々試行錯誤してみます。
- kleinstern
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科学的視点についての意見に共通しているのは、 科学的視点に対して ある論理的帰着を補う模式図や説明文が前提通りであるか、 現象として明らかであるか、という事です。 これは科学史にも関連づけられるいわば、誤謬のない 法律なのです。
お礼
>ある論理的帰着を補う模式図や説明文が前提通りであるか、現象として明らかであるか、という事です。これは科学史にも関連づけられるいわば、誤謬のない法律 格好いいですねぇ~!ナルホド、教授も始めっからそう言って下されば良かったのに。回答を投稿してくださる方々は流石に頭がキレますねぇ。ありがとうございました。
- red-orgel
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講義名が「現代科学論」ということで、授業中に”科学” とはなにか、とか雰囲気をおおかたつかまれていると 思います。 なにか、現象について説明や理由をするとき、その根拠 が、法則とか、原理とか、客観的な知識(実験や観察 とかによってわかったこと)によって説明づけられる ものであるように、考慮してほしいということでは ないでしょうか。 授業では、もし、自然科学に特化してたならば、理学的 な視点を持つことが授業の目的のひとつかもしれない ですね。 気温が上がる、という説明で、たとえば、「今日の私 の情熱が高いことをあらわしているようだった」という 表現は、この「科学的視点」には合致しないと思われます。 本屋さんで、「Newton」という雑誌があると思い ますから、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
お礼
>Newton ですか、聞いたことあります、拝読させて頂きます。授業も考え直して課題に取り組みます、ありがとうございました。
- acacia7
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もう、だいたい話は終わってそうですけど・・・ 「科学的」について 科学的ではない視点を意識していれば科学的視点がどんなものかわかると思います・・ 例えば、 情緒的な視点・・ 「温暖化により砂漠が広がり、食料不足が発生し ⇒ 飢餓民が可哀想」 美的な視点・・「温暖化により砂漠が広がり、 ⇒ かつてのオアシスが荒廃としている」主観的な視点・・ 「温暖化で ⇒ 暑い」 てな感じで、それまでの状況を示す根拠から結論へつなぐものが、 「科学的」でないわけです。 科学的なのは 地学的な視点・・ 「温暖化により海水面の上昇が発生し ⇒ タイの国土がx%減少している」 生物学的な視点・・ 「温暖化により ⇒ 植生が高緯度に転移している」 考古学的な視点・・ 「温暖化により気温が上昇しているが ⇒ 紀元前~年頃の気温より低い」 てな感じで、「視点」が科学的であるというのは「判断」が科学によってされているということです。 で、「論理の展開」は良いようですが、一応説明 ある条件から推論の結果、新しい定理を導くのが「論理の展開」です。 転じて、極めて基礎的な条件から複雑な一説を証明することを「論理の展開」といいます。 本当は、全然根拠のない前提条件にしたがっても、 「論理の展開」は可能なわけなので注意が必要です。
お礼
>科学的ではない視点を意識していれば科学的視点がどんなものかわかる なるほど、納得です。レポートの期限はもう少し先なので頑張って考えます、ありがとうございました。
>「科学的視点」からの「論理の展開」?? ホント、よく分からないですよね。 言葉の定義の曖昧さが、もはや科学的ではない? ひとつの視点として 科学的でないもの、科学のふりしてそうでないものを 一般に疑似科学、最近ではトンデモ科学などと言いますよね。 ちゃんとした科学と、疑似科学の違いは?というと これはカール・ポパーが「反証不可能性」を判定基準として あげている。 反証不可能性、とは「反証」の出来ないような理論や解釈のこと。 例えば「明日、東京地方は雨が降る」という分は 明日になって観測すれば、即座に「正しい/間違い」が検証できる。 つまり「反証可能」なので、ちゃんとした科学。 一方「明日、乙女座生まれの人はラッキーデイ」というのは 確認を求めたければいくらでも確認例を得ることができる。 つまり実際には「反証不可能」なので、これは疑似科学/トンデモ科学。 このようにカール・ポパーは、星占術やフロイトの精神分析理論などを 疑似科学に分類した。 まあ、フロイトがトンデモ科学か否か?は、さておいて 科学的視点からの論理展開でないものを「トンデモ科学っぽい論調」として 考えてみるのはいかがでしょうか? なお、科学と疑似科学の判断基準は 高橋昌一郎:著「科学哲学のススメ」丸善 にもっと詳しく書いてあります。 この本はオモシロイです。
お礼
>高橋昌一郎:著「科学哲学のススメ」丸善 ぜひ拝読させて頂きます。丁寧な回答、本当にありがとうございました。
- First_Noel
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自信ありませんが, 科学的思考とは,そのごく一部である「物理」や単なる道具の「数学」それ自体では なく,普遍的一般的に成立する事項や事実に沿いながら論理展開し, かつその論理展開自体もまた成立すると証明されるものでなければならない,と 言うものではないでしょうか. 例えば, 「地球温暖化は夏みかんを食べることが原因だ」 と主張するならば,それがどうしてか,事実や既に証明された法則を用いて 説明し証明しなければ次へ進むことは出来ません. また, 「地球温暖化は起こっていない」 と主張するならば,古代からの気温の変化を調べた結果を元に,現在の 温度変化が統計的に有意な範囲内で誤差だと証明しなければならない,とか. 思い付きですみません.少なくとも, 「自分の主張を行う」なら 「言いっぱなしはだめ」 「自分の主張を支持するためだけの論理はだめ」 ってことです.
お礼
うーん、中々難しいですねぇ…。勝手な論理」ってのは通じないってことですね??普遍的一般的に成立する事項や事実に沿いながら論理展開し, かつその論理展開自体もまた成立すると証明されるものでなければならない…!がんばってみます、ありがとうございました。
- kabaka99
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その手の専門家ではないですが、「科学的視点からの論理的展開」は 「数値などによって証明可能な事柄を根拠とした、現状の問題把握、課題の整理、解決策の展開」 ということではないでしょうか。 つまり「好き嫌い」とか「なんとなく」というのはダメヨと言うことでしょう。 この場合の「数値など」については実験や観測で得られた数値はもちろん、アンケートなどによって市民感情を数値的に整理したものでも良いのではないかと思います。 「地球温暖化」をテーマに選ばれるとのこと。このテーマは非常に幅広く、興味の尽きないテーマだと思います。あまり先入観にとらわれず、「論理的」に問題を整理することをお勧めします。
お礼
早速の回答、ありがとうございます。なるほど、「数値などによって証明可能な事柄を根拠とした、現状の問題把握、課題の整理、解決策の展開」ですか。参考に致します。ありがとうございました。
お礼
御力説ありがとうございます。asterさんを筆頭に皆様ありがとうございました。この場を借りて再度お礼申し上げます。