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キレートについて
巷では、アミノ酸によるキレート効果というものが叫ばれていますが、そもそも、アミノ酸でキレートというものはできるのでしょうか?できるとすればどのような形で? OH基やSH基を持つアミノ酸ならできるのでしょうかね。 それと、普通キレートは、錯体の一つですから、挟まれるのは、金属イオンということになりますが、例えば金属ではないフッ素が挟まれることはあり得ますか? どなたか分かる方、回答をお願いいたします。
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#1 で言われているように, 可能性だけでよければどのアミノ酸もキレート配位する可能性があります. 典型的には, アミノ酸 NH2-CHR-CO-OH においてカルボン酸の H^+ が外れた 1価イオンが両端の N と O で金属に配位するキレート錯体を作ることができます. 例えば, Cu^2+ + 2Glycine → [Cu(gly)2] + 2H^+ という銅錯体生成反応があります. ([Cu(gly)2]: ビス(グリシナト)銅(II)). ここでは, 2個のグリシナト配位子が (多分トランスで) 配位した平面錯体です. あと, アラニンも「アラニナト」の形 (1価イオン) でキレート配位することができ, ala という略号もあります.
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- Tacosan
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キーワードは出てるんだから, 調べてみればいいと思うんだけどなぁ.... ちょっと調べると [Cr(gly)3] が見付かりますねぇ. これは trans-, cis- の両方があります. 英語で chromium, tris(glycinato-N, O)-, (OC-6-21)- とか (OC-6-22)- とかあるので, キレート配位していることは確実です. Ni とか Zn あたりはキレートしてるのが確実にありそうですね. V とか Gd はちょっと不明ですが.
お礼
Tacosan様 早速ありがとうございます。ついつい詳しい方に頼ってしまって申し訳ありません。でも、お陰様で存在が確認できて、自信がもてました。 ありがとうございました。 自分なりに勉強してみます。
- inorganicchemist
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あ~ キレート剤といえば。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)って知ってます? これもちょっと頭をひねってみると「アミノ酸誘導体」に見えます。 錯体の安定性はいろいろ要因がありますが、キレート環をいくつ作れるか?というのもポイントです。アミノ酸にしても、-OH 、-SHなどの側鎖によりさらにキレート環が形成されるため、より安定になると予想されます。(電荷、立体反発などは無視してね、)
- inorganicchemist
- ベストアンサー率34% (88/257)
アミノ酸はすべて官能基としてCOOH、NH2を有していますので、これだけで5員環キレートを作成する可能性があります。 アミノ酸などの構造と主に第一遷移金属のイオン半径から、5員環キレートはもっとも安定と考えられます。 >普通キレートは、錯体の一つですから、挟まれるのは、金属イオンということになりますが、例えば金属ではないフッ素が挟まれることはあり得ますか? キレート、錯体の定義にもよりますが、まず大学の錯体化学で習う範囲では「ありえません」フッ素が非共有電子対を受け入れられるだけの安定な電子軌道を持たないためです。 次に、(X-Y-M-F-M'-Z-)Xの形のものを「フッ素を挟んだキレート」と認めるのであれば、「ありえます」 この場合は、フッ素(フッ化物イオン)は架橋配位子として二つの金属(M、M')に配位している。さらにM--M'間が何らかの形で結合されている と解釈すれば、キレートと主張することは可能です。(意味があるかどうかは知りません。)
お礼
inorganicchemist様 早速の詳しいご回答まことにありがとうございます。 「アミノ酸などの構造と主に第一遷移金属のイオン半径から、5員環キレートはもっとも安定と考えられます」 の部分について、大変興味を持ちました。私自身、勉強をしてみたいと思いますが、なにか参考になる文献がありましたら教えていただけると幸いです。
お礼
Tacosan様 具体例を用いての回答、大変参考になりました。 第一遷移元素には、Cuの他、Crもありますが、クロム錯体っていうのも存在するのでしょうか?もしご存じでしたら教えていただけると幸いです。