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酸化、還元剤
0.1mol/lのヨウ素カリウム水溶液1mlに1mol/lの硫酸1mlを加えたのち、3%の過酸化水素水2mlを加えると、無色のヨウ素カリウム水溶液が褐色に変化し黒色のヨウ素の沈殿が生じた。 このとき起こった化学式は?という問いでなぜヨウ素カリウムが還元剤、過酸化水素が酸化剤とするのですか?硫酸が酸化剤になったり、過酸化水素が還元剤になぜなってはいけないのですか?
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Zincer さんの丁寧な回答がありますが,若干補足(?)いたします。 > これを判定するには反応の前後で存在する物質の > エネルギー差を考える必要があります。 具体的には,存在する化学種の酸化還元電位で比べます。 「高等学校_化学_テキスト」(↓)の「化学 Ib」の「第6章 e-の授受による化学変化」の「6.3 酸化剤,還元剤の強弱と定量」をご覧下さい。 ここの図6.4 をご覧いただきたいのですが,ある化学種が標準水素電極に対し示す電位を「酸化還元電位」といいます。これが+の値を示す場合,化学種側が電位が高い(電池の+極)ですから,電子を受け取る反応(還元反応)が起ります。 酸化還元電位が+に大きな値を示す化学種ほど,還元反応を受けやすい(相手を酸化しやすい)化学種,つまり,強い酸化剤なわけです。そして,当然,強い酸化剤から反応していきます。 お書きの系では,K(+), I(-), H(+), SO4(2-), H2O2, H2O が存在します。I(-) は,これ以上電子を受け取れませんから,酸化剤とはなれません。残りの化学種について酸化還元電位を上記のページのデータで比較すると, K(+) (-0.93) < H2O (-0.828) < H(+) (0.000) < SO4(2-) (+0.20) < H2O2 (+1.77) となって,H2O2 の酸化力が最も強いと解ります。
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- Zincer
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問題は >このとき起こった化学式は? ですので、何が何に変化(酸化・還元反応)したかを考えなくてはいけませんね。 Q1.何から「ヨウ素の沈殿が生じた。」のか? A1.ここでは「ヨウ素カリウム(多分ヨウ化カリウムの間違い?)」:厳密言えば「ヨウ化物イオン」:しか考えられませんよね。 ここで注目! この反応は何反応? I-【-1】 → I【0】 :【】内は酸化数 酸化数が増えているので「酸化反応」です。よって「還元剤」 ※この部分が非常にややこしいところですので注意してください。 もう一度書きますが、「自分が酸化される物質が(相手を還元する)還元剤です。」 Q2.では何が「還元」されたのでしょう? 「硫酸」「過酸化水素」(一応「水」「カリウムイオン」もありますがここでは無視しても良いでしょう)の2つの候補がありますが、酸化力は 「硫酸」<「過酸化水素」ですので(還元されたもの=)「酸化剤」は「過酸化水素」であると考えられます。 (備考) 「硫酸に鉄を入れた場合、水素を発生して鉄が溶ける。」 等の反応を思い出して「硫酸」=「酸化剤」と思われ勝ちですが、厳密には「硫酸イオン」自体には通常「酸化力」はありません。上記の反応はあくまでも「(硫酸に含まれる)水素イオン」が「鉄」を酸化しているのです。 また、この場合でも酸化力は 「水素イオン」<「過酸化水素」 です。 ここからは忘れてもらっても構いませんが、上記の説明は、ある反応が起こった場合の「酸化剤」「還元剤」の「定義および判別方法」ですので、その「酸化・還元反応」が本当に起こるかを考慮したものではありません。これを判定するには反応の前後で存在する物質のエネルギー差を考える必要があります。 これが後半部分の疑問 >硫酸が酸化剤になったり、過酸化水素が還元剤になぜなってはいけないのですか? の回答になるはずです。 正確な反応式についてはikecchiさんの回答にありますので、省略します。
- ikecchi
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少しおおざっぱに、自分もそこで考えた記憶があります。詳しくは専門の方が応えてくれるでしょう。 まず 過酸化水素は希硫酸中で酸化作用を示します。なぜなら、相手の物質から電子を奪い、過酸化水素自身は次の(1)のように還元されて水になるからである。 H_2O_2 + 2(H+) +2(e-) →2H_2O ・・・・・(1) 例えば、相手の物質としてヨウ化カリウムを用いると、ヨウ化物イオンは次の(2)のように電子を放出して、単体のヨウ素が遊離します。 2(I-) → I_2 + 2(e-)・・・・(2) (1)+(2)から2(I-) +H_2O_2 +2(H+) → I_2 + 2H_2O まぁ過酸化水素は強い酸化剤にたいしては還元剤として働きます。 たとえば過マンガン酸カリウムを用いると還元剤として働きます。