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官能基
官能基は反応しやすい反応しやすい部位のことですが、それがなぜ生じるんでしょうか。 酸についてイオン結合性の強いものが強い酸を示すと理解していたのですが、 HClとHFではイオン結合性はHFの方が強いのに、HClの方が強い酸を示すのはなぜ ですか。例外と考えて良いのでしょうか。
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質問に対してちゃんとした回答になっているか分かりませんが・・・ 官能基について 化合物をその反応性で組分けする構造単位のことです。 たとえば、アルコール性OH基は単純な化合物に付いていたとしても 複雑な化合物に付いていたとしても反応の性質(本質的)は変わらないので 「アルコール」とそれらをくくってしまたらラクになったり・・・ HCLとHFについて イオン結合性というものに着目されていて「分子そのもの」のイオンへの なりやすさという点ではそのような理解でよろしいかと思います。 ただ、強い酸になる弱い酸になるというのはその分子が 水に溶けている場合のお話で、つまり水に溶けた場合の イオン化しやすさによって、決まると考えて良いと思います。 ここで登場するのが「水素結合」です。 まあ、単純にいうとHFは水素結合があって HCLは水素結合がないんです。 水素結合とは何か。 どうしてあったり無かったりするのか。 どうしてあると弱い酸になるのか。 など、自分で調べてみてね。
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- rei00
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ペ-パ-薬剤師の rei00 です。 前半の官能基のことはお二人の回答がありますので,garrant さん御指摘の酸の定義と水素結合について補足いたします。 まづ酸の定義ですが,酸の定義としてア-レニウスの定義,ブレンステッドの定義,ルイスの定義があります。 ア-レニウスの定義:中学レベルの定義。 酸:水に溶けて H+ を出すもの。塩基:水に溶けて OH- を出すもの。 酸,塩基は水に溶けた状態のものに対しての定義です。そして H+ は水と結合して H3O+ の状態になっています。 ブレンステッドの定義:高校レベルの定義。 酸:相手に H+ を与えるもの。塩基:相手にから H+ を受け取るもの。 したがって,水に溶けなくても酸,塩基になります。相手との相対的関係で酸にも塩基にもなります。また,ア-レニウスの定義での酸は H2O に H+ を与えて H3O+ になりますからブレンステッドの定義でも酸です。ア-レニウスの定義での塩基は OH- を出して H+ を受け取りますからブレンステッドの定義でも塩基です。 ルイスの定義:大学以降のレベルの定義。 酸:相手からローンペアを受け取るもの。塩基:相手にローンペアを提供するもの。 ブレンステッドの定義での酸は H+ を与えますが,H+ は相手のローンペアを受け取りますのでルイスの定義でも酸です。ブレンステッドの定義での塩基は H+ を受け取りますが,H+ を受け取る際にロ-ンペアを提供するので ルイスの定義でも塩基です。 ここで,一応ルイスの定義は別として(含めても説明の用語が変わるだけで,ほぼ同じです),酸の強さは H+ を与えやすいかどうかで決まります。御指摘の様に HF のイオン結合性は HCl よりも強いので H+ を与えやすい事になります。 次いで,水素結合です。これは HF を例として説明しますが,HF の様にイオン結合性が強い(分極していると言います)分子では,分子内に+電荷を持った部分(HF では H+)と-電荷を持った部分(HF では F-)ができます。この+電荷を持った部分と-電荷を持った部分の間に水素結合と呼ばれる結合ができます。 このため,HF は ・・・-H-F-H-F-・・・・ といった形で存在する事になります。この様に繋がった状態ですので,相手に H+ を与えにくくなります。 実際は,上2つのバランスの結果,水素結合の影響の方が大きく,「HClとHFではイオン結合性はHFの方が強いのに、HClの方が強い酸を示す」という事になります。この様な場合はそんなに多くありませんので,例外といっても良いでしょう。 なお,分子の結合や酸,塩基の定義については「ウェッブアカデミー化学講座 分子の構造」のペ-ジ(URL 下記)が参考になるかと思います。 あ,tukitosan さんに先を越された。でも,折角だから回答しときます。
お礼
薬剤師さんなんですね。すごいなー。 いつも丁寧な説明をありがとうございます。
- tukitosan
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まず「基」の概念から説明します。 「基」とは、「化合物のを構成している部分」のことです。 たとえばエタノールであれば、CH3-CH2-OHと示性式で表せます。 このうち、「CH3-」はメチル基、「-CH2-」はメチレン基、「-OH」はヒドロキシル基となります。 また「CH3-CH2-」とまとめてエチル基と言うこともあります。 このように、化合物を構成している部分を分けて考えたとき、特定の「基」がある物質に共通する特別な性質が現れてくることが有ります。そこで、その特定の「基」を、「官能基」と呼んでいるのです。 例えば、「-OH」がありそれが、ベンゼン環に結合していれば「フェノール類」の弱酸性の性質が現れてきますし、またベンセン環以外の炭化水素基に結合していれば、「アルコール」の性質が現れてきたりするのです。 この、官能基の独特の性質が現れるのは、nonkunさんの言われるとおり、電荷の偏り(電子の偏り)によって生じています。 「共有結合」は、構造式中では「-」や「=」などで示されています。「共有結合」は「共有電子対」が生じることによって生じています。「共有結合」という名前から、つい「お互いの原子が持ち合いをしている」のでこの「共有電子対」は両方の原子から等価で持ち合いをしていると考えがちですが、そうではありません。 どちらかの原子の側に偏っていることが多いのです。この偏りが生じる原因は、原子がどれだけ電子を引きつける度合いが大きいかによって生じているのです。この引きつける度合いを表したのが「電気陰性度」です。 「電気陰性度」は、最大のものが「F」で4.0、2番目が「O」で3.5、3番目が「N」と「Cl」で3.0となっています。それぞれの原子にこの数値データがしらべられており、共有結合している原子どうしで、この差を計算して小さいものは共有結合性が高く、この差が大きいものはイオン結合性が高くなると判断できます。(これらの数値データは、高校の教科書にも乗っているので必要であれば、他の物質については、調べてください。) この差が大きいものは、非金属同士の共有結合をしている物質でも電荷の偏りが大きく「+」や「-」の部分が「基」の中に生じてしまうのです。この「+」や「-」は、完全に電子のやりとりをしたことで生じる「Na+」や「Cl-」などのイオンとは異なるので「d+」「d-」と表記します。 (本当は、dの部分は、ギリシャ語のデルタで示すのですが、他のコンピュータで字バケするかもしれないという不安があるので「d」で示しました。) その結果、この「d+」「d-」と言う部分の電荷の偏りの大きさの違いなどで、「官能基」の性質の違いが現れてくるのです。 ところで、この電気陰性度の大きい「F」「O」「N」が水素原子と共有結合していると、これらの分子間で「水素結合」という特別な結合を生じます。 水素の電気陰性度は2.1でそのため、かなりの電荷の偏りすなわち極性が生じてしまうのです。そのため、特別な水素結合を生じるのです。 フッ化水素HFが弱酸になるのは、水にとけてもフッ化水素同士で水素結合によって結合していて、「端のH」しか「H+」として電離できないからであると考えるのが一番理解しやすいと思います。「-」で単結合の部分を、「・・」で水素結合の部分を示すと次のように表せます。 H-F・・H-F・・H-F・・H-F・・H-F・・H-F~(以下続く) このような状態でまるで、巨大な分子のような状態になっている左端のHだけがH+となって電離するできるので、H+の生じる割合が少なくなり、弱酸となってしまうのです。 ですから、例外と行ってしまえば、例外的な要素はありますが、他の理由で弱酸となっているのだと考えた方がよいと思います。 また、このように「化学の説明」で大きく、まとめてしまうと例外と言えるような話しは、いくらでもあります。 例えば、一般的には「イオン結合性物質は、水に溶けやすく、また極性の少ない分子は、水に溶けにくく有機溶媒に溶けやすい」のお話です。確かに一般論ではそうですが、例えばイオン結合性物質であるBaSO4は水に溶けにくいです。これは、Ba2+とSO42-の結合力が強いため水和した程度では、この結合力が切れないからだと考えられると思います。しかし、これでも説明しきれないような話しは、いっぱいあります。これが、また、化学のおもしろいところでもあるのですが‥‥。 「説明に上手く乗らないものは、とりあえず「例外」と考えて、後からその細かいところを考えていく」などとするのが、学問を学習する上での、大事なことだと思います。しかし、「例外」がなぜ存在するのかを考えることもわすれてはいけないことです。そこに、科学の本質が隠れていることが多いからです。しかし、「例外」を正しく説明するには、それ相応の知識が必要となることが多いので、後回しにしているだけにしか過ぎないと思って下さい。 助言にでもなれば、幸いです。 tukitosan でした。
お礼
詳しい説明をありがとうございました。 例外になる理由を考えることも大事ですよね。
- nonkun
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官能基が反応しやすい理由を簡単に言えば、電子が偏っていて原子が外れやすいor引っ付きやすいから。 他所から引っ張る分子があれば、すぐに落ちるのが官能基のH原子。またその離れてH+となった原子を取り込みやすいのが官能基内のCやO原子。 つまりCやOとHとの間で共有している電子がCやOの側に偏っているのため起きるのです。 例えばカルボン酸COOHではC=O結合に電子が偏り、C-O結合の電子までC側に偏るためにアルコールCOHよりHが離れやすくなっています。 またイオン結合性が高い場合は本来H原子の電子がまるで相手の持ち物のようになってしまうため、更に離れやすくなります。
お礼
ありがとうございました。 例を出していただいて、理解しやすかったです。
お礼
ありがとうございました。 共有結合だけではなくて水素結合も関係してくるんですね。