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ε-カプロラクタムとN-アセチル-ε-カプロラクタムの構造上の違い
ε-カプロラクタムからナイロン6を生成する際に反応開始の促進剤としてN-アセチル-ε-カプロラクタムを加えますが、ε-カプロラクタムとN-アセチル-ε-カプロラクタムの構造上の違いが反応開始促進剤としての働きに関与すると考えられます。このことについて、具体的にどの部分の電子状態が異なることが反応性に影響を与えているかがわからなくて困っています。わかる方、答えていただければうれしいです。
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- DexMachina
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私も、知っているというわけではありませんが・・・(汗) 「窒素が孤立電子対を持つこと」と「アセチル基が電子吸引性であること」からすると、 「窒素上の電子密度低下による」と考えるのが妥当かと思います。 つまり、ε-カプロラクタムでは「窒素-カルボニル炭素」の結合が、窒素の孤立電子対 によって二重結合性を持つために開裂しにくいのに対し、アセチル基を導入すると 環内のカルボニルとアセチル基のカルボニルとで窒素上の孤立電子対の取り合いと なり、結果的に先の二重結合性が低下する、という考え方です。 O H || / C―N; / \ ( 七 員 環 ) ↑ ↓ (-)O H | / C=N(+) / \ ( 七 員 環 ) 或いは、環の開裂の電子移動に、アセチル基が協奏的に関わる(或いは開裂により 窒素上に生じる負電荷を共鳴で安定化)、という考え方もできるかもしれません。 O O || || C―N―C―Me / \ ( 七 員 環 ) ↓ + OH^- HO O(-) O \| || C―N―C―Me / \ ( 七 員 環 ) ↓ HO O O \ // (-) || C N―C―Me / | ( 炭 素 鎖 ) ↑アセチル基のカルボニルと共鳴 ↓ (=窒素上の負電荷が分散され安定化) HO O O(-) \ // | C N=C―Me / | ( 炭 素 鎖 ) ・・・すみません、上記反応を酸性条件下で行うのか塩基性下で行うのか自体、 私は知りません(汗) 上では仮に塩基性として式を描きましたが、酸性下の場合は、アセチル基の 酸素に水素イオンが結合し、次に窒素上に正電荷が移動、そしてC-N結合が 開裂、という順序になるかと思います。
お礼
詳しい説明どうもありがとうございます。参考になりました。