- ベストアンサー
構造って・・・?
私は現在、大学3年生です。 授業で、社会学で文献研究をやっています。 ちなみにテーマは「公務員犯罪の構造について」というものです。 とろころが、今まで社会学の講義をあまりとってこなかった私にとって、「構造的にみる」という視点が備わっていません。 なので、いくらレジュメをつくっても、先生の満足のいくようなものが全くもってできるわけもなく…。 〆切が迫っているにも関わらず、どうしても理解できないのです。 そこで、「構造的にみる」ということはどういうことなのか、教えてはもらえないでしょうか?
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
言葉を洗いなおしてみましょうか。 社会学は、言葉が大きくものをいう学問です。 まず、マートンの言葉から。 【官僚制】多様な概念用法があるが、大別して二つの用法に分けられる。一つは、ラスキに代表される用法で、政府の統制力が官僚の手中に完全に掌握され、その権力行使によって一般市民の自由が危うくされているような統治形態を指す。(中略)最近ではこれを「官僚政治」と呼ぶことが多い。もう一つは、特定の構造的・機能的特性を備えた一定規模以上の組織形態をいい、ウェーバーによって構成された官僚制組織の理念型が有名である。すなわち、規則による権限の配分、職務の階統制(ヒエラルヒー)的配列、行政手段の私的財産からの分離、専門的資格に基づく任用、文書による職務の遂行等がその特性としてあげられる。しかし、こうした諸特性に基づく形式的合理性の徹底は、必ずしも実質的合理性の実現を保障するものではなく、権威主義、非能率、形式主義等さまざまな官僚主義的現象を生み出しやすいことが指摘されている。 【日本の官僚制】従来、日本の官僚制の主たる特色として、以下のような諸点があげられている。1)組織構造における独特の階統制(ヒエラルヒー)。外見上の階統制をもちながら、実体的には強い割拠性を内在させていること。2)官僚の行動様式に見られる特権的性格。民衆に対する後見的支配観、官職の有無・上下による差別感、公私の混同から生じる官職私有観が残存していること。3)意思決定の過程に現われる稟議制の特色。これにより能率の低下、責任の分散、リーダーシップの欠如等の欠点が生じやすいこと。その他、学閥の支配による高級官僚の同質性、学歴と年功による固定的な昇進パターン等の特色も指摘されている。第二次世界大戦後、行政組織および公務員制度の請う制原理は大きく転換したが、上記のような伝統的な特色は基本的に温存されてきたといいうる(以下略)。 (阿部・内田・高柳編『現代政治学小辞典 新版』有斐閣、いずれも今村都南雄執筆) ちなみに、「公務員=官僚」であるかどうかは、ものの捉えようにもよりますよね。 ご質問の「構造」とは何ぞや、ということも問題ですね。 室伏哲郎は日本の汚職に「構造汚職」ということばを用いました。 「従来の単純汚職とは次元が異なり、それが政治・行政・産業のゆがんだ結びつき(政官財癒着)自体によって構造的にひき起こされるもの。この結果、「職務権限」と「報酬」の関係も曖昧となり、犯罪認識が薄れるため、病巣は一段と深くなる」(『社会学小辞典』有斐閣)。 「構造」とは、このことでしょうか? もう一度、「構造」概念の洗い出しをお願いします。補足にあることのほかに、「構造=機能分析」(パーソンズ)なんてのもあります。 さらに混乱させると、ギデンズは「構造化理論」を唱えています。 『社会学小辞典』には、構造で始まる言葉を4ページに渡って載せていますしね。 私自身、山中一郎という学者を知らないので何ともいえないのですが、山中さんの文献をどう読むかよっても、レジュメは違ったものになるでしょうね。 なお、マートンの「官僚制の逆機能」研究は、民間に偏ったことではなく、組織一般、特に「官僚制」という組織の分析ではなかったかと思います。再確認をお願いします。 まずは、ことばを大切にすることです。 遥洋子さんみたいに、「構造って何?」「犯罪って何?」「官僚制って何?」と自分に問うていくと、ある程度の方向性は見えてくるでしょう。 ただし、大学3年生なら、社会学事典の使い方ぐらいは心得ておきましょう。 社会学は、ことばが命の学問ですからね。 まあ、今回のレジュメがうまくいかなくてもよしとして下さい。命を落とすわけではないのだから。 次回の研究で、今回の研究の反省を行なって下さいね。 と書いて、補足を改めて読みました。 これって、「犯罪の歴史社会学」とか、そういう類のものでしょうか? 社会の切り取り方も人次第、それが社会学の困った問題なのですよね(野村一夫『社会学の作法・初級編』文化書房博文社の序章を参照のこと)。 メタ理論(学問のための理論)が入っていると、さらに話がややこしくなる。 調べ方ですが、 佐高信の諸著作あたりはさっと見られるようにしましょう。 日頃の訓練が大切です。 補習代わりに、明後日以降に以下にアクセスしてみて下さい。 勉強になりますよ。
- 参考URL:
- http://www.socius.jp/
その他の回答 (4)
- mamuku-
- ベストアンサー率47% (9/19)
きわめて単純化してお話ししたいと思います。別の角度から。 「構造」とは、建築の用語からきたようです。こういうとわかりやすいでしょうか? 「構造」とは、「比較的変わらないもの」という意味です。 建物でいえば、梁や柱などの「骨組み」のことです。 つまり、「構造」とは、「相対的に変わらない」、「仕組み」のことです。 ですから、「公務員犯罪の構造」と言ったときには、 「組織」「体制」的な犯罪といったことになるでしょう。 きわめて簡単にお話しましたが、「構造的にみる」とは「比較的に変わらないもの」を「見つける」、「探す」ということでしょうか。
お礼
ありがとうございました! とてもわかりやすかったです!!
- hanbo
- ベストアンサー率34% (1527/4434)
No1です。 >公務員犯罪の中心をなす贈収賄には、社会的儀礼・贈物・慣習といった問題がある とのことですが、時代劇に見るように昔から贈収賄はあったのでしょう。その名残で、現在も業者などが受注を目的に贈賄という構図でしょう。これも構造といえば構造ですよね。賄賂をもらったとしても、その人一人では業者を優遇できるシステムにはなっていません。組織の構造がそうなっているからです。仮に市町村長が企業から賄賂をもらったとしても、1人ではなくて部下の協力がなければ、業者の優遇は出来ません。 企業にしてみても、儀礼や贈物という習慣によって、親しくなったりという例は後を絶ちませんね。話題の鈴木宗雄議員のヤマリンとの関係が、最たる物でしょう。頑張ってください。
補足
回答ありがとうございます。 使用している文献が初版が1976年なんで、内容も古いものなんです。 (そも元となる論文は確かかなり古かったような…) 当時の贈収賄事件では、両被告の「友情関係」が認められ、結果的に裁判で無罪になっているものもあるようです。 贈物に賄賂性があるかどうかといった点は、基準が個人の見方によって(つまり主観がはいってしまって)異なるため、区別が難しいようです。
- Naodon1020
- ベストアンサー率25% (243/949)
「構造」というのは「関連」が「連鎖」していることでしょう。 世の中、原因があって結果があるんですが、これが連鎖していて 原因が一つではなく・・・ことを「構造的問題」と言ったりします。 で、「構造的に見る」というのは、 公務員の犯罪を、その個人の犯罪だけというようには捉えず、 その犯罪が起きる原因が組織や風土にもあるのではないかという 視点で捉えろと言う意味だと思います。
お礼
アドバイスありがとうございます!! 発表がもう迫っていますが、がんばりたいと思います!! ちなみに、先生に「明日までに最終発表のレジュメ案を出してください」といわれてますが、解決してない事が山積み…。
- hanbo
- ベストアンサー率34% (1527/4434)
構造は、要素の相互関係という観点で、考えると良いと思います。 結局、公務員犯罪は個人の単独で行なわれるのは稀で、勤務している官公庁全体の問題であったり、勤務している部署全体の問題である場合がほとんどです。公務員という勤務形態は、完全な上下関係の縦系列の組織と、その系列の中に横の系列がつながります。 公務員の職務上の犯罪は、贈収賄が代表的ですが、それらの行為は公務員個人では行うことが出来ません。賄賂をもらってもその業者を優遇するためには、別の担当者の力を借りなければなりません。公務員の場合には、各部署で仕事を分担していますので、個人では関連する部署の分野には口出しが出来ませんので、それら関係者が連携をして始めて犯罪が行なわれる例がほとんどです。これら、組織で行なわれますので「構造的」ということになります。
補足
みなさん、回答ありがとうございます! この研究は山中一郎さんの文献をもとに行っています。 山中さんは公務員犯罪を見ていくことで官僚制の研究として位置づけているようです。 官僚制についての研究はマートンといった有名な社会学社も行っています。 しかし、それらの民間における経営企業体を志向しているものであるという点で、山中さんは問題としていました。 文献には"公務員犯罪の構造的特質"という章があり、 1犯罪類型 2組織性 3人間関係 4犯罪期間 から構成されています。 その後、公務員犯罪を"公務員と官公庁組織"の章では 1日本の官公庁組織 2官公庁組織および日常生活の場に与えている社会・経済的構造 の点から考察しています。 hanboさんのおっしゃる通り、公務員犯罪は贈収賄が中心とした、相互作用の犯罪です。 贈収賄の行為は、「社会的儀礼・贈物・慣習」といったことが絡んでくると思います。 私としては、最終的には「公務員犯罪の中心をなす贈収賄には、社会的儀礼・贈物・慣習といった問題がある」といった提起をして、研究をしめようと考えてるんですけど…。 どうしてもバックの官公庁組織と結びつかなくって…。 補足というよりは、愚痴に近くなってしまったような…。 幼稚な文章ですみません。(汗) アドバイスよろしくお願いします。
お礼
ありがとうございます! とても分かりやすかったです。 そもそも、どうしてこのテーマに行き着いたのかというと、もともと犯罪社会学について勉強したくて、色々な理論を読んでいたんです。 その時、先生に現代社会の問題意識について尋ねられたので、「公務員・官僚の犯罪が気になります」と答えたところ、先生はいたく気に入ってしまったようです。 ちょうどマートンのアノミーついて勉強していたときで、この理論が公務員犯罪に当てはまると先生は考えたようです。 先生は「公務員犯罪」についての文献がないと考えていたようで、マートンの理論がどこまで適用できるかといった方向性を考えていたみたいです。 実際、文献類をあたってみると、この研究を進めるにはとてもよいテキストだったようです。 (「マートンの理論の適用」という方向性でもできたとは思いますが…) 私が力不足なんですけど、"山中さんの文献をどう読むか"といったことが私は全くとっていいほど出来ていないようです。 ですので、「公務員犯罪を構造的に見ていく」といったことが出来ていないんでしょうね…。 色々なアドバイス、ありがとうございました。 とても助かりました。 "お礼"というよりは"補足"の文章になってしまってすみません。(汗)