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社会主義について
過去にも似たような質問があると思うのですがいまいちしっくりこないのでよろしくおねがします。 (1)社会主義が私有財産を禁じているのであれば中国は社会主義国家といえるのでしょうか? (2)(1)に関連して、スウェーデンなどのように税金を目いっぱい取って富の再分配をするような国のほうが中国より社会主義国家に近いと思えてしまうのですが、社会主義は端的にはどういうものなのですか?
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社会主義というのは、資本主義との対義として出てきた思想です。 では、資本主義とはどういうことか考えると、生産手段を資本化が持っているということでしょう。そこに、資本家と労働者の社会格差が生じることを、問題視したわけです。 社会主義では、この生産手段や公共物を、社会で持つようにしましょうということです。誰かが使用者になるわけではなく、誰かが労働者になるわけでもない、全員が社会資本を活用して必要なものを作っていきましょうということですね。 そうすると、(1)の中国ですが、私有財産や出資による企業支配が可能ですから、厳密な意味では社会主義ではないと思います。ただ、中国では国民全体が国家を構成する一員として、中国のために働くことを主義としているということで、それを社会主義と定義づけているように思われます。 (2)では、程度の差こそあれ、どこの国でも税体系には所得の再配分の機能があります。これを社会主義的ということにすると、じゃあ何%以上なら社会主義的なのか、非課税枠があったらどうなのか、といったような論争になってしまうと思いますよ。また、(2)の例では、生産手段の共有というところには至っていないので、原理的にも社会主義ではないということが言えるでしょう。 一部の学者などの間では、日本がいちばん成功した社会主義だと言われたりしています。高度成長期には、政府の統率力が大きく、産業の育成などを国ぐるみで行ってきて、企業は社会全体の財産として倒産などを未然に防ぐシステムまであったので、これは社会主義だろうというわけです。 まあ、これは極論的な部分もあるでしょうが、(キューバやリビアなど、よくわからない国はありますが)現在は純然たる社会主義国はないということになるのではないでしょうか。
お礼
お~なるほど!!すごくわかりやすかったです。ありがとうございます。