• 締切済み

「美術」と「心理学」のつながりについて。

   現在美術大学を卒業し、人に携わりながらの美術制作系の仕事をしています。    色々な方たちと色々話をして作品制作をしていると、日常的な小さな出来事の話から、すごく内面的なこと、精神面までもカバーしなくてはならないことも出てきてしまうのです。    今更なのですが、作品制作のための専門的なアドバイスと心理カウンセラー的な要素も必要なのかと感じてしまっています。  職場は、大学院進学なども受け入れてくれそうな環境です。  もし美術と心理学をつなげ、制作や仕事につなげていくならどのような内容の学術、専攻があるのでしょうか。具体的な研究内容などでも結構です。  教えていただけたらと思います。

みんなの回答

回答No.6

下で比較認知科学の話が出てきたので、少し。京都大学霊長類研究所のチンパンジー、アイたちの心理学的研究も、比較認知科学です。 (* 比較認知科学が新行動主義の発展形であるというのは、少し語弊があるかもしれません。比較認知科学は、ロマネスらの比較心理学、ブラフらの動物心理物理学、ローレンツらの動物行動学が祖だと考えます。参照:藤田和生1998『比較認知科学への招待』) 東京芸術大学の斉藤亜矢さんは、アイたちチンパンジーに「絵画」を描かせ、それをもとに研究をおこなっています。 アイたちの描いた「絵画」はこちらです。 http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/ai/gallery/gallery.htm また、日本女子大学の中川織江さんは、同研究所のチンパンジーたちの粘土造形を研究していました。中川さんは幼児造形の専門家です。 中川織江 (2005). 粘土遊びの心理学: ヒトがつくる, チンパンジーがこねる. 東京: 風間書房. http://www.amazon.co.jp/gp/product/4759915133/ 私がお勧めなのは、心理学からは少し離れますが、セミール・ゼキの著作です。ゼキは視覚処理の脳科学の専門家です。あのバルテュスと一緒に本を書いていますので、美術にも理解のある脳科学者のようです。 ゼキ, S. (2002). 脳は美をいかに感じるか: ピカソやモネが見た世界. 東京: 日本経済新聞社. http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532149606/ というように、美術も広いものですが、同様に心理学も広い分野なので、かかわり方は何通りもあります。心理学のほうでいえば、視覚処理から芸術療法まで、基礎から応用までそろっています。「心理カウンセラー的な要素」を重視するなら、相手に無責任であるわけにはいかないので、気軽に心理学をやるわけにはいかないと思います。他方、「作品制作のための専門的なアドバイス」なら、気楽に心理学を学ぶとよいと思います。学んだことが足かせになるのではなく、表現の幅を広げるのに役だてられればすばらしいですね。 インターネットで検索してみたら、日本芸術療法学会という学会もあるようですね。知りませんでした。 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspa/

kumukumu-n
質問者

お礼

本当にありがとうございました。 心理学の深さを知るとともに、やらなくてはならない事の大きさを感じさせていただける・・・ような回答。しっかり、すこしずつ足固めをして行こうと思います。 セミール・ゼキの著書、早速購入してみました。まずは、一読。頑張ってみようと思います。

  • Diogenesis
  • ベストアンサー率49% (859/1722)
回答No.5

美術と心理学のつながりは多面的です。 すでに指摘されているように知覚研究と20世紀美術の関係は深く, とくに20世紀前半から中庸にかけてのゲシュタルト学派の貢献は注目に値します。 メッツガーの『視覚の法則』,アルンハイムの『芸術心理学』, また自らも実作者であったカニッツァの『視覚の文法』といった古典的著作は 美術関係者にも多くの読者を持っています。 さらにゲシュタルト心理学の理念を発展させたギブソンのアフォーダンス理論は 誤解をはらみつつも20世紀末の建築やデザインの世界で一世を風靡し, その影響は幅広い領域にいまも静かに浸透しつつあります。 日本におけるアフォーダンス理論=生態心理学の旗振り役で アーティストやデザイナーとのコラボレーションも行なっている佐々木正人氏の著作が参考になると思います。 ●レイアウトの法則―アートとアフォーダンス  佐々木正人(著)    春秋社  http://www.shunjusha.co.jp/book/36/36028.html そういえば 先に名前の挙がっていた下條信輔氏も アーティストのタナカノリユキ氏との継続的なコラボレーション活動を行なっていますね。 ●ルネッサンス ジェネレーション  http://www.kit-rg.jp/ 知覚研究以外でも たとえば20世紀前半のダダやシュルレアリスムといった芸術運動が 発想の源泉として,また理論武装の根拠として 精神分析から多くの示唆を得ていたという歴史的事実があります。 (ただしフロイトやユングの理論を心理学に含めることには根強い異論があります) 20世紀心理学の主流派であった新行動主義の心理学は美術とは一番縁が薄そうですが, その発展形とも言える比較認知科学の研究者である渡辺茂氏は ハトにモネとピカソの「画風」を見分けさせる研究で1995年度のイグノーベル賞を受賞しています。 これは認知能力の進化を考える上で非常に示唆に富む研究なのですが, 一般の人にはその意義が理解され難いようで・・・。 ●ピカソを見わけるハト―ヒトの認知、動物の認知  渡辺茂(著)  日本放送出版協会  http://shinshomap.info/book/4140017473.html いろいろと書きましたが, 心理学→カウンセラーなどという陳腐な発想にとらわれないで, 上記の著作や人名を手がかりに美術と心理学の多様なつながりについて調べてみてください。

kumukumu-n
質問者

お礼

本当にありがとうございました。 アルンハイムの『芸術心理学』の存在を教えていただき、感謝いたします。古典的とありますが、総論的な内容から学んでみようと思います。 私の知識の存在の中にかけらも無かった、全く未知の世界の地図を開いた感じがする回答でした。 ありがとうございました。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.4

文学と絵画の関係については、『児童文学と挿絵』という視点で考えてみてください。 最後に、ここまでのものを検討されたうえで、それぞれを実行するとなると、非常に時間がかかりますが、 『サブリミナルマインド』下條信輔著 中公新書 http://www.amazon.co.jp/サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ-下條-信輔/dp/4121013247/ref=pd_sim_b_1 をお読みになられると、認知心理学のアウトラインが理解できると思います。 価格も¥800円程度ですので、まず手始めにでも、いかがでしょうか。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.3

ついでに… ・記号と絵 ・文字と絵画 ・模写と模様 について考えると、大変面白いと思います。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.2

□美術史 ・モネの絵 http://hiroshima.cool.ne.jp/2x_y/m2eindex.html □デザイン ・The Official M.C. Escher Website http://www.mcescher.com/ ・Picture gallery (シンメトリー) http://www.mcescher.com/Gallery/gallery-symmetry.htm ・Picture gallery (だまし絵) http://www.mcescher.com/Gallery/gallery-recogn.htm □視覚の特性 錯視―視覚の錯覚 http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/basics/visual/index.html 以上は視覚機構についてですが、このほか、ユング著の「元型論」、その基本ともいえる「アニマ・アニムス」について調べらると参考になると思います。

kumukumu-n
質問者

お礼

ありがとうございました。 具体的に、述べられていて読み入ってしまいました。こういうものを知る事は、造る側面に、支えとして知っておかないと・・・ですね。 重ねて、ありがとうございました。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.1

美術と心理学との接点といえば、まず視覚情報の処理の話になると思いますので、「認知心理学」や「神経心理学」が該当すると思います。(神経心理学は、医学との境界にありますので、各部名称理解の為、更なる検索や書籍購入が必要だと思います。) ・放送大学 授業科目案内 認知心理学概論('06) http://www.u-air.ac.jp/hp/kamoku/kyouyou/ippan_jinbun/s_1117416.html ・放送大学 授業科目案内 神経心理学('06) http://www.u-air.ac.jp/hp/kamoku/kyouyou/hattatu/s_1510509.html ・放送大学 授業科目案内 脳科学の進歩('06) http://www.u-air.ac.jp/hp/kamoku/kyouyou/seikatu/s_1626612.html  これら以外にも、関連する講座があるようですので興味があれば、お近くの学習センターなどで閲覧してみてはいかがですか。 ・放送大学 授業科目案内 教養学部 http://www.u-air.ac.jp/hp/kamoku/kyouyou/index.html ・フロイトとユングの著書 http://virus.okwave.jp/kotaeru.php3?q=1815094  回答No.#1 Behaviorism様が掲示してくださった書籍も参考になると思います。

参考URL:
http://www.u-air.ac.jp/
kumukumu-n
質問者

お礼

ありがとうございました。 放送大学の資料を請求してみました(受講するかどうかは、まだ考えて見ます)。 なにか、見えてきそうな感じがしました。 まずは、ユングあたりから・・・ 重ねて、感謝。