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性格心理学について
滝に打たれたりする厳しい修行などで、性格が変わるそうですが、 具体的にどんな方法で性格が変えられると、心理学では考えられているか 教えてほしいです。
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性格心理学は色々な性格の類型論を立てています。今日的には、類型論はそれほど中心的なものではなくなりましたが、歴史的には類型論を立てることが性格学であるとも考えられました。 「性格」と普通呼んでいるものは、或る程度先天的に決まっている、「身体」とも対応した「気質」の部分と、この気質をベースに、成長過程での経験や学習を通じて構成されると考えられる狭義の「性格」に分かれます。 この「気質+狭義の性格」という形の性格は、広い意味では、「パーソナリティ(人格)のありよう」の問題だということになります。 身体の大きい人は、家族にも大きい人が多く、また、短気な人は、家族にもそういう人が多いというのは、遺伝的な影響で身体や気質が決まっているとも考えられます。 性格を変えるという時、これは「パーソナリティのありよう」を変えるということになります。同じような気質でも、それをどううまく生かすか、うまく抑制したりするかで、かなり、生得的な気質も、その日常生活上の「あらわれ」を調整できます。 パーソナリティのありようというのは非常に複雑で、個人個人で違った事情があり、一般論では述べにくいのですが、例えば、対人関係がうまく行かない、どうも引っ込み思案で、自分の主張したいことも、他の人の前ではうまく主張できず、社会関係でも、消極的で、従属的であるという人がいたとします。 この場合、もっと対人関係で自己主張できるようになり、社会関係でも、積極的に発言や行動で活躍できるようなパーソナリティになりたいと思えば、例えば、勇気を奮って、見知らぬ人ともできるだけ言葉を交わしたりするよう努力し、今までは、引っ込み思案で、陰に隠れていたような場面でも、できるだけ表に出るようにするというような「努力」の「継続」で、対人的・社会的に積極的なパーソナリティへと自分を変えて行くことができます。 (この場合、失敗を悔やんで、それが苦になって、なかなか積極的言動ができないと言う人もおり、この場合、できるだけ「小さな失敗」は「気にしない」という、「心理的な心構え」を、普段から持つように心がけると、気苦労な基本的な性格はなかなか変化しなくても、実際的に、以前よりも、気が楽になり、対人的に緊張しなくなるというようなこともあります)。 この場合、必要に応じて多くの人は、社交性や社会的積極性を身に付けるので、引っ込み思案の人でも、仕事の上で、そうは言っていられない場合、段々と、日々の努力や継続で性格が変わることがあります。また、上で述べたように、自分で努力を継続して変えることもできます。 自分はどうも短気で、人とすぐ喧嘩になるというような人の場合、そういう短気な性格を直そうと思えば、何事でも、一旦、距離を置いて、ものごとに対し、反射的な判断や行動は避けるという努力を行っていると、短気な基本的な気質的部分は変わらなくとも、以前は、すぐに外に出た短気さが、一旦、心のなかで発揮され、心で吟味してから、外への言動を決めることで、外にはあまり出てこなくなるというようなことがあります。 パーソナリティは色々な要因で構成されていて、どういう風な性格を、どういう風な望みの方向へと変えて行きたいかで、方法が異なると思います。ただ、人間の心は、かなり柔軟なところがあり、非常に消極的な人でも、積極的な生き方に切り替えることができ、また、積極的すぎて、人を困らすようなことをしばしばしてしまう人は、慎重さを養うことで、性格を変えることができます。 「瀧に打たれる修行」というのも、単に冷たい水が落ちてくるのを我慢するというだけでなく、瀧ですから、上から何が流れ落ちてくるか分からないので、或る意味怖いのですが、少々のリスクや、意外なことでは、心が乱れない、冷静に事態を眺めることができるような心を養うという意味があります。 また、冷静になって過去の自分を振り返り、色々な問題点を考え反省し、「自分をよく知る」ということ、つまり「自己の客観視」の訓練で、なるほど、こういうことを言うので、自分は人から嫌われているのだ、と分かったりすれば、そこで、人から嫌われる原因となるような言動は改めようという反省が起こり、これを実行していると、パーソナリティが変化して来ます。 性格を変える……パーソナリティを再構成する、というのは色々な方法がありますが、まず、自分自身や社会や他者を、「客観的に」「冷静に」反省して眺めるという所から始めるはずです。 自分はどういう人間かを客観的に把握して、とてもこんな性格は直せないと思えるようなことでも、何か「切り口」があれば、そこから少しづつ自己訓練の努力を継続して、性格を変えて行くことができるということです。 「性格は変えられる」とか「積極的思考のすすめ」とか、色々な本が出ているはずです。これらは、パーソナリティの理論を、或る程度基礎にして、著者の経験などから記されています。こういった本を参照されるのもよいことでしょう。