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本当にフィクショナル・キャラクターならいいの?(著作権関連です)
漱石の作品に登場する三四郎、苦沙弥先生などの登場人物の紹介を網羅した人名事典を編纂して同人誌として売りたい場合、これは何らかの権利に抵触しますか?事典では人物紹介するときに解説に【作品内で表現されている風貌やセリフの引用】を加え、さらに【私が描いた作品に忠実な挿絵を添える】とします。 また、これが現代作家、例えば村上春樹の作品なんかでも可能ですか?それともその場合はいくらフィクショナル・キャラクターであっても【著者の死後or作品の発表年…】といった問題が発生しますか? ------------------------------------------------以下参考になりそうな引用を載せておきます。 http://www.cric.or.jp/qa/sodan/sodan4_qa.html “フィクショナル・キャラクターの場合には、視覚的表現を伴うわけではありませんから、美術の著作物としてとらえるわけにはいきません。また、登場人物等の性格や役割などは著作物の創作においては大きな比重を占めますが、それ自体は「アイデア」の領域に属するもので「表現」を保護する著作権の対象にはなり得ないと考えられます。したがって、過去に創作された著名な小説の主人公のキャラクターを用いて全く新しい作品を創作したとしても、オリジナルの作品の著作権が及ぶとは考えにくいことになります” http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070128/bnk070128012.htm “文学でいうならば、アイデアは保護されない。たとえば私の『僕って何』(芥川賞)ですが、物語の構造は夏目漱石の『三四郎』です” http://okwave.jp/qa182738.html この質問の趣旨は「小説の登場人物の名前が著作権法による保護の対象外にあるのでそれを用いて作品とは全く異なる話の小説を拵えてもよいか?」だと思うのですが、私の場合は「登場人物を作者の意図に全く沿ってはいるもののむしろ資料として編纂してもよいのか?」です。
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一つ目の質問、漱石の場合に限っていうなら、全く問題はないと考えてよいでしょう。 漱石の死後50年が経過していますので。 (もちろん漱石の人格や名誉を傷つけるような仕方なら話は変わってきますが) 二つ目の質問、現代作家の場合にも、程度によりますが大体において問題ないと思われます。 ただし、【作品内で表現されている風貌やセリフの引用】は「引用」の条件を満たしていることが必要です。 すなわち、 ・報道・批評・研究等の正当な目的であること ・公表されているものであること ・引用に必然性があること ・質的、量的に、引用先が「主」、引用元が「従」とみなせること ・出所を明示すること などです。 【私が描いた作品に忠実な挿絵を添える】ことに関しては問題ないでしょう。 著作権法が保護するのは、あくまで「表現」ですから、 絵で表現されたものでない限り絵画の著作物として保護されることはありません。 まとめると、著作権に関しては元の「表現」を全く、あるいはほとんどそのまま使用する場合 (この場合ですと文章の引用など)にだけ気を付ければよいことになります。 ただ、可能ならば出版社等を通じて原著作者(あるいはその遺族等)に一言断りを入れるのが礼儀かも知れません。 もちろん法律上の要請ではありませんし、 その作家さんの気質や同人誌の内容、頒布の規模にもよりけりなので一概には言えませんが (逆にトラブルになることも充分考えられるので)。
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- nep0707
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ただのキャラクターには著作物にあたらないとされていますので、 それだけを取れば著作権の問題にはならないと思われます。 その説明は、まさに引用されているCRICの説明がドンピシャリで、 付け加えることは何もないです。 これがややこしくなるのは「既に絵で表現されている」キャラクターなわけですが、 それもそのサイトで説明されているので、付け加えることは何もないです。 あとは、世間が受け入れてくれるかどうかという、法律では解決できない問題だけだと思います。 (小説の解説ならいいけど、パクリはいくら法の問題にならないとしてもスカン食らうでしょうし)
お礼
回答ありがとうございます。 ということは出典を記せば作品内で表現されている風貌やセリフをそのまま引用すること自体は問題ないということでいいのでしょうか。別の「編集権」みたいのが存在すればちょっと困るなと思っていた次第です。まぁ世に問うというかそんなに大仰なものを作る予定はなく、仲間内で楽しむくらいのものなので、仮に創作するにしても題名からして「鴎外作品人名事典」みたいな風になるのでおそらくパクリとは受け取られないと願いたいですが・・・確かに世論次第でうーん未知数ですね・・・
お礼
拝見させていただきました。丁寧な回答ありがとうございます。 >>死後50年が経過していますので。 そうですか。なんとなく不安だったので安心しました。 >>漱石の人格や名誉を傷つけるような仕方・・・ 大丈夫です。いわゆる「実は坊っちゃんは女だった!」という類のトンデモ本ではなく、あくまでも書かれていること重視の手引き書みたいな感じのものなのでその心配はありません。 >>【作品内で表現されている風貌やセリフの引用】 引用先が「主」、引用元が「従」というのは始めて聞いたので調べました。そうなると単なる羅列は×ということですね。 >>【私が描いた作品に忠実な挿絵を添える】 なるほど、要はそれが「表現」か「アイデア」かといういことですね。 >>原著作者(あるいはその遺族等)に一言断りを入れるのが礼儀 ですね。いくら仲間内の細々とした同人誌であるとはいえやっぱり黙って出版するのはこちらとしても後ろめたいのでメールか手紙で一言断っておく必要があるでしょうね。