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塩化水素触媒によるエステル化
塩化水素を触媒としてエステル化するという問題を目にしたのですが、 いろいろ検索して調べて見ますと、 乾いた塩化水素下でメタノールとアミノ酸を作用させるとエステル化する という事実は載っていても、 それがどのようなメカニズムかは書かれたサイトは見つけることができませんでした。 どのようなメカニズムなのか教えてください。 また、乾いた塩化水素を触媒としてエステル化するという反応は、 普通のカルボン酸との反応では無理なのでしょうか。
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補足します。 塩酸(水溶液)でもエステル化の触媒にはなります。しかし、エステル化は平衡反応ですので、水が入るとエステルが加水分解される側に平衡が片寄りますので、エステル化は不利になります。 また、塩化水素は硫酸とは異なり、揮発性ですので、加熱の際などに逃げてしまい可能性があるので、硫酸が使われることが多いと思います。 酸触媒というのは、「エステル+水⇔カルボン酸+アルコール」の化学平衡にいたる速度を速めるための触媒です。したがって、エステル化の触媒にもなりますが、水が多くあればエステルの加水分解の触媒にもなります。
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横から失礼します。 酸触媒の作用はカルボキシル基のOHをプロトン化して、H2Oとして外れやすくするためのものです。この辺りの反応機構に関しては、多くの有機化学の教科書にも書かれていると思います。 その作用を「脱水作用」と呼ぶのであれば、酸触媒が脱水作用を有していると言えるでしょうが、一般的にはそれを脱水作用とは呼びません。 濃硫酸が脱水剤あるいは乾燥剤としての作用を有することは確かでしょうし、多量の硫酸を加えた場合にはエステル化においても脱水剤として作用することはあるかもしれません。 しかし、一般的には酸は少量(触媒量)用いられるだけですので、これまでのご回答にも書かれているとおり、酸触媒の主たる作用は脱水剤としての作用ではないと考えるべきだと思います。それは硫酸の場合でも塩酸の場合でも同様です。
補足
どうもありがとうございます。 >多くの有機化学の教科書にも書かれていると思います。 高校の教科書を見ていたのですが、プロトンがどうのこうのっていうのは書いてありませんでした。 単純に、“濃硫酸を用いて”とさらっと、何事もなかったかのように書いてありました。 授業で、エステル化は濃硫酸の脱水作用によるものだと習っていたので。。 >しかし、一般的には酸は少量(触媒量)用いられるだけですので、これまでのご回答にも書かれているとおり、 >酸触媒の主たる作用は脱水剤としての作用ではないと考えるべきだと思います。 >それは硫酸の場合でも塩酸の場合でも同様です。 そうすると、塩酸でもエステル化できるということなら、 乾いた塩化水素(気体)だけでなく、塩酸(水溶液)でも同様にエステル化できるのでしょうか。
>私は、脱水作用が酸としての性質であるというふうには習っておりませ >ん。 QNo. 2639830 QNo. 2613153 のところをお読み頂くと参考になるかと思います。
補足
どうもありがとうございます。 どちらも読ませていただきました。 (どのように参考になるのかが分かりませんでしたが。) (酸としてはたらくにせよ、脱水作用によって反応がおこるにせよ、 濃硫酸が触媒として働くのは変わりないことですし。)
>酸を触媒にするということですが、 >たとえば濃硫酸を触媒にしてエステル化する反応もあると思います。 あります。 >これは、脱水反応で、脱水反応だとすると、 >濃硫酸の役割は、酸としての役割ではないと思います。 それでは、どんな役割をしているとお考えですか。 >でも濃硫酸は一応、酸ですから、酸触媒としての働きも少しはしてい>るということでしょうか。 少しどころか、大いに触媒として働いております。
補足
>それでは、どんな役割をしているとお考えですか。 濃硫酸には脱水作用があります。 その性質でカルボン酸とアルコールから水分子を引き抜く役割をしてると思います。 ただ、その性質(脱水作用)が、酸としての性質というのなら、酸としての役割をしているのだと思います。 >少しどころか、大いに触媒として働いております。 濃硫酸が触媒として働いているのはもちろん分かっています。 しかし、それが“酸”触媒というとなると、どうなるのかなと思っただけです。 脱水作用が酸としての性質なら、酸触媒ということになると思います。 (私は、脱水作用が酸としての性質であるというふうには習っておりません。)
>7行目の酸触媒によるエステル化の反応というのは、 塩酸(水溶液)を触媒とした反応なのでしょうか。 水溶液ではありません。HClgasを使用していますので。 >これは、加熱をしていないから、酸による加水分解はおこらず、 >常温では酸は触媒として働くことになるということなのでしょうか? 加熱は関係ありません。 カルボン酸とアルコールだけでエステル合成は恐らく長時間掛かるかと思います。そこで、酸を触媒にする必要があります。 >(教科書にもエステル合成で酸触媒というのは見かけなかったので あまり馴染みがないです。) 一般的です。
補足
酸を触媒にするということですが、 たとえば濃硫酸を触媒にしてエステル化する反応もあると思います。 これは、脱水反応で、脱水反応だとすると、 濃硫酸の役割は、酸としての役割ではないと思います。 でも濃硫酸は一応、酸ですから、酸触媒としての働きも少しはしているということでしょうか。
アミノ酸は両性化合物ですので、 RCH(NH2)COOH→RCH(NH3+)COO- となっていて、カルボン酸のカルボニル基へのCH3OHの求核攻撃が起きにくくなっています。 そこで、HClgas飽和MeOH溶液(市販されている)を加えると、 RCH(NH3+)COO- + HClgas→RCH(NH3+)COOH・Cl- となって あとは、酸触媒によるエステル化の反応です。 RCH(NH3+)COOH・Cl- +CH3OH → RCH(NH3+)COOCH3・Cl- + H2O その他に良く使用される方法としては、 SOCl2/CH3OHがあります。 一般のカルボン酸でもこの方法によりエステル化は出来ます。
補足
6行目までは理解できました。 7行目の酸触媒によるエステル化の反応というのは、 塩酸(水溶液)を触媒とした反応なのでしょうか。 これは、加熱をしていないから、酸による加水分解はおこらず、 常温では酸は触媒として働くことになるということなのでしょうか? (教科書にもエステル合成で酸触媒というのは見かけなかったので あまり馴染みがないです。)
お礼
なるほど。。よく分かりました。 よく考えれば、触媒は活性化エネルギーを下げるもので、 エステル化の反応は可逆反応ですから、 反応の速度はどっちの向きにも速くなりますよね。。。 そのときに、水が多いか少ないかで平衡が移動して、 エステル化されるか加水分解されるか違いが出てくるわけですね。 どうもありがとうございました。。