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GNDのとりかた
アンテナで電波を受信して動作させる高周波回路(1GHz程度)を片面プリント基板で作成しています。 そこで質問があります。回路を構成しない部分はすべて銅箔を残してGNDをとったほうがいいのでしょうか。それとも寄生容量などが発生するので残さないほうがいいのでしょうか。また、GNDをとる場合は何か気をつけることなどありましたら教えてください。
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>負荷のLEDのインピーダンスは考慮しなくてよいのですか? LEDは非線形特性(定電圧特性)なので、インピーダンスマッチングという考え方がとれません。 また、DC回路(AFも)は、一般に電圧または電流で考えるので、インピーダンスマッチングということをあまり意識しません。 (DCでも効率の良い”電力伝送”を考えるなら、インピーダンスマッチングの考え方がある) 蛇足ですが、LEDは定電圧特性ですから、一定電圧に達するまで点灯しません。(赤色LEDで1.6V程度) 弱い電界ではLEDよりも、豆電球(なるべくなら、数十mAで点灯するムギ球)を使うほうが、検出が容易にできると思います。 最適条件を見つけるまでは豆電球で調整し、十分な電圧が確保できるようになってから、LEDに置き換えられたら如何でしょうか?
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- soramist
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ANo.2,3です。 急所を突いたご質問で、回答するにも張り合いがあります。(^_^;) >立体配線というのは表面実装ではなくリード線つきの素子を使うということでしょうか? いいえ、「SMD同士を合体(?)させる」ということです。 マイクロウエーブでリード線付きのパーツを使うということは考えられません。 リード部品は本体内部だけでも、数mmのムダがあります。 マイクロウエーブは「mmの単位が勝負」です。 1~3mm単位の部品を抱き合わせハンダ付けするのですから、それなりの工夫とワザが要ります。 言葉では説明できません。 部品配置と作業方法を工夫してください。 前述の検波回路は、うまくやれば「5mm四角の大きさ内に収まる」でしょう。 >ここで抵抗を入れる理由というのはなんですか。LEDに定格以上の電圧をかけないようにするためでよいでしょうか? C1,R1,C2でπ型フィルタを形成しています。(RFカット) また、R1はこの回路の入力インピーダンスを決定します。 DP ANTの75Ωと整合をとるために、75Ωとしました。 この回路は、DP ANTの平衡を不平衡で受ける形になっていて、アンバランスの問題があります。 理想的には、36Ωx2に分割して、対象位置に配置するのがよいと思います。 しかし、平衡、不平衡の問題はそれほど、大きな問題で社ありません。 (インピーダンスマッチングをとることで、電力ロスはほとんど解消する) >100pFでは自己共振周波数を超えてしまうように思うのですが。 鋭いご指摘です。 わたしも、47pFか100pFかと迷いました。 1608サイズの100pFのf特データが13ページにあります。 http://www.rohm.co.jp/products/databook/c/pdf/mch18-j.pdf これで見ると、たしかに680MHzあたりに共振があります。 しかし、この共振は直列共振ですから、パスコンとしてはむしろ望ましい特性です。 1GHzあたりでは、跳ね返って2Ω程度になっています。(誘導性) 47pFですと理論インピーダンスは、3Ω程度になりますが、ドンピシャ共振に持ってこられるかもしれませんね。 どちらでもよいと思います。 参考図書のご紹介 1.CQ出版社マイクロウエーブ技術入門講座 森英二著 2.CQ出版社高周波技術センスアップ101 広畑敦著 どちらも理論だけでなく、実装技術にまで言及していて、大変良い内容の参考書と思います。
補足
まだまだ不勉強なところがあり全部は理解できていませんがありがとうございました。自己共振周波数以上だとコンデンサとして機能しない、という認識でしたがそういうわけではないようですね。もっと勉強したいと思います。 最後にひとつだけお聞かせください。 R1で入力インピーダンスを決定するとありますが負荷のLEDのインピーダンスは考慮しなくてもよいのでしょうか。
- soramist
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>アンテナつきの半波整流と全波整流回路にLEDをつけただけのものです。 後のほうは、”全波”ではなくて、”倍電圧”なのではないでしょうか? それはさておき・・・これは基板云々の問題ではないですね。 基板に両面が必要なのは、ひとえに「RF回路で良好な電力伝送を行うためには、インピーダンスマッチングが必要なため」・・・です。 ベタアースをとることで、GND側のインピーダンスが消去されます。 また、表面に引いたパターンも、良好な50Ω(or 75Ω)ラインを形成することができます。←インピーダンスマッチング しかし、お話の回路は、そんなこと全く考える必要なさそうですね。 検波回路だけがRF回路で、検波出力以降は直流回路だから、どう引き回そうと、基板がどうであろうと、全く性能に関係ありません。 検波回路の部品点数も少ないですから、いっそ、立体配線にしたら如何ですか? 下記の回路を考えてみました。 ーーーーーSBDーーーーR1ーーーーー | | | | | | DP ANT SBD C1 C2 負荷(LED etc) | | | | | | ーーーーーーーーーーーーーーーーー SBD(ショットキーバリヤダイオード)は、例えば1SS295あたり(同等品なら何でもよい)。 http://www.datasheetcatalog.com/datasheets_pdf/1/S/S/2/1SS295.shtml R1=75Ω、C1,C2=100pF 程度で、1608サイズ(作業さえできれば、1005サイズのほうが望ましい)、これらパーツをSBDに抱かせ、ハンダ付けを行った後(団子状に構成)、リード線をとってから全体をボンドで固める。←補強 マイクロウエーブの配線は、数mmが勝負です。 なるべく短く配線するようにしましょう。 ANTが一番問題です。 一応、インピーダンスマッチングがとれるように、DP ANTを想定しました。 ANTと検波回路を基板上で接続します。(強度上の問題) 平衡・不平衡の問題はありますが、まあ、ミスマッチほど大きい問題ではないでしょう。 DC回路は、どんな配線をしようと全く自由です。 (片面基板でOK) もし、どうしてもGP ANTにしたい、となると一寸厄介です。 GP ANTのインピーダンスは37Ωです。 GP ANTは、ただ1/4λ(電気長で)の針金をつなげばよい、というものではありません。 効率の良い電力伝送を行うためには、Groud Planeをとる必要があります。 ここで、基板のGNDパターンが利いてきます。 5x7cmのベタアースは1GHzのGrond Planeとして立派に機能します。 片面基板でもGND面積が十分大きければ、問題ありません。 繰り返し申し上げますが、RFの電力伝送はひとえにインピーダンスマッチングです。 ANTと検波回路の整合良否が、最もこの機器の性能を左右するでしょう。 >GNDをまったくとらない場合(回路図そのまま作る場合)、実装した片面だけでGNDをとる場合、実装した裏面をGNDをとる場合ではどのような理由からどんな影響がでてくるのか・・・ 上記でご回答したつもりです。
補足
とても丁寧な回答ありがとうございます。GNDの必要性は理解できましたが、さらにいくつかお聞きしたいことがあります。 >いっそ、立体配線にしたら如何ですか? 立体配線というのは表面実装ではなくリード線つきの素子を使うということでしょうか? >R1=75Ω、C1,C2=100pF 程度で、1608サイズ(作業さえできれば、1005サイズのほうが望ましい) ここで抵抗を入れる理由というのはなんですか。LEDに定格以上の電圧をかけないようにするためでよいでしょうか?また、100pFでは自己共振周波数を超えてしまうように思うのですが。 >これらパーツをSBDに抱かせ、ハンダ付けを行った後(団子状に構成) この部分をもう少し詳しくお聞かせください。 今はとりあえずDP ANTを使うことを考えています。 それと私、高周波回路の勉強のためにこのようなことを行っています。しかしノウハウを扱った本が少なくとても苦労しています。なにか参考になるような本がありましたらぜひご教授ください。よろしくお願いします。
- soramist
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2.4GHz帯の通信機器の製作を手がけているものです。 先ず、ANo.1さんもおっしゃっておられるように、「両面基板」を推奨します。 表面の不要銅箔は、あってもなくてもよいのですが、回路のGNDを最短距離でとれることを考えると、あったほうがよいでしょう。 勿論、不要銅箔はスルーピン(*1)で裏面と貫通させて、GND効果が最短でとれるようにする必要があります。 *1 0.5mmφくらいの銅裸線でもよい およその目安ですが、1GHzくらいの回路であれば、(GNDしたいところは)5mm間隔でスルーピンを打った方がよいでしょう。 (メーカー完成品の基板を見ますと、細かい間隔でスルーホールをとっているのが見られます。) 基板の縁の部分は、表と裏を銅箔で接続します。(くるむような感じ) 表面の銅箔を残すことに不安を感じておられるのは、多分、回路パターンとの結合を心配しておられるのでしょうが、断面で見た場合、17μ or 35μの厚さしかないのですから、結合容量を心配することはありません。 (ただし、0.0○○pFが問題になるような場合は別です) 部品はなるべく、SMD(Surface Mounting Device:表面実装部品)を使用されることをお奨めします。 リード部品だと(例えばセラコンを想定してみますと)、部品内部のリード約2mmx2、本体から基板表面までのリード約5mmx2、基板を貫通する長さ(約1.6mm)を合計すると、およそ16mmのリード線によるインダクタンスをもつことになり、これは1GHzではかなりのインピーダンスを持つことになります。 (1cmで1nHといわれている→16mmあれば1GHzで約10Ω) リードタイプの部品は、そのまま貫通させれば、表面でGNDをとることを考えなくてよいので、今回のようなご質問になるのでしょうが、上記のご説明のように、全体的には、SMDを使うほうが圧倒的に有利です。 回路図と、設計した基板の大きさをお知らせいただければ、もう少し丁寧なご説明ができるかと思います。 (補足質問される場合は、どうしてもリード部品で行くのか、SMDに切り替えるのかを、補足していただけると有難いです)
補足
回答ありがとうございます。使っている部品はリード部品ではなく表面実装部品です。回路は今のところただのアンテナつきの半波整流と全波整流回路にLEDをつけただけのものです。大きさは5cm*7cmくらいです。 コストの面から考えてできるだけ片面で行きたいのです。GNDをまったくとらない場合(回路図そのまま作る場合)、実装した片面だけでGNDをとる場合、実装した裏面をGNDをとる場合ではどのような理由からどんな影響がでてくるのか教えていただけたら幸いです。
- tadys
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GNDはできるだけ広いほうがいいです。 それ以前に、1GHz程度の高周波回路を片面基板で作成するのは極めて困難です。(特に増幅器を含む場合は) 両面基板を使用して片側は全面GNDにするようにしてください。 1GHz程度の周波数になると単なる基板のパターンがLやCや共振回路になってしまいます。 どのようなパターンがどんな回路素子になるかを意識して設計をしなくてはなりません。
お礼
最後まで丁寧な回答ありがとうございます。 LEDはマッチングという考え方がないということですが、マッチングをとるには全体の入力インピーダンスを考えなければならない。そのためには非線形素子といえどLEDを考慮しなければならない。ということですよね。LEDに抵抗分がないわけではないですから。 >最適条件を見つけるまでは豆電球で調整し、十分な電圧が確保できるようになってから、LEDに置き換えられたら如何でしょうか? ちょっとわけありでLEDについて考えなければいけないのです。 本当にありがとうございました。またわからないことがあったらよろしくお願いします。