こんにちは。
1. 口からタンパク質を摂る
2. 消化器官でアミノ酸に分解される
3. アミノ酸は細胞に送られ、DNA情報に基づいて連結される
4. 連結された「アミノ酸鎖」が折り畳まれる
5. 折り畳まれたアミノ酸の塊はタンパク質としての「立体構造」を持ち、酵素として働く
タンパク質は数万からのアミノ酸を材料とする「高分子」であり、「酵素」とは、その複雑な三次元構造によって体内の化学反応や化学分解を促進する機能を持つ「機能高分子」であります。我々の体内では、食べ物から得られたタンパク質をアミノ酸単位まで分解し、それを再び繋ぎ合わせることによって目的の酵素が作られます。
タンパク質を作るために必要なアミノ酸は全部で20種類あり、食べ物から摂らなければならないものを「必須アミノ酸」といいますが、それ以外のものは体内で合成することもできます。そして、そのアミノ酸を繋ぎ合わせる順番の書いてある「タンパク質の設計図」が細胞内にあるDNAですね。
必要なタンパク質を作るための「アミノ酸配列」の情報は、細胞核の中にあるDNAから「mRNA(メッセンジャーRNA)」によって核の外に運び出されます。「tRNA(トランスファーRAN)」は、消化器官から細胞内に供給された20種類の中からmRNAによって指定されたアミノ酸を選んで運んで来ます。これによってDNAからmRNAに写し取られた情報に従ってアミノ酸が連結され「アミノ酸鎖」が出来上がります。
そして、アミノ酸といいますのは、それぞれに向きたい方向というものを持っていますので、アミノ酸鎖はそれに従って自然と折れ曲がってゆきます。それぞれに向きたい方向が決まっているのですから、同じ配列で連結されたアミノ酸鎖は必ず同じ折れ曲がり方をします。ですから、同じDNA情報によって決定されたアミノ酸配列はみな同じ折り畳まれ方をし、同じ形のタンパク質になります。そして、このようにして作られたタンパク質は、特定の化学反応や化学分解を促進するのに便利な立体構造を持つ「機能高分子」となり、酵素としての役割を果たします。これが細胞の外に分泌されるのがホルモンや腸内の消化酵素ですね。
DNAにはあらゆるタンパク質の情報が記されていますが、細胞というのはそれぞれの組織に分化する過程で不必要な情報の持ち出しが禁止されるように設定されます。このため、我々の体内の細胞は異なった形になり、それぞれに専門の役割を果たします。腸の細胞というのは、消化酵素を合成するための情報の持ち出しが解禁になっているんですね。
お礼
ruehasさん、回答ありがとうございます。 ご回答を読んでいて、NHKアーカイブでやっていた「驚異の小宇宙、人体、ミクロの戦士達」を見ている様な気分になりました。人間って、自然に出来たんでしょうかね?こんだけ出来過ぎていると、人間より100倍ほど頭のいい存在が作ったような気がしてきます。 あ、それと、2つ分らなかったのですが 1.この間あるある大辞典をみたんですが、人間の酵素は約5千種類あり、そのうち約3千種類が腸内で作られると言ってました。 ruehasさんの回答を読んでいると、酵素は、その場所場所の細胞内で作られるみたいなんですが、腸内(腸細胞内?)で作られた酵素が、他の部位に運ばれて使われる、ということはあるでしょうか。(例えば、腸内細胞で作られた酵素が、心臓の細胞や、脳細胞に運ばれて使われる。って事です) >これが細胞の外に分泌されるのがホルモンや腸内の消化酵素ですね。 2.この使われた酵素は、大便になるのでしょうか。