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重要な事業の一部の譲受
ある会社法のテキストによると重要な事業の一部の譲受は取締役非設置会社に置いては取締役が意思決定を行うと書いてあるのですが、会社法のどの条文を読めばこの結論が導けるのですか?教えてください。
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会社法295条1項は、株主総会は、株式会社に関する一切の事項について決議「できる」と定めています。 一方348条1項は、取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社の業務を執行「する」と定めています。 2つの条文の優劣ですが、「できる」と「する」の文言の違いから、348条が優先すると考えるのが自然でしょう。できるということは、しなくてもよいということですから。 テキストは基本的に原則を書くので、取締役が意思決定を行うと書いたのでしょう。勿論、株主総会が決議することも可能です。 但し、原則は株主総会で決議し、決議しないときは取締役が意思決定をするという解釈もできないわけではありません。文言には反しますが、取締役会非設置会社における株主総会の万能性を強調すると、導ける解釈です。 取締役会非設置会社の株主総会は一切の事項を議決出来ますから、取締役と権限が重なることになります。 取締役の業務執行が株主総会の決議に反する場合、355条の忠実義務違反を問われることになるでしょう。 後半の参考文献:論点解説 新・会社法 商事法務 2006
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- SumaII
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これは引っ掛け問題のような記述ですね。理由は、「どの条文にも株主総会の議決を要するとは書いていないから」です。 会社法467条1項をよくご覧下さい。株主総会の決議による承認が必要なものとして、 1号 事業の全部の譲渡 2号 事業の重要な一部の譲渡 3号 事業の全部の譲受 があります。この中に「事業の重要な一部の譲受」は入っていません。他の条文にもありません。 入っていない以上、株主総会での承認は不要です。よって、会社法348条1項により、取締役が意思決定をすることになります。
補足
回答ありがとうございます。もう一つだけ質問させてください。 会社法295条によると取締役会非設置会社に置いては株式会社の一切の事項の意思決定は株主総会が行うと書いてあるのだから重要な事業の一部の譲受も株主総会が意思決定を下すべきなのではないのですか?
- utama
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取締役会非設置会社ですか? 文脈がよくわかりませんが、取締役会が無い以上、取締役が業務執行(事業の譲受けも会社の業務執行のうちです)について意思決定するのは当然ではないでしょうか。(会社法348条)
お礼
大変わかりやすい回答ありがとうございます。 おかげでもやもやが解けました。本当にありがとうございます。