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重合方法の違いで分子量分布に違いが出る理由。
アニオン重合では分子量分布は1に近い値になりますが、ラジカル重合ではもっと大きい値になります。 この違いはどこから来ているのですか? あと、ラジカル重合で連鎖移動剤を使うとことによる影響はありますか?
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>アニオン重合では分子量分布は1に近い値になりますが 厳密に言うとリビングアニオン重合の場合、分子量分布(PDI)=1 となります。細かいですが、以下の説明で必要となるので… さて、PDIに影響するリビング重合とラジカル重合の決定的な差は 停止反応です。 といっても、リビング重合は不死重合という別名があるくらいで、 停止反応がないから、リビング重合なわけです。ですから、系内に 活性種を導入すると、ヨーイドンで均一にモノマーを消費するので 全てのポリマー鎖が同一長となり、PDIが1となるわけです。 ラジカル重合の場合、不均化と再結合の2種類の停止反応が起こり得 ます。不均化が支配的だとPDI=2、再結合が支配的だと3になりま す。なぜ、2or3になるのかという話は確率と統計論で解けるのです が、難しくて説明できません。(高分子の教科書でも、ちょっと程度 が高い本でないと載っていないレベルだと思います。) ちなみに、 不均化:ポリマーラジカル末端の脱離反応による停止反応 (分子内停止) 再結合:ポリマーラジカルの末端同士の結合による停止反応 (2分子停止)
補足
解答ありがとうございます。 先日ラジカル重合にてポリスチレンの合成を行ったのですが、分布が2に近くなりました。 教科書にはポリスチレンは再結合がほとんどとなっていたのでこれは誤差ってことですか?