SOHOというのは、個人事業という意味で使っておられると解釈してよいですね。
所得税がどうなるかは、その年全体での収入と経費のかかりぐあいでまったく異なります。
所得税の計算は、年間いくら稼いだかで決まります。月に50万円稼いでも、6か月しか仕事をしなければ、売り上げは300万円。12か月働ければ600万円。所得税は、まず月にいくらかではなく、年間いくらかで計算されます。これは、会社員の場合でも同じです。
次に個人事業では、年間の売り上げ(収入)から仕事にかかった経費を差し引いた額を所得として、税金がかかります。実際に使った経費が多くなればなるほど、税金は少なくなります。会社員の場合は、経費の申告をしない代わりに、「会社に勤めるなら、まあこのくらいは仕事をする身支度やつきあいなどに必要でしょう」ということで、収入金額に対して一律に決められた額を雇用所得控除として差し引いてもらえます。
自宅でパソコンを使って仕事をするような場合、申告できる経費はある程度限られてきます。年間の売り上げが少ないうちは、経費が大きな幅を占めるので所得税をあまり払わなくても済むことがありますが、収入が増えれば増えるほどかなり大きな所得税がかかってきます。サラリーマンの場合は、収入が増えれば、それにあわせて雇用所得控除も増えるのですが。
それから、年金、健康保険などの社会保険の掛け金は、正社員ですと会社が半額負担しています。個人事業者は全額を自分で負担しなくてはなりません。また、会社員ですと雇用保険、労働災害保険などがありますが、個人事業者にはありません。通勤途中に事故でケガをすれば労災で手厚く保護されますが、個人事業主が営業周りの途中で事故にあっても、社会的な保障はありません。そのため、個人事業主として長く働く人は、自分で掛金を払って個人的に保険に入っておく必要が出てきます。
また、いったん正社員になると、何か正統な理由がなければ、会社は解雇するのがとても難しくなります。会社の都合で仕事がなくなっても、あなたがとりあえず出勤しているかぎり、会社は給料を払わなくてはなりません。個人事業主で請け負い契約などですと、仕事がなくなったら、はいサヨウナラで終わりです。
ということで、何が得かというのは、いちがいには言えません。自分がどちらを選ぶかですね。