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プラスミド
標題についてオープンサーキュラーとクローズドサーキュラーというものがあるみたいなのですが、具体的にはどういう状態のことですか。 プラスミドを環状のままアガロース電気泳動するとこの2種類がバンドとして観察されるらしいのですが、本当ですか。 お分かりの方がいらっしゃいましたら、御回答お願いします。
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>ということは、プラスミドを環状のまま制限酵素で何も切断しないまま電気泳動すると、「必ず」プラスミドの塩基数よりも(若干)低分子側に移動し、かつ移動度はクローズドサーキュラー型の方が早いということでよろしいのですよね。 同じ塩基数で比較すると移動度は ccc>>linear>OC です。 cccはおおざっぱにいうとlinearの倍くらい早く移動し、OCはlinearよりやや遅いです。linearの移動度とどれくらい違うかは、条件によって異なります(たとえば泳動時のEtBrの濃度など)。 泳動のとき、linear DNAは長軸方向に進み、ゲルの網目構造の間をのたくるように通り抜けると考えられています。OCがlinearより移動度が低くなるのは、OCでは分子の形に広がりがあるため通り抜けがやや遅れるためだと私は想像しています。
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すいません。 クローズドサーキュラーとオープンサーキュラーを勘違いしていました。 geneticist12さん、ありがとうございました。
- geneticist12
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クローズドサーキュラー(covalently closed circular, ccc)は別名supercoiledといいます。大腸菌の中でプラスミドはcccになっています。 cccはプラスミドの二重鎖の一方の鎖に一箇所切れ目を入れて、その末端を、二重鎖の巻きを強くするほうにもう一方の鎖の周りにまきつけて再結合した状態です(そういう酵素のはたらきによります)。結果的にプラスミド自体がよじれてしぼった雑巾のように固くしまった状態になります。 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、輪ゴムをよじり合わせていくと、そのうちによじり合わせたゴム自体がよじれてきて、全体がコンパクトに収縮していきますね。そういうイメージです。 Open circular (OC)は別名nicked circularとも言い、二重鎖の一方に切れ目(ニック、nick)が生じて、cccの状態がとけた状態です。nickがあるとcccの状態をつなぎとめられないので、全体の収縮が緩んで、プラスミドが文字通り環状に開きます。これは、精製や保存のあいだに生じるnickが原因であり、大腸菌内の生理状態とは異なります。 cccは全体がコンパクトに収縮しているので、電気泳動では早く移動し、OCは遅くなります(同じ塩基数の線形DNAに近い)。
環状プラスミドの状態では、様々な立体構造をとるために、そのまま電気泳動すると、2種類と言わず、数本のバンドが出現することがあります。そのため構造をとっていないものが、オ-プンサーキュラー、構造を形成しているものが、クローズドサーキュラーとなり、泳動上では、後者のバンドが前者の上に観察されます。 事実、このプラスミドを制限酵素を用いて一カ所で切断し、泳動すると一つのバンドになります。
お礼
早速の回答ありがとうございます。 いまいちイメージがわかないのですが、ここでいう構造をとっていないというのが普通の環状の状態で、何かよく分からないけど変な構造をとっているのがクローズドサーキュラーということになるのですね。 なぜ、クローズドサーキュラーの方がオープンサーキュラーの上にバンドがくるのでしょうか。 オープンサーキュラーの方が構造的には大きくなってそうなイメージを抱いてしまうのですが。 また根本的になぜ、そんないろいろな立体構造をとってしまうのでしょうか。
お礼
非常に分かりやすい説明ありがとうございます。 ということは、プラスミドを環状のまま制限酵素で何も切断しないまま電気泳動すると、「必ず」プラスミドの塩基数よりも(若干)低分子側に移動し、かつ移動度はクローズドサーキュラー型の方が早いということでよろしいのですよね。