つらい状況にあるようですね。人事と人事関連企業に勤めた経験があり、また社会人大学院ではありますが修士課程を修了した立場から、回答させていただきます。ちょっと厳しいことを書きますが、お許しください。
ここで中退された場合、内定はおそらく取り消しになるだろうと思います。その理由は大きく分けて2つあります。
ひとつは、あなたが最初から「院卒見込み」の採用試験を通ってきていることです。新卒か新卒に近い場合、採用する側からみれば、最終学歴が「大学院中退」というのは「大卒」と同じではありません。
院卒と大卒の採用基準は異なります。一般的に院卒は「使いにくい」と考えられており、あえて院卒であることが役に立つ場合を除き、敬遠される傾向があります。つまり、院卒は上司より学歴が高い場合もあるし、実際に仕事には役立たない余計な知識(大学院での研究を、多くの企業がそう感じています)を身につけて、実務で「生意気」にも机上の空論を振り回すかもしれません。それに院卒にはそれなりの給与を支払わねばなりません。
それなのにあえて院卒見込みのあなたを採用したからには、修士号を持つ人間を採用することが、その企業のメリットになると判断したからでしょう。たとえばあなたの修士号が、IT関連のコンサル営業に役に立つ…と、先方は考えているかもしれません。
社会に出て何年もたってからの転職の場合には、「大卒」も「大学院中退」も変わらないと考える人事も多くなりますが(もちろん最後まで「中退者」は採用しない企業も有ります)、企業での実務経験がない(または、浅い)人間を選考する場合には、大卒で行なうことが可能な仕事内容には、最初から大卒見込みの人間を選考にかけるでしょう。
もうひとつの理由は、仮にあなたがここで中退した場合、内定先があなたの性格に疑いを持つだろうということです。
すなわち、あなたが「先に内定を取りながら、2年のうちに論文を書けなかった」「研究に楽しさも見いだせないので大学院を辞めてしまった」ことで、内定先の人事はあなたを「計画性がない」「やり始めたことを完了することができない」「すぐにやめてしまう」人間だと判断する可能性が高いです。
あなたを実際に働かせた場合、あなたが仕事も完了することができないという事態が起こるのではないか、仕事が面白くないと感じた場合(最初から面白いと感じる仕事を割り振られるのは、まれです)、あるいは仕事を期限内に完了できなかった場合に、さっさと会社を辞めてしまうのではないか…との懸念を、企業は抱くでしょう。
私としては、あなたが現状で可能な範囲で論文を仕上げて、提出することをお勧めします。修士の2年間で、満足できる研究結果を伴った論文を仕上げられる人は、それほど多くありません。多くの人は、2年という期限の中で研究が進まないことに悩み、それでもできるところまで進めていき、最後には言葉は悪いですが「見切り発車」で、提出期限にあわせて論文を仕上げています。というのは、研究というのは、すればするほど次々と課題が出てきてしまい、何時までやってもキリがないからです。
本年度に論文を提出して、口述諮問に備えるのが最良の方法だと思います。というのは、内定は、あくまでもあなたが来年の3月に修了した場合に効力を発揮します。留年では取り消しになると思います。そして中退でも取り消しになるでしょう。つらいでしょうが、頑張ってください。
お礼
重厚かつスキのないご指摘にタジタジですw 院に入るとハードルは高くなるし「使いにくい」と思われるしで損することが多いですね。 でも、中退するデメリットがいかに大きいかがわかったので、もう少し頑張ってみようと思います。 「見切り発車」でも諦めるよりはマシですよね。 質問というよりは相談に乗ってもらった形になりましたが、おかげさまでスッキリしました。 ありがとうございます! 余談ですが、半期留年で入社を延ばしてもらうというケースは聞いたことがあります。 期待はしませんが。