菓子パンに針を刺した罪

質問

先ごろ、菓子パンに3.5cmの針が刺さっていたという事件が報道されました。昔から食品に針を刺したり、布団に刺したりする事件はときどき起こります。実に陰険な犯罪でイヤになります。

ところで、この、針を刺す行為というのは、どんな罪に問われるのか教えて下さい。針でケガをした場合は傷害になるのかなと思いますが、傷害に未遂はないと聞きます。威力業務妨害、とかいうものでしょうか。
これが、恨みを持った店やメーカーの商品を狙ったものである場合と、不特定多数のところで愉快犯としてやった場合とでは、違いがあるでしょうか。
ケガがなかった場合の量刑も目安のところを教えて下さい。
よろしくお願いします。

回答No.1

noname#61929 · ベストアンサー

判例に従うなら、見えないように針を刺していた場合は偽計業務妨害罪で見えるように針を刺していた場合は威力業務妨害罪です（新聞ではお構いなしに威力としているようです）。
法定刑自体は同じなので大雑把にはどちらも「業務妨害罪」でくくって問題ないです。最終的には条文が違うのでどちらかが問題にはなります。ちなみに、怪我人が出れば、傷害罪と業務妨害罪の両方が成立します（業界用語で言うところの観念的競合。大雑把には、一つの行為で複数の性質の異なる犯罪を犯したときと思ってください）。
動機は、情状には影響しますが成立する犯罪には影響しません。

なお、本件とは直接関係がありませんが、傷害罪の未遂の一つとして暴行罪があります。

量刑は個別具体的な事情によって違うので何とも言えません。法定刑としては下は罰金刑（一応、1万円から50万円ですが、この手の事例で10万円以下というのは実効性を考えるとあまりないと思います）から上は懲役3年まで。敢えて一般論で言うなら、愉快犯の方が怨恨よりは犯行態様（計画性など）、再犯のおそれなどを考慮しても軽くなる可能性があるとは思いますが、それも所詮傾向でしかありません。なお、個人的には、本件のような事例では偽計になるようなやり方の方が怪我人が出る可能性が高いので悪質だとは思います。

お礼

懇切丁寧なお答えをいただいて、よくわかりました。
どうもありがとうございました。
威力業務妨害の方が、うっかり食べてケガをする可能性は少ないですね。なかなか興味深いです。

暴行でケガがなかった場合は傷害の未遂ということですね。ちょっとはたいただけとか、医者の診断書（証拠）がないような場合が該当するのかなと思いました。