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ビッグバンの場所は?
140億年前にビッグバンがあった。その場所はどこ? という質問に、今いるここだという解説書と、 どこにもないという解説書が、過去に読んだものにありましたが、 どちらが正しいのでしょうか?
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- chibi2abc
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「ようこそ宇宙の研究室へ」くもん出版 国立天文台ハワイ観測所の布施哲治氏が、 「最後にビッグバンはどこに起こったのでしょうか」と、あなたと同じ質問に答えていますよ。 「宇宙には「まん中」や「はし」というものがありません。特別な場所や特別な方向は無い考えを「宇宙原理」と呼びます。「宇宙原理」が正しいことは、まだ証明されていません。 ですから「ビッグバンが宇宙のどこで起こったのか」も、今は分かりません。また「宇宙の果ては何処か」も、中心や端がないと考えられているので、答えが無いのです」 と、書かれていますね。 またNo.6さんが >その直後のインフレーションの時期は虚数の時空間しかなく、 ですが、質問者さんが言われるように、インフレーションは、ビッグバン以前の話です。このときは実時間です。虚数の時空間はそれ以前の話で、宇宙誕生前の理論の一つとして、ホーキングや「トンネル効果」を主張するビレンケンなどが言っていることです。まだ仮説の段階にすぎません。 インフレーションはWMAPなどにより、予測どおりに実証されたものです。
面倒くさくなってきたので、これで最後にします。 学問と言うのは、肩書きを持つ人の言ったことをオウム返しに繰り返すことではありません。知っていても理解していなければ何にもならない。 もともと、点の拡張から始まったビッグバン理論の、背景放射の均一性を説明するための補正がインフレーションの導入です。この時期は、空間の拡張速度が光速を超えていただけで、本質的にはビッグバンという現象の一部です。 先に書いたように実数時間が始まったのはインフレーションの後ですから、「インフレーションの終了時を時間0と定義する」ことはもちろん可能ですが、問題の本質は「ここ、という空間は、過去には存在していなかった」「ここ、という宇宙の空間座標の一部は、時間を遡っても宇宙の一部に過ぎない」ということです。それは時間の原点をどこに取っても解決していない、ということは理解できないようですね。
お礼
インフレーションが、ビッグバンの後だと思っていた 方の説明は、やはり説得力がありません。 >背景放射の均一性を説明するための補正がインフレーションの導入です。 COBEやWMAPの観測から導き出されたのは、背景放射の「不均一性」です。これはインフレーションを支持するものです。 >本質的にはビッグバンという現象の一部です。 ビッグバンでは説明できない「銀河の種」を、インフレーションでは説明した。その観測結果が「宇宙のゆらぎ」ですよ。 サイエンスなどを読んでいると言いながら、宇宙論の基本を理解されていないようです。 >「インフレーションの終了時を時間0と定義する」ことはもちろん可能ですが、 終了時ではなく、開始時ですよ。 インフレーションにも、ちゃんと時間や空間があります。 >「ここ、という空間は、過去には存在していなかった」 ビッグバンには現在の空間は無かったことは、誰でも認めるところではないですか?1点(空間)が現在の全ての空間に拡張された。 >「ここ、という宇宙の空間座標の一部は、時間を遡っても宇宙の一部に過ぎない」ということです。 宇宙の一部に過ぎないのなら、どこにもビッグバンはないということにはならないと思います。
No.2です。 >ここにもビッグバンの場所はどこ、という質問はありませんよ。 宇宙はある一点を中心に拡散しているのではなく、地球を含め、ほとんどの天体は宇宙に対して静止していると見なせる。ビッグバンは、物体の運動ではなく空間の拡張なのだ。という記述があったはずです。それから「開始点」を現在の空間の「一部」として定義することは無意味であることが分かるはずですが。 「140億年前にビッグバンがあった場所は今いるここだ。」という記述は、二重の意味で間違っています。 1点目は、140億年前は一点だったのだから、現在在のどの点を開始点としても同じだ、という論法です。 ビッグバン後に形成された空間(真空)は、ビッグバンが開始した時にあった空間(真空)と同じではありません。現在の我々が知覚できない次元にあった空間が、真空の相転移によって我々が知覚できる次元に移行したものです。あなたの言う「今いるここ」は、実質上ビッグバンの開始時点ではまだ形成されていなかった空間なのです。 2点目の間違いは、ビッグバン直後のインフレーションを全く念頭に入れていない点です。確かにビッグバンは「点」から始まっていますが、その直後のインフレーションの時期は虚数の時空間しかなく、「今いるここ」という概念は成立しません。仮に第一の誤りを無視して純粋な数学モデルとして考えても、実数の時空間を過去に遡って定義できるのは、インフレーションの終了後です。インフレーション終了時の宇宙の大きさは準拠する理論によって異なりますが、宇宙が巨視的なレベルに達した後であることは間違いありません。 したがって「今いるここ」は、例え時間を遡ってもビッグバンの開始「点」には到達しません。時間を遡ってビッグバンの開始「点」に到達するのは、宇宙全体を一まとめにして捉えた場合のみなのです。
お礼
>2点目の間違いは、ビッグバン直後のインフレーションを全く念頭に入れていない点です。 インフレーションは、ビッグバン後ではありません。 インフレーションの後に、ビッグバンが起きました。 それが現在の主流の考え方です。 日経サイエンスにも、そのように書いてあります。 また、宇宙の膨張は物質や銀河の膨張ではなく、「空間の膨張」であることくらいは、私も知っています。
No.2です。 >根拠となった出典をお教えいただけませんか? 出典とは違いますが、ビッグバンに関してあまりにもいい加減な啓蒙書が氾濫しているため、科学専門誌Scienceの出版社が、刊行している一般向け月刊誌Scientific American の2005年3月号にMisconceptions about the Big Bang.という記事を掲載しています。同じ内容のものが、Scientific American の日本語版である日経サイエンス6月号に「ビッグバンをめぐる6つの誤解」というタイトルで掲載されています。もし可能ならお読みになると良いでしょう。 これは巷に溢れている啓蒙書の誤りを正す目的で書かれているため、宇宙物理を専攻している者が読むのにも耐えられる内容となっています。もっとも、質問者の方が教わった内容とはかけ離れているため、戸惑う点があるかもしれませんが。 >この場所というのと、宇宙全体というのはある意味同じなのではないのでしょうか? 「私の家は宇宙の一部だ。だからある意味私の家が宇宙全体と同じなのだ。」とa6m2nが言えば精神病院送りになるが、XX大教授という肩書きが付けば「なるほど、そうなのかぁ。」と思う人もいる、ただそれだけの話です。自分の頭で判断できる人なら、百人が百人とも「一部分は一部分、全体とは違うでしょ。」と言うでしょうね。 「ビッグバンが生じた点」は現在では地球から見て半径140億光年の空間に拡張しています。ですからその「地点」はどこかと問われれば、140億年前に遡るしかありません。その意味では、「(今の時点では)どこにもない」という答えは、まだ真理に近いですね。ただ、ビッグバンが生じた点が無くなってしまったわけではなく、点から空間へと変化しただけなのですが。
お礼
「日経サイエンス」の方は、発行月に読みました。 ビッグバンをめぐる6つの誤解ですね。 ここにもビッグバンの場所はどこ、という質問はありませんよ。
補足
>「私の家は宇宙の一部だ。だからある意味私の家が宇宙全体と同じなのだ。」とa6m2nが言えば精神病院送りになるが、 しかしこれは単なる家ではありません。「膨張する家」です。 だから、膨張する以前は1点であり、膨張後は全体としても、 おかしくないのでは?
- mashahide
- ベストアンサー率15% (20/133)
この本を読んで完全に理解出来るとなんとなく分かってくるような気がします。 私は完全には理解出来なかったので、なんとも実はわかりません。 ただ、特異点から時間も空間も始まったであろうから、それまで(ビックバン以前)は時間も空間も無いので、どこ、と言う観念すらナンセンスなように思います。 その天文学者達も私たち一般人にわかりやすく表現しようとしただけなのかも知れません。 どこ、との問いは特異点がどこかの空間の中に入っていなければ特定できず、その入っていなければならないはずの空間はその時代(?)には存在しないので、そーゆー意味から考えると、宇宙の中心である自分のいるとこ(宇宙の膨張はどこから見ても、地球から見ても、アンドロメダから見ても、すべての空間が遠くに離れていってる)から初まった、とも言えるし、空間がない時なので、どこにもない、とも言えると思います。 特異点まで来ると、量子力学チックな考え方になると思うので、古典力学的な、いつ、どこ、どのように、な考え方にはあてはまらいのが妥当かと...
お礼
「ホーキング未来を語る」ですね。私も読みました。 「ホーキング宇宙を語る」よりも、はるかに分かりやすいですね。 ただ、ビッグバンの場所はどこというような内容は書かれていまかったと思います。
- hisa-gi
- ベストアンサー率29% (93/311)
「今いるここ」というのは、宇宙の中の任意の場所が、 ビッグバンの一点に派生したものであるという解釈です。 「どこにもない」というのは、ちょっと私には理解できません。 「宇宙全て」という解釈もできるでしょう。 ビッグバンの一点から宇宙は膨張して出来たのですから。 あなたが考えてる「どこ」を求めるのは無理ではないかと思います。 現在の宇宙のサイズも、膨張速度も厳密に観測できない以上、 たとえば「地球から見て○○座○星の方向に○億光年の地点が宇宙誕生の場所」 といった感じで表現するのは絶望的でしょう。 >私の読んだのは天文学者がかかれた本ですよ。 >ブルーバックスの本とと、もう一人の方はよくテレビなどでも解説している方の本です。 所詮は「仮説(科学的な空想)」であって、解釈はいくらでも、禅問答のようにあるのでは? 人間は全知万能の存在ではないのですから…。
お礼
>現在の宇宙のサイズも、膨張速度も厳密に観測できない以上、 これはかなり正確にわかっていると思いますよ。 宇宙の年齢は137億年±2億年。 137億光年。 インフレーションで指数関数的に膨張し、 その後減速膨張、70億年前から加速膨張に転じている。 ハッブル定数はH0=72±8kms-1Mpc-1 >たとえば「地球から見て○○座○星の方向に○億光年の地点が宇宙誕生の場所」 といった感じで表現するのは絶望的でしょう。 こういった、特定の場所ではないでしょうね。 現在の場所か、宇宙全体か、あるいはどこでもないか? >所詮は「仮説(科学的な空想)」であって、解釈はいくらでも、禅問答のようにあるのでは? SFではないので、具体的観測データがありますから、 空想ではないですよ。
>どちらが正しいのでしょうか? どちらの解説書も正しくありません。 ビッグバンとは、誕生時に1.6×10-35 m以下の大きさしか無かった宇宙が、急激に拡大膨張した現象を指します。その宇宙が、140億年をかけて現在の広大な空間に拡張したのです。 1.6×10-35 mというのは、現在知られているあらゆる素粒子よりもはるかに小さく、事実上の点といってよい大きさす。 つまり、「140億年前にビッグバンがあった場所」とは、現在の「宇宙全体」なのです。
お礼
やはりこの根拠となった出典をお教えいただけませんか? >どちらの解説書も正しくありません。 私の読んだのは天文学者がかかれた本ですよ。 ブルーバックスの本とと、もう一人の方はよくテレビなどでも解説している方の本です。 この場所というのと、宇宙全体というのはある意味同じなのではないのでしょうか?膨張しているのですから。
- x1va
- ベストアンサー率26% (802/3006)
どちらも正しいです。 空間はビッグバンと共に生まれ今なお膨張しています。よって、どの場所もかつてビッグバンが起きた場所であるとする考え方が前者です。 後者は宇宙の全体像に対する知識が必要になります。 まずメビウスの帯を思い浮かべてください。帯全体の大きさは有限ですが、帯の上に線を描くと表裏なく果てしなく続きますよね。線自体は2次元でも、3次元的な構造の帯によって果てがなくなったわけです。 「有限だけど果てがない」という意味では実は宇宙も同じです。メビウスの帯は人間にも理解できますが、宇宙は4次元的な構造になっているため、数学的にしか捕らえられず、3次元的に中心を特定することができないのです。
お礼
どちらも正しい、どちらも違う 弱りました。禅問答みたいです。 その根拠となる著書の出典をご紹介いただけませんか? 膨張宇宙は風船のようだとよくいいますね。 膨らます前は一箇所ですから、 ビッグバンの場所は、ここでもあるし、宇宙全てだと言うことはある程度納得できるんですが、 どこでもないというのは、よく分かりません。 メビウスの帯は知っていますが、4次元だから 中心や原点が捉えられないんですか? その辺かえって分からなくなりました。
お礼
>「宇宙原理」が正しいことは、まだ証明されていません。 宇宙原理はまだ証明されていなかったんですか? まあ宇宙全体を見たわけではありませんからね。 あくまでも仮定というわけですね。 >ですから「ビッグバンが宇宙のどこで起こったのか」も、今は分かりません。 宇宙原理が正しいということになれば、どこにもビッグバンの場所はないということでいいんですね。 >また「宇宙の果ては何処か」も、中心や端がないと考えられているので、答えが無いのです」 答えがないというか、無いんですね。 虚時間の解説ありがとうございました。