- ベストアンサー
エヴァリエスト・ガロアについて
いくつかの質問も今までなされていたようですが、シンプルな質問をさせてください。 自分は大学の数学の1,2年程度まである程度わかるくらいの知識しか持ち合わせていないのですが、ガロアについては「栄光なき天才たち」などの漫画で子供の頃から知っており、非常に興味を持っておりました。 実際に授業でも学んだのですが、はっきりいってまったく理解ができませんでした。ただ興味はあるのですが、理解しようにも、結論として何を言いたいのかがさっぱり分からないのです。 そこで、 (1)ガロア理論とは簡潔に言って何を記述したものなのでしょうか?大雑把でかまいませんのでイメージの助けになれば十分です。 (2)ガロア理論を論文として提出した時に当時の数学者のTOP陣たちが理解できなかったのはなぜなのでしょうか?自分も数学を学んだはしくれとして、教授たちの理解力や洞察力、発想については天才的だと思うのですが、そういう人たちでも理解できなかったのは何かガロア理論には特殊な要因があったのでしょうか? 以上よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
2)について。 一つには、19世紀は数学の中では最も解析が発展した時代だったこと。 つまり、発想の根本が解析学的なアプローチだとたしかにガロアの発想は代数なのでわかりづらいのでは? また、そもそも最初は理解されなかったというよりコーシーによって握りつぶされた、といった方が正確かもしれません。それでいちど握りつぶされた、それも無名の数学者の論文を再検討する、ってのは必ずしも喜んでやりたい仕事ではなかったでしょう。 さらに、ガロア自身の記述がかなり曖昧というか厳密でないということ。つまりそういう内容を記述する記号法とかが発達していなくて、これがまた理解を困難にしたこと。 従って、まともに受けとられた、とは言い難いでしょうし、結局リウヴィルがそれでもガロアの死後14年で「ガロア全集」を出していますから。その後は徐々に注目されていくようになる、ということのようです。 友人シュバリエは、ガロアの論文のコピーを何部か作って当時の有名な数学者におくったらしいのですが、「当時の有名な」が誰か、というのもわかりませんし、だいいち僕らでも毎日迷惑メールの山に悩まされている点からすれば、やはりこれらの数学者がまともに読んだかどうかも疑問です。大体当時のアカデミズム、というものは在野の数学者なんてものを簡単には受け入れなかった(特にガロアのよう政治的過激派は)ものですし、現にアーベルにしたってたまたまヤコービの注目を得なかったらそれこそ死後十年以上注目されなかったかもしれません。(それでも間に合わなかったのですが) なお、簡潔にといっても難しいのですがたとえば 彌永昌吉「ガロアの時代 ガロアの数学」第1部、第2部あたりで学ばれるのがいいかもしれません。 http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b/503-0627743-9941537?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%81u%83K%83%8D%83A%82%CC%8E%9E%91%E3%81%40%83K%83%8D%83A%82%CC%90%94%8Aw%81v&Go.x=0&Go.y=0&Go=Go あるいは代数方程式に絞っての解説・入門なら「数3方式ガロアの理論」 http://www.amazon.co.jp/%6570III%65b9%5f0f%30ac%30ed%30a2%306e%7406%8Ad6%2015%30a2%30a4%30c7%30a2%306e%5909%9077%3092%8Ffd%3063%3066/dp/476870011X/sr=1-27/qid=1157060410/ref=sr_1_27/503-0627743-9941537?ie=UTF8&s=books http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/476870011X.html あるいは「代数方程式のガロアの理論」 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320017706 あたりが読みやすくまた理解しやすかったと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 自分はミーハーな部分もあるので軽くしかふれてないのにこういう質問をしてしまって申し訳ありません。 >19世紀は数学の中では最も解析が発展した時代だったこと。 >コーシーによって握りつぶされた これには驚きました!言ってみれば当時は解析学全盛の時代にあって新しい代数学の理論を出したことにあわせてガロア自身の過激的政治犯(ジャコバン派でしたっけ?)がさらに遠のかせる結果だったのですね。 普通に考えて数学と言うものは発見した人を選ぶわけではなく、発見した内容を選ぶものと思ってましたが、数学者同士の論争などもあちこちで起きてた事実を思い出しました。
補足
参照用に教えていただいたリンクを辿ってみると代数方程式や体論の話がよくでてきますが、大雑把に言って各々の代数方程式の次数や係数、解を体論で記述したときに同じ構造を持ったものどうしがあって、そういった分類をしたときに出てくる新しい理論をガロア理論と言っていいものでしょうか? 分かりづらくて申し訳ありません…