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環状アルケンへの臭化水素の付加
(R)-3-ブロモシクロヘキセンと臭化水素の反応ではラセミ体のtrans -1,2-ジブロモシクロヘキサンしか生成しないらしのですが、理由がどうしても分かりません。 また、通常では、1,3-ジアキシャル効果のためにBrがエカトリアル位にあるのでS配置が多いと思うのですが、(S)-3-ブロモシクロヘキセンでも同じ生成物なのでしょうか?
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反応機構を説明します。 まず、1位がプロトン化されます。 生じたカルボカチオンと、3位のBrの間に結合が生じ、3員環のブロモニウムイオンになります。このブロモニウムイオンが生じることが、第1段階として2位ではなく、1位のプロトン化が起こりやすい理由です。 ブロモニウムイオンが生じた際に3位の炭素とBrの結合は切れませんので、3位の立体配置はRのままです。また、環状構造のために、2位の立体配置はSになります。 次に、HBrに由来するBr-が、ブロモニウムイオンのC-Br結合のC側から攻撃し、置換反応が起こります。この辺りは、アルケンへの臭素の付加と同じことです。 ただし、反応は2位と3位で同等の確率で起こります。ブロモニウムイオンでは両方の位置が等価だからです。 反応の際に、反応点の立体配置は反転しますので、2位で反応すれば、(2R,3R)になり、3位で反応すれば(2S,3S)になります。 つまり、反応の結果ラセミ化が起こることになります。 >また、通常では、1,3-ジアキシャル効果のためにBrがエカトリアル位にあるのでS配置が多いと思うのですが、・・ 意味不明です。図の書き方によって、(R)とか(S)はかわります。たとえば、(S)-3-ブロモシクロヘキセンの安定配座を鏡に映せば、(R)-3-ブロモシクロヘキセンの安定配座になります。 >(S)-3-ブロモシクロヘキセンでも同じ生成物なのでしょうか? 上述のように、反応の結果、ラセミ化が起こりますので、出発物質は(R)でも(S)でも結果は同じになります。
お礼
RとSの事がよくわかっておらず、へんなことを書いてしまいました。 おかげさまで反応機構とか考えるの結構楽しくなってきました。ありがとうございます。