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「予定調和」とは?

どういうことなんでしょうか? これ(↓)では、なんだかわかりません。 http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=%CD%BD%C4%EA%C4%B4%CF%C2&search=%B8%A1%A1%A1%BA%F7&sw=2 ※無学な者ですので、素人にもわかりやすいご回答をいただけましたら、幸いです。 よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • starflora
  • ベストアンサー率61% (647/1050)
回答No.1

    簡単に書きます。     この「予定調和」は、ライプニッツのモナドロジー(モナド論・単子論)のなかに出てくる概念です。     モナド(単子)とは何か。この世界は、現在の物理学では、多数の原子から成り立っていますね。原子は更に素粒子から成り立っていて、素粒子はゲージ場という……という風に理論があって、最終の粒子は分かっていません。しかし、世界が原子から造られているということは、多くの人の同意が得られるでしょう。     ライプニッツは哲学者兼物理学者兼何でも屋であったので、世界は、モナド(単子)という一種の原子で造られていて、モナドが集まって、ある秩序を持って、この世界ができていると考えたのです。     ライプニッツのモナドは、人間の精神のモナドとか、犬の意識のモナドとか、草のモナドとか、石ころのモナドなどもあり、物質の原子とは大分違います。精神も物質も含めて、モナドが表現しているとしたのです。そこで、モナドには面白い特徴があるのです。     「わたしの精神のモナド」は、PCのディスプレイで、この質問を見て、文章を読み、そして、回答をいま書いているのです。その前には、貴方が、質問を立てたのでしょうし、それは、「貴方の精神のモナド」が知っていることでしょう。わたしは貴方ではありませんから、貴方がどういうことを考えて、どういう動機で質問を出したのか分かりませんが、貴方は知っています。わたしは、回答を書き終えると、多分、文章を読み返して訂正などした後、送信するでしょう。     すると、貴方のところに「回答が来ました」というメールが来ます。それを見た貴方は、すぐにか、三日後か知りませんが、このサイトに来て、自分の質問を見ると、そこに回答があるのです。それを読んで、「おお、この「星花」という人が、何か書いているなあ、暇な人だなあ、何かよく分からないなあ……」などと考えたとします。質問した貴方、回答を書いたわたし、回答を読んだ貴方、それぞれに、ディスプレイの向こうの文字を読んだ「経験」があるのです。また「文字などを見た」とも云えます。     見ることや聞くこと、経験の記憶などを、広い言葉で、「表象」と言います。貴方の精神のモナドには、この質問に関係して一連の「表象」があるのです。わたしの精神のモナドにも一連の「表象」があります。     普通だと、貴方のモナドから、質問がわたしのモナドに送られ、わたしのモナドから回答が貴方のモナドに送られた、と考えるでしょう。ライプニッツのモナド論が面白いというか不思議なのは、貴方の精神のモナドは「閉じている」のです。わたしの精神のモナドも「閉じています」。すると、どうやって、質問と回答のやりとりが、貴方とわたしのあいだで可能だったのか。閉じているということは、貴方のモナドからは、何の情報も手紙もわたしのモナドに来ないし、逆もまたそうなのです。     それなのに、貴方とわたしはコミュニケーションが可能で、表象が互いの精神のなかで成立しています。このように、モナドが閉じていることを、「モナドには窓がない」というのですが、窓のないモナドが集まって、何故、世界が全体としてあるのか、コミュケーションできないはずなのに、何故、質問と回答で対応があるのか?     ライプニッツの説では、それは、「神の予定調和」がモナドのあいだにあるからであるとなります。こんなことはライプニッツは言っていないかも知れませんが、全能の神を通じて、質問が貴方から神に通じ、神からわたしに通じ、回答も同じように神を通じて交換されたのだということです(そういう説明ではなかったと思いますが、「神の予定調和」とは、こういうコミュケーションが成立しているように、過去未来に渡って、すべて、神が予定的にできごとを調和させて配列した結果、時間のなかで、こういう一致が起こるように思えるということです)。     これが、ライプニッツの「予定調和」です。     なお、何か、これと似た回答をした記憶があるので、質問検索で調べると、以下の質問で、わたしが回答しています。参考にしてください:   >No.169511 質問:ライプニッツについて   >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=169511  

参考URL:
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=169511
j_euro
質問者

お礼

うわ。 すごくたくさん書いていただいて、ありがとうございます。 しかも、超高速、電撃回答!! アホな者に教えるというのは、きっと大変でしょうから、 なんだか申し訳ないような気がしています。 えと、No.169511 も合わせて読ませていただきまして、 私の少ない語彙で脳に再構築させてみましたんですけど、 あっていますでしょうか? 明らかに見えている現象(「表象」?)の因果関係の連鎖だけでは、 説明できないような偶然や運命的なできごとは、 神様があらかじめ仕組んでいたことなので、 特別に「予定調和」と呼びましょう。とライプニッツさんが言った。 ということなんでしょうか? ご回答いただいたのは、「風月」さんじゃなくて「星花」さんであったのは、 「神の予定調和」で「最高に善くなるべく」スケジュールされていたってことでしょうか? そうであるなら、私なりの小さな感動を覚えます。 なにかしら、世界を見る目が変ったような気がします。 モナドって、なんかおいしそうな名前ですが・・・ 「犬のモナド」とか、「草や石ころのモナド」・・・・ 遊佐未森ワールドみたいですね。 どうしてモナドは「閉じている」んでしょう? 「開いている」モナドは、ないのでしょうか? (あ、質問ではなくひとり言です) ご回答ありがとうございました。

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その他の回答 (1)

  • tale
  • ベストアンサー率43% (7/16)
回答No.2

重大な誤りが見受けられますので、少し長くなりますが 指摘しておきたいと思います。 まず、モナドを物理学的な原子とおなじものであると考える事です。 これではなぜ、意識のモナドや精神のモナドといったものがあるのか 説明できません。俗流の理解ではモナドを原子論とも訳すので、 インターネットの情報などを見る限りではそう理解してしまうのも 無理からぬことです。モナドロジーだけでなく、ライプニッツの 『実体の本性と実体相互の交渉ならびに心身の結合についての 新たな説』(ライプニッツ著作集8)などを読むとモナドとは 物理学的な原子とはまるで違うものであることがわかります。そして このモナドを理解することが予定調和を理解することにもなります。 たとえば細胞というのは、一つのまとまったものとして我々は とらえることができますよね。膜におおわれて、一つのものとして みなすことができます。それと同時にこの細胞をどんどん集めていくと 臓器になりますよね。心臓とか肝臓とか。これも一つもまとまったもの としてみることができます。しかしそのときはそれを細胞のあつまりと みないで、臓器としてみなしていることを覚えておいてください。 次にこうした臓器も組み合わせて、人間と見なしますよね。これも ひとつのまとまりと考えられます。さて、すべては有機的な物質なのに それは「細胞」や「臓器」や「人間」というふうに別々のまとまりとして みなすことができます。このように「一つのまとまりとして見なすことの できる状態」をモナドとよぶようです。ですから犬にもひとつのまとまった 意識があるとすれば、それは犬の意識のモナドですし、何百もの草も いっせいに風でひとまとまりになびけばそれは草のモナドなのです。 つまり<表象>という概念はまとまったもととして表現できるもの なのです。 さてこの理解がすむと今度は、なぜ「モナドには窓がない」といわれるか という疑問がうまれると思います。細胞と臓器の例を思い出してください。 臓器とみなしているときはそれが血を送るとか、解毒するとかまとまった 機能をみることができます。しかしこれを細胞のあつまりだと視点をかえると さっきまで見えていた臓器の視点は失われてしまいます。つまりモナドという 「一つのまとまった見方」は別のモナドに組替えられてしまうと、まとまった 状態を壊してしまうことになるのです。窓によって外の空気をいれようと 開け放ったとたん、家そのものが壊れてしまうのです。だからモナドには 窓がないと語られるのだと考えられます。しかし身体を見ていても それが細胞というモナドと臓器というモナドを維持している限り すべて並列に、いわばパラレルワールドとしてみることができるように なります。 さてそのようなパラレルなモナドが、もしばらばらになってしまったら 世界は生まれることはないですよね。モナドは別のモナドと明らかに 区別されますが、モナド同士が、自分たちを壊さないように調整を とっていかなくては一つの統一的な世界はうまれません。そこで ライプニッツは『弁神論』でも言及しますが、このような無数の モナド全体を調和させる力そのものがあることを神様がいることの 根拠にしようとしたのです。つまり予定調和とは、出来事の中の あらゆるモナドを調和させる力のことなのです。もちろん神様が することですから、それが善いことに関係することは間違いないのですが 「神様が世界を良く導くために用意していた運命のようなもの」では ないのです。神様はモナドを予め調和させようと考えているだけで よいことをする運命をきめているのではありません。 つまり今j_euroさんが私のへたくそな説明を読んでくださったことが 運命的であったというのではなく、今こうして読んでくださることで この出来事のモナドが私とあなたの間に調和をとろうと働いているという ことであるようです。それは信念のモナドかもしれず、誠実のモナド かもしれず、疑念のモナドや反発のモナドかもしれません。その全てが それぞれのモナドを保持しようと調和をとりはじめるということです。 これがモナドの間にある「神の予定調和」です。

j_euro
質問者

お礼

たくさん書いていただいてありがとうございます。 実は、数日前にお礼を(私も負けないくらいにたくさん)書いて入れていたのですが、今日見ると、ぜんぜん残っていませんでした。 すいません。 (なんかミスったのかなぁ。ガッカりと共に、申し訳ないです。同じ文をもう一回お礼に入れようという気持ちはあるのですが・・・「へこたれ」のモナドが蔓延中で・・・<理解は進んでいるのか?) >その全てが それぞれのモナドを保持しようと調和をとりはじめるということです。 >これがモナドの間にある「神の予定調和」です。  運命的に「スケジュールされている」というより調和をとるように「プログラムされている」というふうな感じで(私なりに)理解を進めたいと思いました。 ご提示いただいている >『実体の本性と実体相互の交渉ならびに心身の結合についての 新たな説』(ライプニッツ著作集8) などを読み解けば良いのでしょうが、そのような頭脳を持ち合わせることもできていませんので、taleさん、starfloraさんのように平易に解説していただくととてもありがたく思います。 ありがとうございました。

j_euro
質問者

補足

高度な知識をわかりやすく解説いただいたことに感謝します。 ふとこのサイトを見渡しても、モナドの調和であろうと見られる質疑が展開されていることが感じられるようになってきたように思います。 ポイントについては、私のようなものがご回答の内容を云々言えるわけもなく、 かといって、「同じ」や「なし」にもできず、ご回答いただいた順とさせていただきました。 starfloraさん、taleさんありがとうございました。

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