>何故切り裂きジャックは捕まっていないのでしょうか。
捜査を担当したスコットランド・ヤードが、犯人をこれだと決定し、逮捕できなかったからです。「切り裂きジャック」らしい容疑者は大勢いたのですが、どれもこれも、確定的な証拠が出てきません。しかし、大量殺人者は、人を殺す回数が増えると、意図的にそうしているのではないかと思えるぐらい、最初は残さなかった自分についての証拠を、段々、「逮捕してくれ」と言わんばかりに残すことがあり、ジャックの場合もそうで、色々証拠が残っているのですが、証拠があるので、余計に分からなくなったという面があります。
これは、当時のスコットランド・ヤード上層部の少数の者は、「犯人が誰かを知っていたのではないか」という推定があります。知っていなくとも、知っている有力者から、誘導された可能性があります。推定では、ジャックは、彼が犯した最後の殺人直後辺りで自殺しているようです。しかし、ヤードがそのまま捜査を続けて行くと、やがて犯人が誰かが分かるようになるのを怖れた者が、ヤードの内外で、攪乱工作をした疑いがあるのです。
ジャックを調べるための証拠はたくさんあるのですが、あり過ぎて分からなくなっているという面もあります。これは、ジャックの模倣者、ジャックの隠蔽工作者、これらの者がヤードに提示した資料や情報が多すぎて、本当の犯人を指し示している情報・証拠が、分離できなくなり、ジャックの犯人条件が拡散して、分からなくなったのだという考えがあるのです。
ジャックが殺したのは、すべて女性で、娼婦でした。最初は殺していただけですが、段々遺体損傷がひどくなって来て、「切り裂きジャック」になったのです。遺体を切り裂くだけでなく、内臓や身体の一部を持ち去っています。
ここから、
1)娼婦や女性を憎んでいる
2)切り裂き方が見事なので、動物の解剖などに手慣れた者だ
3)明らかに精神病で、それも鬱傾向、自己破滅傾向がある
4)犯人は、おそらく若い青年で
5)外見は内気で目だない人物だろう
6)かなりな教養を持ち、上流階級の人間ではないかと思える
こういうことが出てくるのですが、これ以外にも色々特徴が出ています。ただ、それが本来の真犯人の特徴なのか、偽装工作や、別人を混同しているのでないのか、その判断ができません。
嘘か本当か、よく出鱈目をもっともらしい話にするコーリン・ウィルソンの説では、ジャックは、その最後の犯行のあと、ひっそりと自殺しています。しかし、ジャックの世間的活動は、この後も続くのであり、それは偽装なのか、別人がジャックを名乗ってやったのか、分からないのです。真犯人であるジャックが自殺した後も、「ジャックの犯行や活動が続いている」とすると、それらの活動前に自殺している者は、犯人容疑者リストから外れてしまうのです。そうすると、事件は迷宮に入ります。
こういうことではなかったのかとウィルソンは言うのですが、真相は分かりません。しかし、真犯人が分かっては困る人物であった場合、ヤード上層部とヤード外部から、攪乱工作が起こります。「行けそうだ」と思える容疑者は、そういう風に工作されていたとすると、事件は結局迷宮に入ります。
これは一つの説です。ただ、たくさんの証拠を残しているジャックが捕まらないで、事件が迷宮入りとなったのは、誰か、捜査攪乱者がいたと考えるのが自然です。
ヤードはおそらく、容疑の可能性のある人物はすべて当たっていることでしょう。それで見つからないとなると、「容疑者リスト」に載っていないか、「容疑者リストに載っていて、しかるべき理由で、容疑者から外した人物」ということになります。
ジャック・ザ・リパーは実は誰だったのかというのは、一杯本が出ています。あまりに出過ぎてほとんど絶版になっていると思いますが。(犯人が誰か分かると困る人間というのは、例えば、王室関係の人間だった場合です。こういう場合、ヤードの上層部が仮に、あくまで犯人をと思っていても、王室が攪乱工作をするでしょうし、王室が攪乱工作しているとは、ヤードも批判できないでしょう。犯人が王実関係者だったと言っているのではなく、それぐらい、何か、明らかにできない事情が、捜査側にもあったのではないかということです。……ジャックの非常な幸運と、特殊事情が重なって、彼の姿が、見えなくなっている可能性が高いのです)。
お礼
いくら推理してもこうヒントが多いと大変ですね。 ジャックが捕まらなかった理由はわかったのですが、今はジャックが警察・新聞社に送った手紙の内容が知りたいです。 公開はされてないのでしょうか?? ネットで検索してみてもフロムヘルのコトが多すぎてソレ以外で、個人的に調査をした人のサイトが滅多にないのです・・・全く