製菓用の焼き型に求められる条件は、耐熱、伝熱、耐水、耐腐食性などが上げられます。(もちろん安全性は第一条件ですが)
現在市販されている焼き型はほぼ以下の条件を満たしていると言えます。
しかしあくまでも”はぼ“であり、素材によって向き不向きがあるのが現状です。
まず、アルミニウムですが、素材特性として熱伝導率がよく、比較的やわらかいので型の成型が容易であると云えますが、反面その柔らかさが耐久性の無さにつながります。
また、酸、アルカリに弱く、腐食しやすいのも難点。
熱を加えない冷菓や、プリンなどの比較的小さい物に向いています。
銅も、アルミ同様熱伝導性には優れていますが、やはり金属自体が柔らかい為、耐久性には問題があるようです。
それに銅は酸化すると銅特有の錆、「緑青」が噴きます。この緑青は、人体にとっては猛毒。取り扱いに難があるのが銅製品の特徴です。
ステンレスは錆びにくく、酸、アルカリへの耐久性もありますが、熱伝導性がやや悪く重いのが特徴。
焼き型ではなく天板として使うと、はじめは下火の影響を受けすぎず、仕上げにはゆっくり放熱しますので天板向きと言えるでしょう。
そして鉄。バターや油脂によって皮膜が作られれば錆を噴くことは少なくなるものの、やはり錆びやすいのが難点でしょうか。
また、鉄は純度にムラができやすいため、熱伝導が均一にならないようです。私が職人時代にはステンレスと合わせて使用していました。
最近チタンの型を見る機会がありました。
酸、アルカリへの耐腐食性、耐久性があり軽い金属ですが、やはり価格が高価なのが問題です。
フッ素加工された焼き型は、フッ素自体に伸縮性がない為、膨張性の高い素材とのマッチングには不向き。熱伝導率も低いので必然的にアルミとのマッチングになる傾向があります。
フッ素樹脂は高熱に達すると、熱分解して猛毒ガスを発生させますが、それは400~500度を超えればの話。製菓に使用される温度帯は160~220度までがほとんど、最高でも300度を超えることはありませんので、はぼ気にしなくてもいい程度だそうです。
型の作成方法は、油圧による一体成型「プレス」が主流になってきています。継ぎ目のない型はすべてプレスと考えていいです。
この「プレス」は小さな型に向いていて、大きな型は缶を作るのと同じ「巻き閉め」や、「リベット止め」が使われています。
またマドレーヌなどのように、1枚の天板にいくつも型を成型するような場合は「鋳造」も使われているようです。
お礼
感謝しています!!!!!!。 今まで、メーカーや研究所等にも 色々メールしてみたものの moominx2さんのようなお答えが 帰ってこず、途方にくれておりました。 年末の忙しい時期に、 本当にありがとうございます。 この知識をフル活用させていただきます! 本当に本当に感謝しています。 昔職人さんをしていたとのことですが、 やっぱりその道のプロは頼れますね。 ありがとうございます♪