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常磐津『戻橋』と長唄『茨木』の相互関係について

急に気になって気になって仕方がないので質問します。 渡辺源次(源治)綱の鬼退治を脚色したものとしては常磐津『戻橋』と長唄『茨木』がありますよね。 この前半に相当する『戻橋』では綱が愛宕山の鬼女の右腕を切り落とすが, 後半に相当する『茨木』では茨木童子が左腕を取り返しにやって来る。 これで正しいでしょうか? 取られた腕が右と左とで矛盾しますが,たしか踊りやすさを考慮したがために生じた結果と読んだ記憶があります。 この辺の事実関係をご存知の方がいらっしゃいましたら,ご教授ください。

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回答No.1

以前、中村芝翫さんが「茨木」をなさったときの芸談で、やはり「斬られたのは本当は右腕なはずだから、厳密に言うとおかしい」とおっしゃっているので、 踊るとき勝手がいいように、斬られたのを左手に変えた、というので正しいと思います。 以前は踊りにくいので、ないはずの左手を出して踊っていたようですよ。 最近は袖を縫い付けたりして左手は出さないのが普通です。 そもそも「茨木」では羅生門にいる鬼の腕を綱が斬った、という設定ですし、「戻橋」とビミョウに違いますよね。 能や歌舞伎の内容は、史実や定説を平気で「舞台映え」のために変えてしまうと思うので、 そのへんはあまり気になさらなくていいのじゃないでしょうか。 元ネタになる「御伽草子」等では、ただ「片腕を切り落とした」とだけ書いてあります。 チナミに「戻橋」も「茨木」も作者は同じで、河竹黙阿弥ですよ。

adagietto
質問者

お礼

たしかしに,『茨木』では羅生門で茨木童子の片腕を,『戻橋』では愛宕山の鬼女の片腕を斬ったということになっているんですよね。 気にするまでもないことなのですが,つい気になって質問させていただきました。 ありがとうございました!

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