重力波と電磁波は同じものか?
重力波と電磁波は同じものか?
現在、放送大学の通信講座で相対論を学んでいます。
過去の質問で
QNo.1283788 光どうしは互いの重力で引き合うか
QNo.2747423 光どうしは互いの重力で引き合うか(続き)
というタイトルで質問しましたが、その考えを発展させて重力場について考えてみました。
重力波は一般相対論によって初めてその存在が示され空間の曲がり具合が伝播することによって
説明されています。
しかし空間は曲がらずに光が重力によって曲がると考えることでマックスウェル方程式を延長した
形で重力波が存在するという結果が出ました。
それを以下に示します。
Wをポインティングベクトル(光の運動量密度)とします。
W =E×H/c^2 (1)
マックスウェル方程式より
dH/dt =(-1/μ)rotE =(-1/μ)(∇×E) (2)
dE/dt =(1/ε)rotH =(1/ε)(∇×H) (3)
cを光速 として
(1/ε)(1/μ)=c^2 (4)
(1)(2)(3)(4)およびベクトル公式から
(d^2/dt^2)W = 2(∇×E)×(∇×H) - E×(∇×(∇×H)) + H×(∇×(∇×E)) (5)
∇・E=0 , ∇・H=0 として(1)(5)およびベクトル公式から
∇^2(W) = (1/c^2){ 2(∇×E)×(∇×H) - E×(∇×(∇×H)) + H×(∇×(∇×E) }
= (1/c^2)(d^2/dt^2)W (6)
ρを光の相対論的質量の密度 Gを重力加速度(重力場の強さ) gを重力定数とします。
ρ = (1/c)|W| (7-1)
ガウスの法則から
divG = 4πgρ (7-2)
光の運動量密度の発散によって光の相対論的質量の密度は減少するので
divW = -(d/dt)ρ (8)
(7-2)(8)より
(d/dt)divW = -(d^2/dt^2)ρ
= -(d^2/dt^2)(1/(4πg))divG (9)
(d/dt)W = -(1/(4πg))(d^2/dt^2)G (10)
W = -(1/(4πg))(d/dt)G (11)
これにより重力場の強さGの変化速度はポインティングベクトルに比例することが判しました。
(6)(11)より
(d^2/dt^2)W = (c^2)∇^2(W) (12)
= -(1/(4πg))(c^2)∇^2((d/dt)G)
(d/dt)W = -(1/(4πg))(c^2)∇^2(G) (13)
(13)に重力下で光が曲がる観測結果を追加し
(d/dt)W = -(1/(4πg))(c^2)∇^2(G) + 2|W|G/c (14)
(10)(14)(7-1)より
(d^2/dt^2)G = -(4πg)(d/dt)W
= (c^2)∇^2(G) -(4πg)2ρG (15)
これをGだけの式にすると(15)(7-2)より
(d^2/dt^2)G = (c^2)∇^2(G) -2(divG)G (16)
となって1項は伝播成分、2項は重力による曲がり成分となります。
電場や磁場と同様に重力場も真空が保持する状態のひとつであり空間を重力波として伝播します。
このとき同時に電磁波も同じ場所を同じ方向に伝播するので重力波と電磁波は同じものと言えるのでは
ないでしょうか。
たぶん一般相対論の重力波と(16)式は互いに座標変換することが可能なのではないかと考えています。
一般相対論では重力波と電磁波が同一か否かについて論じていません。
重力波と電磁波が同じものであると主張したからといって、それが一般相対論と矛盾するとは言えないのでは
ないでしょうか。
お礼
すばらしい回答ありがとうございました。具体的な例を出していただいたおかげでよくわかりました!!