- 締切済み
野菜、魚などの食物の名前が「侮辱用語」に用いられるのはなぜ?
「このおたんこナス!」 「何を~、このイモ野郎め!」 「うるせぇ!このタコ!」 「何だと~、コノどてかぼちゃ!」 「何を!イカのキ○タマのくせしやがって!」 相手を侮辱する時、野菜、魚などの食物名が用いられるのはなぜでしょうか?上に挙げた食物では、茄子、芋、南瓜、蛸、烏賊、全て我々日本人にとっては貴重な蛋白源であり、いずれも粗末にしていい食材ではない筈。特に茄子に至っては「秋茄子は嫁に食わすな」という格言もあるくらいの美味いものと言われていた筈です。 また、上記に挙げた例以外にもそうした食物があるかもしれませんが、それが全ての食物ではないのはなぜでしょうか?一例を挙げれば、「この白菜!」とか「この葱!」とか「この人参!」とか「このトマト!」というのが相手を侮辱する言葉にはならないのはなぜでしょうか? さらに、その侮辱用語として用いられる食物とそうでない食物にはどういう差があるのでしょうか?
- みんなの回答 (11)
- 専門家の回答
みんなの回答
- m4691
- ベストアンサー率17% (7/39)
一つだけ書かせて! 大根役者は大根はいくら食べ過ぎても食あたりしない だから 当たらない役者は大根役者! ついでに一つ寺のそばには藪があるだから下手な医者はやぶ医者それより少しましな医者は雀医者其の心は どんどん藪に近づくでしょう お後がよろしいようで・・・・
酔っぱらいをトラと言うのは、もともと酒を「ささ」という(酒が笹の葉で覆って作ったからとも、酒の「さ」をとった宮中用語とも言われる)からです。 笹藪に呑まれて棲むのは虎、というシャレなわけです。 また、この場合は例えとシャレことばであって侮蔑ではないです。(なお「侮蔑用語」と罵倒語」はまた違います) 相談者さんが最初に挙げておられる「侮蔑用語」とお考えの言葉は、こういった「洒落ことば」から来ている罵倒語が多いようです。 寅さんが多用するような調子良く出せる「掛け合い言葉」やひねりをきかせた「洒落ことば」は、落語や見世物・街頭で客寄せの口上をする大道芸が発達した江戸時代に多く作られました。 この時代は文学的にも発達が進み、庶民の楽しみとして川柳や軽い娯楽読み物が流行しました。 また、こういった娯楽が発達する江戸や上方といった人口密集地では、悪口を言うにしても直接な言い方では角が立って隣人同士居心地の悪い思いを残します。そこで多少頭を使ってひねったユーモアを交えるようになった。当然庶民になじみがあって「良し悪しの違いが明確」な、食品や「昼行灯」(=ボーっとして点いてるんだかいないんだか判らない)など身の回り品が例えによく使われたわけです。 なお、下の皆様の揚げ足とるようで申し訳ないですが訂正を2つ。 【土手かぼちゃ】 =昔は河川敷というのは誰の土地でもなかったため、貧乏人の糧や飢饉に備えたものとしてどこの土手にも南瓜が植えられていたが、南瓜は陽が当たりすぎると割れて使い物にならなくなる。つまり『どこにでも転がっている役立たず』。 【ももんがあ】 =げっ歯類のムササビやモモンガのことを、夜が暗くて姿が良く見えなかった昔は、覆い被さって窒息させる「野衾(=寝具)」という妖怪だと考えていた。また「ももんがあ」は化け物全般の鳴き声として、夜泣きする幼児を脅すことばでもあった。井上円了によって怪異が科学で解明され始めた明治以降に一種の流行語として『得体が知れない奴、または正体は大した事のない奴』という例えに使われたことがあった。
- mydummy
- ベストアンサー率59% (55/92)
泥酔状態を虎というのは、 古来、虎といえば笹と、両者はセットのものとして扱われていたようで(その理由はちょっと分かりませんが)、さらに「ささ」というのは「笹」とともに「酒」のことも指すので、 酒→笹→虎 という連想でこう言うようになったようです。まあ暴れるという意味も込めているようですが。 http://jiten.www.infoseek.co.jp/Kokugo?qt=%A4%B5%A4%B5&sm=1&pg=result_k.html&sv=DC&col=KO とりあえず私はこの話題に関してはこの辺りで打ち止めということで……
お礼
色々なことを教えて頂いて有難うございました。とても勉強になりました。この辺りで打ち止めというのはお名残惜しゅうございます。またいつの日か、お目にかかりとう存じまする。
- mydummy
- ベストアンサー率59% (55/92)
豹変は#7氏のおっしゃる通り、「豹の毛が鮮やかに生え変わるように、根元から鮮やかに変化してみせる」という使われ方をしていたもので、出典は「易経」のはずです。 獅子、虎、豹、象などは江戸時代の日本には実物が存在しなかったので、竜など伝説の動物と同格の扱いです。日光東照宮の装飾品などを見れば分かります。 伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風に描かれている動物はこの類いで、現存の動物と架空の動物が入り交じっています。 http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/img/jakuchu/main.jpg ですから「竜」を侮辱語として使わないのと同じで、これらの動物が侮辱語になることはほとんど考えられないことです。 あと「ししおどし」は「鹿威し」と書くもので、「獅子おどし」ではありません。理由は以下参照。 http://jiten.www.infoseek.co.jp/Kokugo?col=KO&pg=result_k.html&qt=%A4%B7%A4%B7&sm=1&lc=8&lp=0&svp=SEEK&item=MAIN,NODE,166798 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%81%97%E3%81%8A%E3%81%A9%E3%81%97 「ししまい」は「獅子舞」で合っています。 獅子はご存知の通りライオンで、少なくともローマ時代くらいまではヨーロッパでコロセウムの見せ物に使えるくらいはいたようです。これが言い伝えだけでシルクロードをわたってきたものが獅子で、当然日本にはいません。ちなみに狛犬は獅子の仲間です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%9B%E7%8A%AC 虎は皮だけが日本に入ってきていましたが、生きたものはいませんでした。このため、以下は長澤蘆雪の絵ですが、目が猫の目になってしまっています。 http://www.shinenkan.com/Artists/ROSETSU/IF000004.HTM 象は江戸時代に1度だけ日本に入ってきたことがあります。
お礼
教えて頂いて有難うございます。いろいろ勉強になります。
補足
#6にも書きましたが、酔っ払いを「虎」って呼ぶのはどうしてですか?シラフでは猫のように大人しかった人が、酔っ払うと酒の勢いで気が大きくなってとんでもない行動をしでかしたり、暴言を吐いたりすることから、「虎」って言うんでしょうか?
- Shige29
- ベストアンサー率23% (121/520)
No.1です。 ボケナスも同じ茄子ですよ。 土地を変えると茄子の色が惚けてしまう事から、出来の悪いモノの例えです。 あと、豹変は本来良い意味で使われていたんじゃなかったかと記憶してます。 毛が抜け替わって美しくなるという意味だったはず。
お礼
教えて頂いて有難うございます。いろいろ勉強になります。
- mydummy
- ベストアンサー率59% (55/92)
おたんこなすは「お短小茄子」が語源とされ、「出来損ないの小さい茄子」とも、花魁の符牒で「小さいち○ぽ」とも言われています。はっきりしたことは分かりません。 イモは江戸時代はあくまで救荒食扱いで、米よりまずい代用食と考えられていたというのが根底にあるようです。 ドテカボチャは、土手という言葉から、「耕した畑で育ていない」という意味があり、夏目漱石の坊っちゃんに出てくる「うらなり」に近い語感かと思います。 もやしや大根は「色が白くてひょろ長い」「色が白くて太い」という形態上の婉曲表現です。大根役者は#2さんが紹介しているwikipediaの「侮蔑」の項目で「大根役者」と検索すれば語源が分かります。 タコは「ひょっとこ」の面に現れている通り、「ユーモラスで驚いたときの表情」のアイコンとして機能していた経緯があり、その伝かと思います。 狐や狸はこの類いで、それぞれ「人を化かす妖怪になる」という民話に基づいています。 動物関係については、このように民俗(民族ではない)に関わる部分が多いので、昔の信仰や習俗を調べてみるといいでしょう。 クジラや象は滅多に見れないもので「ありがたい=有り難い」存在なので、侮辱語にはなりにくいでしょう。あとクジラの脳容積は平均的にヒトより大きいです。 金田一春彦によれば、坊っちゃんの例にある「モモンガー」は言葉自体に侮辱的意味はなく、単にさも侮辱語であるかのように使っているだけだ、と指摘しており、総じてそのような傾向にあるかと思います。
お礼
いろいろ教えて頂いて有難うございました。「大根役者」も、検索してみて初めてその語源が分かりました。大変勉強になりました。
補足
大変語源にお詳しい方のようですので、ついでに伺います。 1.「ぼけナス」の「ナス」も「おたんこナス」の茄子と一緒と考えていいんでしょうか?#1の方の茄子の説明だと同じと考えてよさそうですが、「お短小茄子」が語源なら違うと思いますがいかがでしょうか? 2.大きくて獰猛な肉食獣で侮辱語になっているのを見つけました。「虎」と「豹」です。「虎」は、ちょうど今頃、夜の盛り場に大勢出没してますね。「豹」は「豹変」というのが侮辱語ではないにせよ、あまり言い意味では用いられませんね。なのに「熊」や「獅子」がないのが不思議です。「獅子おどし」、「獅子舞」は固有名詞ですし…。
>「このおたんこナス!」 「何を~、このイモ野郎め!」 「うるせぇ!このタコ!」 「何だと~、コノどてかぼちゃ!」 「何を!イカのキ○タマのくせしやがって!」 ‥‥‥まるで寅次郎とタコ社長の喧嘩文句ですね。 「やけのやんぱち、陽焼けのナスビ、色は黒くて 喰いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯がたたないよ。」 「四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、 粋な姐ちゃん立小便。白く咲いたが百合の花、 四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい。」 「信州信濃の新そばよりも、あたしゃあんたのそばがいい。」 ‥‥‥寅さん映画の名セリフです。 街でこんな掛け声を聞いたら、思わず足を止めてしまいますね。 江戸時代にさかのぼると、庶民の町にはもっとユーモラスな 言葉が飛び交っていたのではないでしょうか。 野菜、魚の他にも身近な食材や生き物、色、地名などが 侮辱や冗談の材料になったと思います。 ■〔茄子、芋、南瓜、蛸、烏賊〕と 〔白菜、葱、人参、トマト〕の違い 私はよくわかりません。 ただ、無理に理由を探すと、次の点が上げられます。 ○〔茄子、芋、南瓜〕 ●江戸時代には食用の習慣がありました。 芋の元祖・山芋の食用起源は縄文時代といわれています。 ●あまり手をかけずに栽培しても、たくさん実をつけます。 ○〔蛸、烏賊〕 ●日本人は、タコ・イカが好きな民族です。 ●漁で釣るつもりがなくても釣れます。 それらの親しみやすさが侮辱の元かもしれません。 ■身近な食材の言葉の変化 〔例「お茶」〕 茶化す、お茶らける、無茶苦茶、お茶を濁す、 茶々を入れる、日常茶飯事、茶番劇、茶坊主 お茶は私達の日常生活に欠かせない嗜好品ですが、 上述のようにマイナスの意味で使われることがあります。 元々は礼儀作法を重んじる優雅な茶道に対する庶民の反発 から生まれたのかもしれません。しかし、時を越えて 現在では、広辞苑に堂々と載っています。 言葉の意味や価値というものは、このように長い年月に 遊ばれ、磨かれて変化を続けるのではないでしょうか。
お礼
>‥‥‥寅さん映画の名セリフです。 あと、こんなのもありませんでしたっけ? 「見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし」 >言葉の意味や価値というものは、このように長い年月に 遊ばれ、磨かれて変化を続けるのではないでしょうか そうですね、それはあるかもしれませんね。よく古典(私の苦手科目でした)なんかに出てくる古語と現代語とでは意味が違うとか、ありますしね。有難うございます。
「おたんこナス」、念のために広辞苑を引いてみたら、なんと!、ありました。「人をののしる語、間抜け、とんま、おたんちん」(新村 出編・広辞苑第四版・岩波書店)、しかし、これじゃあ残念ながらご回答には使えない。 そこで文筆家の先生に電話で聞いてみましたが、先生も確答できないとか。でもまあ、たしかにほとんど#1さんや#3さんのご回答のようなもので、つまり次の通りのようなことらしいです。 「おたんこナス」:ただブラッとぶら下がっているだけでだらしがないことから。たぶん男性器のイメージもあって。 「イモ野郎」:元来「イモ」は土臭く、田舎を象徴する言葉。田舎者、実直ではあるけれど冴えない、粋なところのない、気のきかない人など。 「このタコ」:中身がなくて、ツルンとしていて、ダラーッっとしていてグズグズで、掴みどころがなくて、といったイメージ、同類に関西で言う「好かんタコ」。 「どてかぼちゃ」:日当たりの良い土手で大きく育ちすぎて中身が空っぽになったカボチャのイメージ。小回りがきかず、ただ大きいだけでなんの役にも立たない人のこと。同類に「ウドの大木」もある。 「イカのキ○タマ」:小さいことのイメージ。 また、外国でも、青二才といった感じで「チェリーボーイ」とか、わが国の「イモ」と同じく「トマト」とかもあるようです。 このように一部の野菜などがその「素材」として使われるのは、こうした侮蔑の言葉の際にあまり一般的でないモノをくっつけるとその効果が薄くなってしまう、とにかく誰でも知っているものほ使ってからかうということからで、いかにもそれらしい雰囲気のあるモノを選んで使っているところから、「なるほどそんな感じ」と納得され広く使われるようになったのではないかということらしいです。
お礼
>青二才といった感じで「チェリーボーイ」 そうでしたか。私は逆に若くてピチピチした男の子に対する誉め言葉だと思ってましたが、誤解でしたね。 >「トマト」とかもあるようです それは初耳です。面白いですね! >侮蔑の言葉の際にあまり一般的でないモノをくっつけるとその効果が薄くなってしまう、とにかく誰でも知っているものほ使ってからかう そういうものかもしれませんね。有難うございます。
- koma1000nin
- ベストアンサー率30% (342/1133)
「何を!イカのキ○タマのくせしやがって!」 これについてですが、イカの頭は実は胴体です。 昔は頭と考えられていて、その下に目と足があり、ご立派にキ○タマが一つついていました。実はこれ、口なのですね。しかも、取り出せば立派な玉のくせに、通常は引っ込んでいます。この引っ込んでいることと、一個しかないのを「未成熟のかたわ者」に例えたわけです。
お礼
イカのキ○タマというのは実は口だったんですか!へぇ~って感じです。有難うございます。
- Behaviorism
- ベストアンサー率46% (69/147)
おはようございます。 侮蔑 - wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%AE%E8%94%91 侮蔑用語についてはあまり詳しくないのですが、 上のURLをみると、 一般的に価値が低いと考えられるものになぞらえることにより、相手を侮蔑することが多いようです。 「価値が低い」とは、 ●本当に価値がなかったり(例:ごみ、くず) ●市場価格が安かったり(例:安い食品) ●生物学的に人間よりも下等(だと考えられる)生物だったり という感じですね。 あとは、侮蔑される人の身体的・性格的な特徴を差別的に表現するのにちょうど良いと考えられる食物や動物を当てはめている、というところです。 例:色白や細身の男の子 → モヤシっ子 小ざかしい人、他人をだまそうとする人 → 狐 侮辱用語として用いられる食物とそうでない食物の差は、一種の比喩として機能し得るかどうかでしょう。
お礼
「モヤシっ子」「狐」…食物以外にも動物にもあったんですね、こうした言葉。ただ、「市場価格が安い」や「生物学的に人間よりも下等(だと考えられる)生物」というご説明だけでは、侮辱用語になるかならないかは分かりません。 狐、狸、豚、猪、犬、猫、鼠…といった小動物が用いられるのに対し、鯨や象といった大きな動物が使われることはありません。 ただ、脳の容積はホモ・サピエンスの方が鯨や象より大きいとされていますので、それなら鯨や象でも「生物学的に人間よりも下等(だと考えられる)生物」に該当するのではないでしょうか?
補足
このサイトにあった、 『日本語は日常会話で極端な侮蔑語を発することが少ない言語で、むしろ「大根」「こんにゃく」など婉曲な侮蔑語が多い。』 というのが興味深いですね。「大根役者」と言えば下手な役者のことですが、なんで大根が付くと演技が下手ということを意味するのでしょうか?
- 1
- 2
お礼
いろいろ教えて頂いて有難うございました。大変勉強になりました。
補足
>なお「侮蔑用語」と罵倒語」はまた違います 専門的なことは分かりませんので、要は相手をバカにしたり口論で相手を罵って蔑む言葉を「侮蔑用語」と書いただけで、それを明確に「罵倒語」と区別して使ったわけではありません。両者はどのように異なるのでしょうか?