>書類が改ざんされやすい建築方法である
改ざんされやすくはありません。
改ざんが発見されにくい手法であるとは思いますが。
今回、問題になっている構造計算書については、非常に専門的な分野であり、建築士であっても誰でも作れる、内容が理解できる、というものではありません。
確認検査機関の職員などより、構造設計者の方が数段上の知識を持っているため、偽造が見抜けなかったと思われます。
最も、確認検査機関の職員のレベルの低さが問題かも知れませんが。(確認検査機関の職員は建築士では無いと思います。資格者は数名で、他は建築の学校を出た兄ちゃんだったり。)
>一軒家の場合は建築前・途中に耐震など状況などを逐一建築士同行の元でチェックできる
これは言いかえると、マンションなどの場合は、施工中のチェックは購入者にはできないが、一軒家であれば、自分で見に行けるでしょ、というだけのことです。
確かにそのとおりですが、ただ、見に行っているのでは意味がありません。
自分である程度の知識を身につけて見に行くか、或いは第三者の建築士に設計監理をお願いして一緒に行くかしないと、見てるだけではダメです。
「いつも見に行っていたのに、全然気が付かなかった」という話を良く聞きますが、建築業者の方が知識が上なのですから、当然です。手抜きしようとしている業者などが、オーナーをごまかすなんて、簡単です。
>一軒家って必ず一級建築士の審査が入るの?
資格的には一軒家の場合は一級・二級・木造のどの建築士でも大体設計できます。
極端な話、100m2以下なら、資格が無くてもできます。
ですから、自分で選ぶなり指定するなりしないと、建築士が見てくれるわけではありません。
審査についてですが、大きく2つに分けられます。
1つ目は設計監理者による監理です。
随時行われるもので、最近、第三者による監理が良いよ、と言われてきています。設計者や同じ業者内部の人間では、一緒になって瑕疵を隠される恐れがあるからです。
ま、第三者の監理にしても、頻度の問題はあります。1ヶ月に1度とかでは、何にもなりません。
2つ目は、行政・確認検査機関・住宅性能保証機構など、公的機関による検査です。
真面目には見てもらえますが、これは工程のある部分で受けるもので、一軒家の場合、多くても数回ですので、完璧では有りません。
ましてや、行政或いは確認検査機関の検査(確認申請上の検査)については、完了時1回のみの場合が多く、構造的な瑕疵を発見などできないのが実情です。
また、検査に来る人が一級建築士である保証は全くありません。資格者に委任を受けた者、ようは無資格者が来ることさえ有ります。
以上のように、一級建築士の審査が必ず入るなんてことは無いのです。