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比熱比
定圧比熱と定積比熱の比である比熱比の値は自由度でかわってくるそうですが、比熱比の物理的意味とはなんなのですか? 比熱比が大きい場合と小さいばあいではどのような異なった特徴があるのでしょうか? 質問の意味がわかりずらくすいません。
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物理的な意味ではないですが、気体の物性的パラメーターの一つであるポアソン比νに等しいという関係もあります。 比熱比の理論が知られる以前には気体の性質を把握するパラメーターとしては圧縮率kが使用されていた。定義は 断熱変化における圧力と体積の比例係数k1 k1dp=-dV/V 等温変化における圧力と体積の比例係数k2 k2dp=-dV/V 種々の気体において実験をした結果、k1とk2の比がいくつかの一定値に集まる事が知られてポアソン比と呼ばれた。 同じ事を状態方程式pV=RTと比熱比によって検証すれば 断熱変化pV^γ=一定よりdV/dp=-V/(γp)、式を比較して k1=1/(γp) 等温変化pV=RT=一定よりdV/dp=-V/p、式を比較して k2=1/p 従って、k2/k1=γすなわちポアソン比とは比熱比のことであった。
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- Teleskope
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で、ひょっとしてγを f で表した式を導出したいのでしょうか? そこは教科書と格闘して欲しい所なので ヒントだけを。 No.4で書いた 各自由度のエネルギ全部の合計(いわゆる内部エネ)を U と書きます。この U を温度と体積の関数と見なせば、 dU = (∂U/∂T)V一定 +(∂U/∂V)T一定 ですね。右辺の第1項は Cv の定義そのもので、第2項は理想気体だからゼロです(温度と体積の関数と見なすのはこれが目的です)。 No.4の U = (1/2)fRT より、 Cv = fR/2 を得ます。 マイヤーの式 Cp-Cv=R から Cp = (f+2)R/2 を得ます。よって、 γ = (f+2)/f 細かな注釈は省きます。実力を付けるチャンスですからぜひご自分で。 ただ、最後のγの式だけ見たのでは 物理的意味は想像もできませんよね。 それから、No.4の量子物理云々の所は取り消しますw
- Teleskope
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どうも、遅くなりました。 >> 自由度が増えるとエネルギー蓄財の仕方がふえますよね? たとえば自由度3(x,y,z)の分子にくらべ 自由度6(x,y,z,ピッチ角、よう角、ロール角) の分子(多原子分子)のエネルギーの蓄え方は自由度3の分子のエネルギーに加えて ピッチ角、よう角、ロール角によるエネルギー蓄財分を足すと考えてよいのでしょうか? << ほぼそういうことです。 ただ、回転成分は、2原子分子では 3,3原子分子以上が 3 ですよね。 そして各自由度のエネルギ持ち分は; ボルツマン分布を仮定した計算値 (1/2)RT と実際の値がほぼ合う(理想気体近似)。 ここの所は、単原子に自転はないという量子物理的事実を受容すること(ここは「なぜ」と問われても答えようがないです)、ボルツマン分布の積分、統計的平均値の概念の理解、などにかかってます。 気体定数 R は、アヴォガドロ数×ボルツマン定数 となって、「気体常数とは何だ」が「ボルツマン常数とは何だ」にバトンタッチですね。 自由度の方のことは、あなたが書いた通りです。( 2原子分子は 5 ですよ。)
- Teleskope
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Cp,Cv を「物理的に何だ」と考えるのは得るところが大きいです。なぜなら物理学の大原則「エネルギ保存則」に到達したのは この「比熱の理解」の付録みたいなものですから。 もろもろの計算には Cp/Cv というペアの姿で登場するのでγと書きますが、割っちゃうと次元が消えてしまうので、お勧めはその差 Cp-Cv = R この マイヤーの式 を追うのが一直線コースです。( Mayer,J.R は当時のドイツ学会から無視され不遇で、エネルギ保存則確立の栄誉は後のクラウジウスに。) 上式の R は単位質量あたりの気体常数つまり (普通のR)/(分子量) です。 ( 「比は何だ」に「差は気体定数だ」と答えました。つまり「気体定数とは何だ」も理解に絡むらしいということで。 たぶん「温度とは何だ」まで行くかも知れませんがそれはそれで熱力で必ず制覇しないと駄目なボスキャラです。) 分子の姿かたち、エネルギ蓄財のしかた、自由度、などストーリーは長くてとても書き切れませんのでご自分で追っていただくしかないです。 R = Cp-Cv = Cp (1-Cv/Cp) = Cp (1-1/γ) = Cp (γ-1)/γ この (γ-1)/γ などは熱力計算でよく現れますが、気体定数と比熱の比 ということですね、物理的意味はマイヤーの式でわかるという例です。
- tocoche
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熱力学は機関工学より派生したものなので、純粋に物理的意味を見るより、機関への応用を見たほうが理解しやすいと思います。 熱機関の効率は作動流体の温度比の関数としてあらわされ、温度比が大きいほど効率は高くなります。 温度比を2.5に固定した場合、比熱比1.67なら圧縮比は4,圧力比は10、比熱比1.4なら圧縮比は10,圧力比は24となり、同じ効率をめざすならば比熱比の大きいほうが、圧縮比も圧力比も小さくて済み、耐圧設計に有利なことがわかります。 逆に耐圧条件が同じならば、比熱比の大きいほうが同容積当たりのモル数を上げられるので、出力面で有利になります。 もちろんどんなエンジンを設計するかで条件は異なり、実際に作ろうとすると他の要因の影響が出てくるので、物理的な意味合いからはどんどん遠くなりますが。
- パんだ パンだ(@Josquin)
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γ=Cp/Cv は 断熱変化の式(ポアソンの公式) TV^(γ-1)=一定 あるいは PV^γ=一定 に出てきますが、 横軸V、縦軸Pのグラフを描くと、γが大きいほうが傾きが大きい という程度の意味しかないのでは? あとは、Cp、Cvを実験的に求めて、その結果得られるγの値から、気体分子の形状を予想できる可能性があるぐらいでしょうか。
補足
回答ありがとうございます。 加えて質問なんですが、自由度が増えるとエネルギー蓄財の仕方がふえますよね? たとえば自由度3(x,y,z)の分子にくらべ 自由度6(x,y,z,ピッチ角、よう角、ロール角) の分子(多原子分子)のエネルギーの蓄え方は自由度3の分子のエネルギーに加えて ピッチ角、よう角、ロール角によるエネルギー蓄財分を足すと考えてよいのでしょうか?