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エンロン撤退の影響?
新聞情報によると、エンロンが日本市場から撤退するとのことですが、その影響は電力自由化あるいは電力料金の低下にマイナス要因でしょうか・・・? ご教示下さい。
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これは、経済の動向・政治の動向、言い替えるなら 多くの(それこそ国民全体レベルでの)人々の思惑が 決定する事項ですので、私個人の推測などアテにはなら 無いと云うことを前提にお聞きください。 で、結論は「家庭での総エネルギー料金に関してはマイ ナスにならない。ただ、電気料金だけを見ると、短期的 にはマイナスになる可能性があるが、これも長期的に 見るとマイナスにはならない」です。 現在、電力がメインターゲットにしているのはガスなどの 他エネルギー会社との競合なんですね。 以前は、電力は「大規模集約型」の発電所がコスト的にも 環境関連諸法規遵守の立場でも好都合でした。 ところが、環境保護によって「エネルギー全体として高 効率に使う」ニーズが出てきましたし、それを支える技術 としては、燃料電池などの「分散型、高エネルギー利用 効率型」の機器が、そろそろ安定して来ております。 すると、どうしても既存の形の電力業界はピンチに陥り ます。ですから、各電力会社は、いまの内にガス会社を 叩くべく、大きなコスト(CMであり販売に関する手数料 等であり)を掛けて、いまの内に家庭などの電化を進めて いまして、これは以下のような側面を持っています。 1.電力の販売増加 2.家庭の総エネルギー使用量の増加 料金は下がりますが、例えば浴室乾燥機や 床暖房等によって、施工・資材に関するもの も含めると、エネルギーの総使用量は確実に 増加します。 で、販売増加という短期的な側面は電力会社にプラスと なりますが、分散型電源の経済的実用化(技術的にもう 完成寸前です)が生まれさえすれば、根底からガス会社 にひっくり返される、しかも総エネルギー使用量の増加 という、電力が費用を掛けて育てた「美味しい果実」も 込みで....というジレンマがあります。 そこで電力の対抗策としては 1.分散型電源を導入するよりも高効率な電力 利用形態の開発 2.分散型電源を導入するよりも低コストとなる 電気料金 3.政治的決着(ガス会社との合併含む) のいずれかがありますが、1については現状の技術では 不可能に近く、3についても現在のムードやガス会社等 の気配などから実現は困難となり、結局は電気料金の低減 に流れるしかにかと考えられます。 蛇足ですが....。 実は電力会社というのは、多かれ少なかれ「自転車操業」 という側面を持っています。 各社の財務諸表を見ると解るのですが、それこそ恐ろしい 借金(多ければ数兆円、少なくとも数千億円)を抱えて おり、電力収入の減少(販売電力量・販売単価)が起これ ば即倒産(もしくはそれに近い)する可能性を持っていま す。 そして、それを防いで余りあるのは「独占時代に 築いた販売網」あると云っても過言ではありません。 で、この販売網に載るエンロンなどが出ようが消えようが (それが電力会社の総発電量に近い物でない限り)それ ほど根底は揺るがず、多少の不安は電力に与えて幾ばく かの料金低下には繋がるものの、長期的な料金低下には 繋がらないと考えて良いでしょう。 他にも、安定供給の側面からの料金への影響なども 考えられますが、結論は冒頭と同じですし、文章量の 関係もありまして割愛します。 (必要なら再度ご質問ください)
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- kenchin
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補足のご要求が有ったことを見落としておりまして、誠 に申し訳有りませんでした。 以下に、私の知る範囲での事柄を記載いたします。 >私なりに解釈させて頂くと、エンロンの件は電力料金の低>減化速度に多少は影響するかもしれないが、それよりもガ>ス会社の今後の戦略の方が影響力があるということでしょ>うか・・・? はい、そのご理解で問題有りません。 より厳密に考えるなら「他のエネルギー会社の今後の 戦略」と捉えられると、現時点ではほぼ完璧です。 将来への予測について、電力会社のトップもこのように 考えております。 >分散型電源の動向も興味がありますが、 >・マイクロガスタービン >・燃料電池 >これらで上手く住み分けがされていくのでしょう >か・・・? >それともマイクロガスタービンは過渡的なものなので >しょうか・・・? これについては、誰も確かな予測(原理や技術動向を 踏まえた予測)は持っておりません。 といいますのも、開発者はそれらの実用化と普及に向けて の作業で手一杯、対抗者は対抗策で手一杯、となると 利用者側の選択にゆだねられるのですが、これも未だ そこまでの知識・知見を持たないレベルですから.....。 で、極々内輪(小範囲)で、これに類似した検討を 行った事があります。 テーマは「電源ごとの得失と対抗策」でして、技術的 側面から解いていますが、どうやら普及段階では両者 (マイクロガスタービンと燃料電池)が食い合いを起こす のでは無いかと考えました。 と言いますのも、両者の効率・ランニング・適用可能範囲 を見ると、完全にではないものの、相当の範囲で重なる からなんですね。 蛇足ですが...。 両者の競合が起きるということは、それをキックとして 実用化レベルが飛躍的に上がることが過去の通例から 予測されます。 ということは、電力サイドには相当 辛い状況に陥る可能性が出てきたと。 また、燃料電池実用化については、今は内部に使う高分 子膜の長寿命化・低コスト化等が開発の焦点のひとつに なっている筈でして、ガス等エネルギー会社の技術力 経済力だけで、繊維会社(我々は膜屋と言いますが東レ などの高分子技術を誇る会社)の動向がキーになってお りましょう。 (筈と言いますのは、私は直接この開発にタッチしている 訳でなく、情報網に引っかかった範囲で判断したという 非確定要素を持っているからです。)
お礼
お礼が遅くなり、申し訳ありません。 >実用化レベルが飛躍的に上がることが過去の通例から 予測されます。 ということは、電力サイドには相当 辛い状況に陥る可能性が出てきたと。 そうですね! 一般的ユーザーサイド側からですが、技術レベルが上がり、更に電力料金が低下していく事を望みます! PEFCでは、やはり膜価格の低下が全体の製造コストに及ぼす影響が大きいようですね(雑誌情報)? エンロンの倒産は国内の金融機関にも影響を与えているようですね? 有難うございました。 今後とも宜しくお願いします。
補足
kenchinさん、はじめまして。 回答有難うございます。 kenchinさんのエネルギー(?)専門家としての回答いつも興味深く拝読させて頂いてます。 私なりに解釈させて頂くと、エンロンの件は電力料金の低減化速度に多少は影響するかもしれないが、それよりもガス会社の今後の戦略の方が影響力があるということでしょうか・・・? 分散型電源の動向も興味がありますが、 ・マイクロガスタービン ・燃料電池 これらで上手く住み分けがされていくのでしょうか・・・? それともマイクロガスタービンは過渡的なものなのでしょうか・・・? ご教示下さい。