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DNAのハイブリダイズ、ガラスとの結合の詳細について
恐らく基本的なことだとは思うのですが、 5'-GCAGC-3'という塩基配列の1本鎖DNAと 3'-GCTGC-5'という塩基配列の1本鎖DNAが 溶解温度Tm以上の溶液中に存在しているときに 溶解温度以下に下げた場合、 5'-GCAGC-3' ...................| | ...........5'-CGTGC-3'というように一部の塩基配列間のみ 水素結合するということは起こらないのでしょうか? また、DNAはガラスやmicaに吸着するようですが、その際、どの原子とどの原子がくっついており、その結合はどういった種類(共有結合とか分子間力などの表現でいうと)なのでしょうか? この場合、水で洗い流せばその結合は解けるのでしょうか?
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>5'-GCAGC-3' >______|| >___5'-CGTGC-3'というように一部の塩基配列間のみ >水素結合するということは起こらないのでしょうか? 起こりえます。ただし、CG対2つだと、Tmは約6℃、しかも対をなさず極性が裸のまま残っている一本鎖部分があるのできわめて不安定です。実際は静的に塩基対を保つのではなく、解離状態と対合状態が平衡化していると想像します。 よく経験するのは、制限酵素処理した、たとえば4塩基の対合末端をもつ、DNA断片を冷蔵庫で長期間保存したものを電気泳動すると、複数の断片がつながったサイズが現れたりします。これは4塩基の水素結合だけで断片がつながったものです。 >また、DNAはガラスやmicaに吸着するようですが、その際、どの原子とどの原子がくっついており、その結合はどういった種類(共有結合とか分子間力などの表現でいうと)なのでしょうか? DNAのマイナスチャージ(リン酸基による)とガラスのプラスチャージが引き合う静電気力だと理解しています。 ガラスビーズ、シリカビーズなどに吸着させてDNAを精製する方法があります。ここでは、DNA溶液にナトリウムなどの陽イオンと若干のアルコールを加え、DNAのチャージを高めておいて、ガラスに吸着させます。イオン強度の低いバッファーや純水で洗うと溶出されます。溶出を促進するため50-70℃位の熱を加えることもあります。 DNA精製用のガラスビーズでは心配ありませんが、試験管やピペットなどのガラス器具で、微量のDNAを扱うときは注意が必要です。イオン強度の低い状態でもDNAが器具に吸着して回収できなくなることがあります。そのために、核酸用のガラス器具は表面処理(シリコナイズ)して吸着を防ぎます。
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- mizu_atsu
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>一部の塩基配列間のみ水素結合するということは起こらないのでしょうか? 起こるかもしれませんがその後に洗いの工程(水ではない)があるので そのような弱い結合や非特異的な結合のハイブリは除去されます。
お礼
ありがとうございます。
お礼
大変丁寧なご説明ありがとうございました。 いろいろわかりました。