ご質問の内容は物理学科の3,4回生以上の話で
相対論的な量子力学になります。
難しいので概念だけを説明してみます。
iwatekanegon さんの仰るように現在の素粒子物理学では
真空は空っぽで何もないものとは考えていません。
ただ、電子と反電子(今では陽電子といいます。)
で構成されているのではなく、電子を含むあらゆる粒子(反粒子を除く)で満たされています。
しかし、これらの真空に充満している粒子は観測にかかりません。
例えば、今まで考えられていた真空を白くて広い地面だとします。
この上で粒子(黒色とします)が動いているというのが昔の真空の概念です。
今でも普通の人はそのようなイメージでしょうが、、、
これに対して、現在の物理学でのイメージは
白い地面に黒い粒子を一面に敷き詰めたといったようなものです。
一面黒なので黒い粒子があるかどうかは観測できません。
ここで、誰かが黒い粒子(例えば電子)を一つ手で取り上げたとします。
そうすると、手の中にはマイナス電荷の電子が1つあり、
黒い地面には白い穴があくことになります。
一面マイナス電荷の粒子で埋まっているところに開いた白い穴は
プラスの粒子(今は反電子)として観測されることになります。
この黒い粒子を手で取り上げることを対生成といいます。
真空から粒子と反粒子が同時に現われましたね。
逆に手に取った黒い粒子を地面に開いた穴に戻すことを
皆さんが書かれているように対消滅といいます。
歴史的には、1930年にディラックが上に挙げた例のような
充満した真空に開いた穴という考え方で理論的に陽電子を予言し、
1932年にアンダーソンが宇宙線の中に
電子と同じ質量で逆の電荷を持つ粒子を発見したことで実験的にも検証されました。
ちなみに、ディラックは反電子という言葉を用いていました。
この業績によりディラックは1933年に、アンダーソンは1936年にノーベル物理学賞を受賞しています。
お礼
皆さん色々な解答ありがとうございます。 真空とは、プラス・マイナスゼロの空間で、なにも観測できなく、なにもない空間である様に見えるし、そう考えてもおかしくない。 しかし、プラス・マイナスゼロが崩れると、プラスのものやマイナスのものが色々見えてくる。 素人考えで、そう思うことにいたしました。 よろしいでしょうか? もっと分かりやすい考え方はありますか?