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無断でモノを捨てられたときの対応方法と補償について
- 無断でモノを捨てられた場合、損害賠償を求めることができる可能性があります。
- 金額に換算できないモノについては、価値判断が難しいものもありますが、世間的な評価や取り戻しの難しさを考慮して補償を求めることもできます。
- 個人情報の帳票が含まれていた場合は、重要な情報の漏洩につながる可能性があるため、補償対象となる可能性があります。
- 全てのモノを覚えていない場合でも、自己申告による請求ができる場合があります。
- 請求先は状況により異なりますが、まずは仲介業者に対して請求するのが適切かもしれません。
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1 何ができる? 債務不履行(民法415条)ないしは不法行為(同法709条)に基づく損害賠償請求が可能です。厳密な話を抜きにすれば、債務不履行も不法行為も、いずれがasa-kenさんにとって有利ということはないとお考えいただいて結構です。 2 金額に換算できないモノは? 損害賠償は、加害者が現物賠償の方法によることに同意しない限り、金銭の支払によりなされます(民法417条、722条1項)。賠償価額は、原則として、処分された当時の時価になります(最高裁昭和32年1月31日判決)。 asa-kenさんがどのような物を念頭に置いておられるのかは分かりませんが、時価が立証できない場合、財産的価値についての賠償額は0円になってしまいます。この場合、慰謝料の請求(民法710条)は可能ですが、財産権侵害を理由とする慰謝料請求が認められることはまれです。 3 「個人情報の帳票」 顧客情報のファイルを処分されたために事業活動に支障を生じている、というご趣旨と理解して、ご説明します。 ポイントは、問題のファイルが、処分当時どのような状況で保管されていたかです。 asa-kenさんとしては、顧客情報の喪失による営業上の損失すべてを賠償させたいとお考えかと思います。しかし、ファイルの物としての価値(=情報の価値を捨象した、中古品としての時価)を超える損害は、一般には民法416条2項所定の「特別損失」にあたり、加害者において重要な情報が記載されたファイルであることを認識し得たという特段の状況がなければ、賠償を請求することはできません。 要は、問題のファイルの表紙に「顧客情報」などと目立つように書かれており、かつ段ボールなどに梱包されないまま置かれていたなどの事情でもなければ、営業上の損失の賠償は請求できないわけです。 そして、このような保管状況であったことは、asa-kenさんが立証する必要があります(大審院大正13年5月27日判決)。 4 被害物品は自己申告でよいのか? 損害賠償を請求するためには、賠償の対象となる物品を業者が処分したことを、asa-kenさんが立証する必要があります。単に「あれもあった、これもあった」と主張なさるだけでは、損害賠償請求は認められません。 5 請求先 おそらく、仲介業者のみでしょう。クロス業者が物品の処分に関与したとしても、仲介業者から「処分していいよ」と指示を受けて動いただけでしょうから、クロス業者には「責に帰すべき事由」(民法415条)ないしは「故意又は過失」(同法709条)がないと思われるからです。 以上、失礼な表現があるかと存じます。お許しください。 何かのお役に立てば幸いです。
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お返事が遅くなり、申し訳ありません。 1 「あったものを現状復帰して欲しい」 asa-kenさんは、「代替品を調達して提供せよ」と請求すること(現物での原状回復)をお考えなのでしょうか。そうであれば、このご請求を法的手続で実現することは無理です。 現物での原状回復に応じるか否かは、加害者である業者が任意に選択できます。業者が現物での原状回復に応じなければ、金銭賠償をお求めになる以外に方法はありません。 もちろん、「処分」された物品が業者の手元にとどまっている場合は、話が別です。この場合、所有権に基づいて、物品そのものの返還を請求することができます。 ただ、「廃棄処分したのなら、夢の島などに物品があるはずだから、探して取って来るべきだ」とお考えかもしれません。しかし、このように理論上は物品そのものの返還が可能でも、その実現に不相当な労力・費用がかかる場合も、物理的に物品が滅失した場合と同様、原則として金銭賠償しか請求できないとされています。 2 漏洩しないことの保証、情報漏洩による損害 「情報」とは、asa-kenさんの顧客に関するデータでしょうか。また、「漏洩しないことの保証」とは、「情報漏洩防止措置を執るよう請求すること」とでしょうか。 そうとすれば、1と同じく、このご請求を法的手続で実現することは無理です。 顧客情報の漏洩に対する法的責任は、一次的にはasa-kenさんが負います。業者もasa-kenさんとともに不法行為責任を追及されることがあり得ますが、この場合にasa-kenさんの責任が半分になるわけではなく、業者と連帯して責任を負うことになります。 asa-kenさんは、顧客に対して支払った損害賠償相当額を、業者に対して賠償請求することになります。 3 立証ができない場合 結論的には、何らの救済も得られません。 どのような損害が発生したかは、損害賠償を請求する者が立証すべきであるとされています。あくまで、損害を立証し得た範囲でしか、法的救済は得られません。 民事訴訟法248条は、「損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、……相当な損害額を認定することができる。」と規定していますが、物品の時価は、通常、その額を立証することが容易ですから、asa-kenさんのケースで同条を援用することは困難です。 もっとも、ある物品が処分されたことについて、asa-kenさんと業者の認識が一致すれば、証拠がなくても損害は認定されます(裁判上の自白・民事訴訟法179条)。訴訟手続外でも、「処分物品確認書」などとして、リストを取り交わしておけば、有力な証拠となります。 以上、ご疑問に的確にお答えできたでしょうか。
お礼
お礼が遅くなりまして申し訳ございません。 大変参考になるお話を丁寧に分かり易くして頂いて感謝しております。 justinianiさん、有り難うございました。
補足
ご丁寧かつわかりやすく的確なご回答をいただき有り難うございました。 (失礼な表現かもしれませんが)ほぼ満足できるご回答をいただきました。 1/2/5番の件はズバリのご回答いただきました。 基本的スタンスは「嫌がらせで金銭を巻き上げよう」としているのではなく 「あったものを現状復帰」して欲しいという事です。また、そのような事 しか出来ないと思ってます。謝罪、付け届けなどは要求していません。 ◆3番の「個人情報の帳票」の件 当方で満足な表現が出来ませんでしたので補足させていただきます。 私が心配しているのは実務への影響ではなく(実際、実務に影響はないです) 情報漏洩による損害が起きた場合誰が対処すべきなのかという問題です。 情報自体を経済的に補償して欲しいのではなく、 個人情報が漏洩しないという事を保証して欲しいのです。 これはやはり難しいのでしょうか・・・ ◆4番の件 立証 これが最大の問題かもしれません。全てをはっきりと何が幾つあったという 立証はまず出来ないと思います。相手側は捨てないよう言われていた荷物の 処分は認めていますが証拠がありません。このような場合は結局何も戻らな いという事になってしまうのでしょうか? 立証が出来ないと当方は何の救済もないまま終わるのでしょうか? (表現がおかしいと知ってあえて言わせてもらえば「逃げ得」なんでしょうか) なかなか奥の深い問題です。。。