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ホール測定における抵抗率の差異
AlGaN/GaN HEMT構造サンプルでホール測定(van der pauw法)を行なう際、サンプルの縦方向と横方向で、抵抗率が3,4倍ほど異なることが多々あります。縦同士、横同士では抵抗率はほぼ一致しています。GaNの結晶構造(ウルツ型)に起因する分極が原因と考えましたが、それならばz軸方向に自発分極、ピエゾ分極が発生し、xy平面方向(ホール測定で電流を流す方向)には発生しないと考えます。電極の付け方に起因する接触抵抗等が原因とも考えましたが、値が違いすぎるし、抵抗率がきれいに揃い過ぎていると思います。オフ角なども考慮して結晶構造の傾きを調べる必要があるのでしょうか?なにが原因か教えてもらえたら幸いです。何か思い当たることがあれば、些細なことでも構わないので教えていただきたいです。
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もし分極軸が C4 回転軸になっているなら、縦方向と横方向の物性値はすべて同じ値なります。C4 回転軸でなけば、違う値になっても良いということになります。 また、もし分極軸が S4 回反軸になっていれば、分極の向きを変えることによって縦方向の値と横方向の値とが入れ替わります。 このように、対称性だけで議論ができるのです。 では、点群 6mm の結晶には、C4 や S4 がありますか? それは分極方向と一致していますか? これを調べれば、masayoshi317 さんの疑問は解決します。 私は No.2 で「テンソル成分間に成り立つ独立従属関係」と書きましたが、これは、各々の結晶構造そのものを眺めなくても上記の様な考察ができるように、数式で書き下されたものに他なりません。 ところで、サンプルは単結晶ですよね? 上記の議論が成り立つのは単結晶のときだけです。もし多結晶なら、原子レベルで対称性を考えても無駄です。バルク的に必ず C4 を持ってしまいますので、縦方向と横方向は同じ値でなければならなくなります。
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- c80s3xxx
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> 伝導度の異方性は何に起因しているのでしょうか? 結晶に軸があり,方向によって原子なりイオンなりが出てくる間隔も順番も違うのに,移動度なりが等方的であるという方が一般的ではないような気がしませんか? グラファイトの例を出しましたが,あれは層状の基本単位が(相対的に)弱い結合で何枚も重なった形をしています.当然,波動関数の重なりの程度も違うので,面内と面と垂直方向では移動度が異なってきて,電導度に異方性が出ます.
- 38endoh
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ウルツ型の点群は 6mm だったと思います。で、ホール定数は、E = ρ I B(E, I, B はベクトル、ρは三階テンソル)における ρxyz と ρyxz のテンソル成分です。ですので、結晶工学の本で、6mm の三階のテンソル成分間に成り立つ独立従属関係を調べれば、理論的に異方性があってよいかどうかがチェックできます。 今私の手元には資料がないので良く分かりませんが、もし、6mm の三階のテンソル成分間に ρxyz = ρyxz が成り立つなら、ホール定数は xy 面内では等方的でなければなりません。しかし ρxyz <> ρyxz なら、異方性を持つのは当然、ということになります。
お礼
丁寧なアドバイスありがとうございます。早速調べてみたいと思います。
- c80s3xxx
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分極以前に軸方向によって伝導度に異方性があるだけという話では? 極端な例なら,グラファイトとかそうですよね.
お礼
勉強不足で大変申し訳ないのですが、伝導度の異方性についてもう少し詳しく教えてもらえないでしょうか?伝導度の異方性は何に起因しているのでしょうか?おこがましくて申し訳ございません。
お礼
確かに移動度に異方性があって不思議でないですよね。縦方向(ないし横方向)の抵抗率が、横方向(ないし縦方向)の抵抗率とどれだけ違っているかは、サンプルによって大きく違うので、結晶品質に依る部分も大きいと感じました。そもそも分極が原因ならば、順方向と逆方向で抵抗率が違ってくるはずなのに縦同士、横同士でしか抵抗率が違わないのはおかしいので、移動度の異方性と想定して実験を行なっていきたいと思います。貴重なアドバイスをありがとうございました。