ひとくちに”国連”といってもその活動の範囲は(テーマ的にも地理的にも)きわめて幅広く,なかなか簡潔に説明するのは大変です.主要テーマをいくつか挙げるとすれば国際平和と安全保障,経済社会開発,人権の擁護と促進,災害や紛争時における人道援助,国際法の発展などが思い浮かびます.地理的にみても,国連が何の活動もしていない国はおそらく皆無でしょう.平和維持活動に限ると現在はアフリカと中東が目立っています.詳しくは国連広報局による”国際連合の基礎知識”という本が世界の動き社から出ているのでそちらをご覧ください.(この本は国連英検受験の際にも役立ちます.もっともその場合原典で読むことが必要ですが.)国連職員の仕事も同じように多岐にわたっています.また,国連だって要するにお役所ですから,お役所にある仕事は国連でもたいてい揃っています.
私は国際法関係の仕事をしていることもあって,職場では文法的に厳密でかつ簡潔な英語が求められます.しかも法廷提出物には厳しい締め切りがありますから,校正を際限なくし続けるわけにもいきません.個人的な経験から申し上げるならば,英語による高等教育(特に専門分野に関する教育)をなるべく早い段階から受けるようにすることをお勧めします.私がとったパターンは日本の小中学校卒業→日本の高校進学→交換留学1年(ニュージーランド)→日本の高校卒業→2浪→アメリカの4年制大学進学→アメリカ・ヨーロッパの大学院というものです.
まずは日本の高校で習う英文法をしっかり身につけてください.日本の英文法教育は捨てたものではありません.必ず役に立ちます.ただそれ以外となると,やはり国内と英語圏では自動車教習所の構内と路上ぐらいあるいはそれ以上の差があります.
ある人の受動的(つまり聞く,読む)言語力は必ずその人の能動的(つまり話す,書く)言語力を上回るのだそうです.よく考えてみればそれは道理にかなっています.なぜなら,話せる事柄を聞き取れなかったり,書ける事柄を読めなかったりする方がちょっと不思議だからです.口述,記述能力はどちらも質と量が命ですから,このふたつをきちんとマスターできる環境を見つけてください.そうすれば,読解能力と聴解能力は自然についてきます.
あと私が試してみてうまくいった(と思う)自己流テクニックとしては,夏目漱石の”こころ”など日本語ですでに読んだ文学作品をネイティブによる英訳で読んでみるという手があります.語彙,言い回し,さらには言外にかもし出される雰囲気に至るまで,英語表現を知る上でとても参考になります.時事英語はThe Economistがお勧めです.
専門分野についてですが,私の場合は,ニュージーランド留学の頃関心を持った国際関係から始まって国際政治→国際法→国際人権法→国際人道法へと発展(特化?)していきました.国際法にたどり着いたのは大学3年生の時.専攻と職種が直結するのは大学院からですから,もしなかなか専攻分野が絞り込めなくても焦ることはありません.すぐに見つかればそれを極めればいいし,すぐに見つからなければつぶしの利くものを勉強しておきましょう.
ユネスコ(UNESCO: United Nations Educational, Scientific and Cultural Organisation,国際連合教育科学文化機構)は国連専門機関のひとつです.世界の平和と安全に貢献すべく教育,科学,文化を通じて国々の相互理解を促進することを使命としています.平たく言えば国際的な知識と理解のインフラ整備といったところでしょうか.高等教育関係者や研究機関のスタッフの方々でしたらいろいろな形でユネスコと関わる機会が多く,かなり身近に感じられることもあるかと思います.ただ一般に最も知られている活動といえばやはり世界文化遺産・自然遺産の登録と保護でしょう.
実は,WTOという略語を持つ国際機関は二つあります(ひとつはWorld Tourism Organisation,世界観光機関,もうひとつは World Trade Organisation,世界貿易機関).前者のほうがずっと長い歴史を持っていますが,どうしても後者のほうが知名度・注目度ともに高くなりがちです.おそらくお尋ねのWTOも世界貿易機関だと思います.現存する貿易関係の多国間制度としては最も包括的かつ強大で,基本的に自由貿易の推進と保護を目的としています.貿易に関する加盟国間の紛争を法的拘束力を伴って処理する権限を有しています.ちなみに世界貿易機関は国連の一部ではありません.
国連大学は大学院レベル以上の研究をつかさどる国連の機関ですが,どちらかといえばシンクタンクあるいは研究者のネットワークといった感じです.学士,修士,博士などの学位は授与していません.
補足
国際機関を目指す場合の大学/大学院選び」」についてなんですが、国連大学ってありますよね?あれってどういう所なんでしょうか。。。ちなみに私は大学への付属校なので受験する必要はないんです。ただその分自分でやらないといけないんですが。 たしかにそうですよね。。ただ国際機関に入りたいってだけじゃだめですよね、、これからもっと調べて勉強をつんで考え直してみたいと思います。。いまの時点のわたしの考えでは世界中の人たちとふれあいたいってのがあるんです。それから自分でこの世の中のだめな事路を直したとか