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標準偏差と標準誤差
標準偏差と標準誤差のちがいってなんですか? 両方とも正規分布(N、σ2/n)のσ2/nの正の平方根をとったものではないのですか?
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ある実験(実験1 とします)でn 個のデータ x1, x2, …, xn を集めたとします。 するとその n 個のデータから平均値 m1 と標準偏差 sd1 が得られます(実験1 のデータから計算したという意味で添字 1 を付けます)。 さて、通常は n 個のデータを集めて実験は終了し、データの分析となるわけですが、仮に同じ実験をもっと繰り返したと“想像”してみましょう。それらを実験2、実験3、…とします。そうすると通常は実験で得られる測定値というのは様々な誤差を伴いますので、条件を同じにしたとしてもそれぞれの実験で得られる n 個のデータは毎回同じ組み合わせにはならず、従ってそれぞれの実験データから得られる平均値と標準偏差も異なったものになります(これが X が確率変数と呼ばれる所以です)。 実験を z 回繰り返したとすれば、対応して z 個の平均値 m1, m2, …, mz と z 個の標準偏差 sd1, sd2, …, sdz が得られる事になります。とりあえずこの z 個の平均値について考えると、これらをデータとして「平均値の平均値」と「平均値の標準偏差」を求めることができます。“想像”でのことですから、実験は∞回繰り返してみることができて、そのときの「平均値の標準偏差」を統計学では「平均値の標準誤差」と言います。 このときもしも、元のデータ x1, x2, …, xn がそれぞれ独立に平均μ、標準偏差σの分布(必ずしも正規分布でなくてもよい)に従っているとすると、「平均値の平均値」はμ、「平均値の標準偏差」即ち「平均値の標準誤差」は σ/ √n になることが分かっています。 同様に「標準偏差の標準偏差」も考えらますし、一般的には平均値や標準偏差を含む、いわゆる統計量というものには全て上記のような考え方で「○○という統計量の標準偏差」があります。こうしたものを通常の意味でのデータの標準偏差と区別して「○○の標準誤差」と呼びます。標準偏差というのがデータのばらつきの大きさを示す指標であるのに対し、○○という統計量についての標準誤差が小さければ、その統計量は何度実験をしてもある特定の値に近い値をとりやすいということですから、標準誤差は推定精度を測る目安になります。この意味上の違いを区別するためにも呼び方を変えているのだと思います。
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- sunasearch
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お礼
「平均値の標準偏差」が「平均値の標準誤差」ってことなんですね。大変分かりやすっかたです!教科書もこう書いてくれればいいのですが・・・。