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雨と絶縁
素朴な疑問なのですが。 送電線や電車のパンタグラフには絶縁のための「碍子」が使われています。 陶器などて作れていて電気を通さないのはよく理解できるのですが、雨の時は短絡してしまうのではないかと思うのです。 でもそんな話は聞いたことがありません。 不思議でならないのです。 碍子は幾重にか“ギザギザ”になって“ひさし”というか「雨よけ」のようになっていることは分りますが、垂直に取り付けられているとは限りません。 小雨の時なら雨よけの効果もあるとは思うのですが、バケツをひっくり返したような豪雨の時は大丈夫なのですか? パソコンなどには少しでも水をこぼしてもトラブルが発生するのに何故屋外の碍子周辺で雨でもトラブルは起こらないのでしょうか? 海水で絶縁状態が悪くなった話は知っています。
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結論から書けば、異常とも言えるほどの大降雨でなければ、碍子周辺に問題は生じません。 碍子は、降雨時における絶縁耐力を検証するため、商用周波注水耐電圧を測定する試験(注水フラッシオーバ試験)を行います。 その試験条件はJIS規格(JIS C 3801)で定められていて、注水量の標準は垂直成分で1分あたり3ミリです。 これを1時間雨量に換算すると 3×60=180ミリ となり、普通の雨天時の降雨量(天然の雨)に比較するとかなり大きな値です。 この状態で碍子に加える電圧を徐々に上げ、短絡する電圧(フラッシオーバ電圧)を測定し、実使用上問題ないことを確認します。 試験には注水量以外にも、(注水する)水の抵抗率(標準10000Ωm)や一定電圧一定時間印可(定印法)など細かい条件があります。 少量の降雨でも碍子周辺でトラブルが起きないのは、水が電気抵抗をもっており、碍子の形状がフラッシオーバ電圧を高める(簡単に短絡しない)ように設計されていて、それを注水フラッシオーバ試験で確認しているから、と考えて支障無いと思います。 なお、バソコンが少量の水でもトラブルが起きるのは、パソコンの送受する信号の電圧が低いため、濡れた場合に水の持つ抵抗率に従って流れる電流や加わる電圧の変化が、信号を識別できないようにしてしまうためです。 また絶縁も、碍子(とその周辺の機器)に比較すると、パソコン(で使われている素子)は低く、短絡や過電圧で簡単に壊れてしまうためです。 こんな説明でいいでしょうか ? (なお、JIS C 3801による試験方法は、古いものしか記憶になく、もしJIS規格の変更により条件等が改訂されていれば、後に回答される方は訂正お願いします。)
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- moto21
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No.4です。 ちょっと誤解を与える文章になるといけないと思い補足を・・ 真水のデータは条件の良い(塩素や人間の塩分や酸性雨など無い)時の単にテスターの表示ですから一般的ではないと考えて下さい。また安全面(特に感電)などを考える時は導体と同じ感覚の方か適切です。
>ということは水分は浸透しているわけですね。 他の方の回答と重なるのですが. 碍子の場合.「水が碍子の中に入ってくる」というよりも.水滴+ほこりがついて.カビが生える。カビの部分が電解液濃度が高く電気が通りやすい。「カビ」と塩害の「塩」はほぼ同じなので読み替えてください。ただし.付き方や電解質濃度の上昇が異なりますから.対応も異なります。 >いから無視できると考えていいわけですね。 カビ付碍子の表面の水にしても電解質付碍子の表面の水にしても大体同じような電気抵抗です。ただ.カビの場合には.碍子に塗る釉薬で発生を押さえられるから.水程度の絶縁性でなんとかなります。塩害の場合には.ほこり(塩)が付着しているわけで.塩の付き方を細工したり.雨で(ある程度の降雨量になると.電気抵抗が高くなってくる。この雨で付着した塩を洗い流す)流れるようにしたり.する細工をしているのです。 誘導を考えなければ.電線の被服しているプラスチックで十分絶縁はされます。しかし.誘導とか静電きとかの影響で.電線の表面にかなりの高圧電きができます。この高圧電きを絶縁するのが碍子のやくめです。 逆に雷の時は.極端に高い電圧がかかりますので.簡単に放電できるように細工しています。 碍子の上にプラスチック(結構表面にできたカビを伝わって電気が流れる)のカバーをかけて.碍子の側面(3000v程度で10-20cmの隙間)でスパークさせて地面に落とします。懸垂碍子ですと.スパークさせるための鉄の棒が横に飛び出して見えるはずです(空間が50cmから1mくらい空いています)。
お礼
細部にわたってご説明を有難うございます。 水分以外にも様ざまな問題点をクリアーする必要があることが解りました。
- moto21
- ベストアンサー率27% (43/159)
多分質問者さんは、水に濡れると短絡というイメージがあるのかと思いますが、今までの私のイメージは漏れる感じです。でも具体的数字がないので先ほど測ってみました・・真水をテスターで測ると1MΩくらいですがこれで塩分などが入ると1桁2桁落ちるかもしれませんが銅線よりはるかに大きいと思います。 これ以上の現実的データは専門家の方か、電力発電の方で再質問が良いかと思います。(実際の問題は対地電圧とか通常の送電線路と電車の架線は異なるとか、色々あるかもしれませんが銅線より大きいという感じが伝わればと思います) パソコンなど半導体を使った機器が水に弱いのは 1)送電線はエネルギーを送るのが主目的ですが半導体は主に信号処理が主なので細かな変化にデリケートに反応する 2)本来、水の入ってくる事を想定していない内部は弱い 3)半導体は、デリケートで過電流、過電圧、逆電圧等で容易に壊れてそのまま復帰することはない。 シンプルに説明できれば良いのですが雰囲気がわかって頂ければと思います。
お礼
有難うございます。 >テスターで測ると1MΩくらいですが… 良い条件で計測されてこの値ですから、碍子の表面で測るともっと大きな値になる、つまり殆ど無視してもいいのでしょうね。 >パソコンなど半導体を使った機器が水に弱いのは・・・ そうですね!屋外て使う碍子を違って、元々水の浸入などは考慮に入れていないですよね。
- ElectricGamo
- ベストアンサー率62% (137/220)
絶縁が破れたときには電気は碍子の表面を流れていきますが、十分な長さを取れば防ぐことが出来ます。そのために碍子にギザギザをつけて表面の長さを確保しています。
お礼
有難うございます。 充分な長さを確保して水が電気を伝える値が殆ど無視できるわけですね。 よく解りました。
- maikosandos
- ベストアンサー率34% (33/95)
雨については、注水耐圧規格があるので、充分考えて作られているようです。(何ミリ相当の降雨を想定しているか不明) 海水による塩害は、A~Dの4段階で対策をとります。(建設、更新時に、電力会社の指導あり)それでも、停電日に洗浄する時もあります。
お礼
有難うございます。 自分で断面図を見つけられなくて・・・(涙)。 紹介いただいいたURLのところにに行ってまいりました。随分奥まったところで支れれており、まるで大きな傘のような構造でした。 これなら少々の雨でも大丈夫ですね。
http://www.daito-otk.co.jp/gaisi/gaisi-1.htm 碍子やさんのサイトです。断面図を見ればわかるかな
お礼
お返事有難うございます。 沿岸地域などで台風の時に塩害で絶縁状態が悪るくなった、ということは水分は浸透しているわけですね。 それなのに・・・何故、という疑問があったわけですが、他の方の回答から水自体の抵抗値が大きいから無視できると考えていいわけですね。
お礼
すみません 「補足」のところにお礼を書いてしまいました。 どうも有難うございます。
補足
具体的な説明をいただき、有難うございます。 絶対に水が浸入しない構造ではなくて、ある条件下で問題が発生しないように設計されているわけですね。 パソコンとの比較の点もよく解りました。 強電関係と弱電の相違点でもあるということですね。 同じように考えてはダメなわけですね