現在の日本では、「姓+名」がごく普通で、何の違和感もありませんが、日本人全員が姓(苗字)を付け始めたのは明治になってからのことです。それまで庶民には苗字はありませんでした。
このように同じ日本でさえも、時代によって変化があるように、国が違えば名前の付け方は、それはもう千差万別です。
ご質問にある、名前が3つ並んでいるのは、例えば、(1)その人固有の名前given name+(2)宗教上の名前 Christian name+(3)家族名 family name(姓:苗字)といった具合です。
しかし、世界中の名前の付け方はこんな単純ではありません。
昔の日本のように、苗字をつける慣習のない国もたくさんあります。確かインドネシアには苗字はないはずです。反対に、先祖からの姓名を順に、落語に出てくる「寿限無(じゅげむ)」も顔負けのような長い名前もあります。
こんな状況ですから、その人の「名前」を見ても、どれが「姓」なのか分からないことはよくあることです。それで、外国の入国審査の申告書などには、「姓family nameに下線を引いてください」と指示していることがあります。
余談になりますが、最近「夫婦別姓」が話題になっています。夫婦は同姓であるのが当たり前のように思っている人も多いですが、日本で姓が一般化したのは、冒頭にも書きましたとおり、ここ100年ほどのことです。それに、「夫婦別姓」は東アジアの文化です。「夫婦同姓」のほうがいわば「西洋かぶれ」なのです。
日本史で習った「源頼朝」の妻は「源政子」ではなく「北条政子」です。亡くなった韓国の元大統領・「朴正煕」夫人は「陸英修」でした。台湾の「蒋介石」夫人は「宋美齢」です。
ですから、日本も早く「夫婦別姓」に「戻って」ほしいと思っています。