弁才天は、サラスヴァティーというインドの女神で、「湖を有するもの」「優雅なもの」という意味です。これを漢訳して「弁才天」または「妙音天」といいます。略して「弁天」、あるいは財宝に結び付けて「弁財天」とも俗に記されます。
もとはインド神話の河の神でしたが、学問・知恵・音楽・弁舌を司る神として信仰され、守護神として仏教に取り入れられました。
さて、七福神ですが現在の形へと成立したのが室町時代頃とされます。そして選ばれた神々は、主に当時の京都の商人が信仰していた神々が中心となります。つまり、
・夷神…西宮近辺の漁民や、遊行の芸能者が信仰していた神(特に芸能者は“えびす舞”という寿ぎの舞をを都で踊っていたので、夷神は商人にも信仰された)
・大黒天・・・比叡山の守護神
・毘沙門天・・・鞍馬寺の本尊
・弁才天・・・琵琶湖竹生島の本尊
(またこの三神は天台宗では、食料や福徳を司る神として重視され、そして三神が一体となった「三面大黒天」という信仰も生まれるようになった)
・寿老人、福禄寿、布袋和尚・・・京都五山の禅僧が禅画(禅の境地を表した絵)の題材に好んで用いた神
このように七福神の神々は京都近辺で福神として信仰された神が中心として構成されているので、弁才天のみが女性となります。
お礼
随分多様な背景があるものだと改めて感じました。どうもご教示有難うございました。