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光速度が不変なのには理由があるのでしょうか?
光速に関する素朴な質問です。 1.なぜ光速度は不変なの? 光の速度はいかなる理由によって不変と決まっているのでしょう。 方程式を解くように論理的に説明ができるのでしょうか? それとも実験結果を受け入れているだけですか。 2.本当に光速度は不変なの? 空気、真空、水の中でも進む速度は同じですか? 光が水に入ると屈折しますが、これは速度が変化しているのではありませんか。 AからBに向かう光の渦の中をBからAに向けて発射された光は遅くなりませんか? 光に邪魔(干渉)されて遅くなる気がするのですが。 3.どうして遅くならないの? 光速に限界があるのは、光子に質量があるためと理解しています。 しかし、遅くすることは可能なのではないでしょうか? 光子の質量を重くしたり、エネルギーを奪うようなことはできないのでしょうか。 波動の性質を変えたりできませんか? 4.電磁波の進む速度は? 光は電磁波の一種、可視光線だそうです。 他の電磁波、X線、紫外線、マイクロ波、ラジオの速度はどれくらいですか? 光より遅いとすると、どうして遅いのでしょうか? 5.時間が進むのは一定であるという前提で相対性理論はできませんか? 相対性理論は、光速度が不変であると仮定して成り立っています。 だから時間の進み方が早かったり、遅かったりします。 逆に時間が進むのが不変であるという仮定して、新相対性理論はできませんか?
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物理学は、自然界で見られる現象に対して法則を見つけようとする学問です。そういった法則の中には、もっと基本的な法則から理論的に導かれるものもあります。そうやって整理していくと、最後には、他の法則からは導くことができない基本法則だけが残ります。その基本法則は、観測によってのみ、根拠を与えられます。 質問の主旨は、光速度が不変であることは、基本法則なのかどうか、ということだと思います。ローレンツは、他の法則から光速度不変を説明しようとして、ローレンツ変換の式を求めました。ローレンツが考えたのは、物体がエーテル中を運動すると、エーテルとの電磁気的な力によって物体が圧縮され、長さが縮むので光の速さに差が出てこないように観測される、というものでした。これに対してアインシュタインは、光速度不変が基本法則であるとしました。その仮定に基づき、ローレンツ変換の式を求めました。考え方は違いましたが、求められた変換式はどちらも同じものでした。 得られた変換式はどちらの考え方でも同じです。そうすると、どちらの考え方が正しいと言えるのでしょうか。歴史的に見れば、アインシュタインの考え方が受け入れられたようですが。 真空以外の媒質中では光の速度は遅くなりますが、それはマクロ的に見た場合です。例えば水中を光が動く場合、水の分子と分子の間は真空ですから、そこの間は真空中の速度で動いていますが、分子によって光が吸収、放射され、マクロ的に見たとき、速度が遅く観測されます。通常、光速度不変という場合は、真空中での光速度を言うようです。ここでひとつ注意しなければならないことは、真空中の光速度が不変という場合、重力場ではない、という条件が必要です。重力場内では、光速度は遅くなります。したがって、質問者さんの、光の速度を遅くするのは可能か、に対しては、重力場を通せば遅くなる、と言えます。 最後に光子の質量についてです。光子に質量があるというのは間違いですが、ないというのも間違いです。正しくは、光子の質量は定義できないし、定義する必要もない、です。光子の質量はゼロである、という話はよく聞きますが、これは静止質量のことを言っています。これまで他の方々が説明されておりますように、光の速さは一定であり、静止することはありません。したがって、光子の静止質量に意味はありません。
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だいたい答えるべきところは他の人が答えてしまっているので、 細かいところツッコミ+質疑応答など。 No.3さん>その後何十年もかかって木星を観測することで, No.3さん>光速度が初めてきちんと測定されました. 木星の観測から光速度の有限性を証明したのはレーマーで、 これはかなり古いです。 このURLを参照してください。 http://www.laser.phys.tohoku.ac.jp/~yoshi/kousoku.html この測定は木星までの距離の精度に依存していて 当時は太陽系の測量がいまいちだったので光速度の精度もよくないですが、 それでもたいしたもんです。 >もし光に質量があるとしたら、光速不変の法則は崩れるのではないでしょうか? 崩れます。 > 話が飛びますが、「(質量がないと思われていた) >ニュートリノに質量があることがわかった」という >ニュースを聞いたことがあるので、 >ニュートリノの速度は光速より遅いのではないでしょうか。 遅いです。 ただ水中では水中の光速度を超えるニュートリノがあるので それを観測できます。(チェレンコフ光)
- nhojutu
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光速度不変の原理は、「どの観測者が見ても光の速度は一定である」ところにそのすごさがあるのだと思います。 ある一人の人間が光を見て、光の速度が一定だというのは、光が波であれば、一応当然のことです。 マックスウェルが発見したのは、光が波であり、その速度は波長に依存しない、というところまでです。 よく言われる「光速度不変の原理」は、地球に止まっている人も、光速近くで飛行中の宇宙人にも、光は全く同じ速度に見えると主張しています。 ご質問にあった、論理的に導けるかどうかですが、確かにローレンツは、ローレンツ変換を用いてこの原理を導いたとされていますが、肝心のローレンツ変換の根拠があいまいです。「こう考えれば光の速度を一定にする理論ができる」という程度の根拠だと思います。 対して、アインシュタインは光速度が一定であることを原理として、ローレンツ変換を導いています。 これが相対論の基礎だとすれば、現代物理は光速度が一定であることの理由を未だにわかっていないといえると思います。 (それを探るのが現代物理の最前線だと言えるでしょう。) 補足としまして、他の回答者様もご回答されていて、全く同じことになりますが、光速度が不変なのは真空中のことで、物質の中では光速は小さくなります。 また、光に質量はありません。ニュートリノに質量があることがわかったという事が話題になりましたが、光に関しては少し事情が異なります。 ニュートリノは本当にわからなかったのですが、光に質量がないことはある程度自信を持っていえます。
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First_Noelさんの書き込み通り 2.水中、空気、真空…の条件は、訂正します。 というか、この部分は、すいません、確認できていません。
- First_Noel
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#1です. 電磁気はもう10何年前に習ったもので頭の隅にありましたので, #2さまに触発されて追記させて下さい. 1. マクスウェル方程式を解くと,c=1/√(ε×μ)と求まります. ある物質中のεは誘電率,μは透磁率です. で,これは一体何ぞや?となって,そこで「電場と磁場から形成される波があるのでは?」 と,電磁波の存在が予言されました. そこでヘルツでしたかが実際に電磁波が存在することを実験で確かめました. 結果,cとは,電磁波の伝搬速度である,となります. (一般に波動方程式を解いて出て来る定数はその波動の伝播速度になります.) その後何十年もかかって木星を観測することで,光速度が初めてきちんと測定されました. さてここでεやμは物質中で一定の値を取るので,その物質中では, その物質に特有の一定のcを取ることが言えます. #水や空気中の光速は真空中よりも遅くなっています! 更に,マクスウェルの方程式はどのような慣性系(加速度運動をしていない系, つまり速度0や等速運動をしている観測者)の見地に立っても, cの値は一定になります(等速の成分は微分して消える). そこで従来のガリレオの考え方と矛盾が生じて, 喧々囂々の議論や実験などによって,慣性系Aから慣性系Bへの 変換にはガリレオ変換ではなく,ローレンツ変換が適しているとなり, そういうところにアインシュタインが登場した,と言う流れだったかと思います. 逆に言えば,非慣性系(加速度運動中の観測者や重力場中)では, マクスウェルの式は不十分(変形してしまう)だと言うことになって, ここに相対性理論が修正を加えることになりました.
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1.光速が不変なのは、マックスウェルの電磁波の方程式により導かれます。 2.空気、真空、水中で変化しません。 3.光子に質量はないとされているはずです。エネルギーを奪うと波長が変わります。 4.約30万km/h だったと記憶しています。 5.できないと思います。 ガリレオの相対性原理。北から南へ30km/hで移動している車から見て、南から北へ30km/hで移動している車は、60km/hで移動しているように見えます。 しかし、北から南へ光速で移動している車から、南から北へ光速で移動している車を見たとしても、光速は変わりません。 この段階で、距離&時間と光速と どちらかの絶対性を捨てざるを得ませんが、光速はマックスウェルの方程式で矛盾なく証明されてしまっています。 ということかと思います。
お礼
ありがとうございます。 頭がわるく、マックスウエルの方程式が理解できないので、なんともいえないのですが。 質問の意図は、「どうして光速は不変になっているのか?不変である仕組み(メカニズム)は何なのか?」という意味です。 「どうして木からりんごが落ちるのか?」という質問に対する答えとして「そのように世界ができているから」でも済みますが、さらに追求すると「引力があるから」という答えが導きだされます。 光速不変の法則の背後にあるもの、光速不変の法則を規定しているもの、光速を不変たらしめているもの、そういうものがあるような気がしてなりません。 光が電磁波であり、電磁波は光速C(秒速30万キロ)で伝播するということは理解できますが、なぜCになるのかがわかりません? 光速が不変であり、光速がCであるという結果があったとして、その原因はなにでしょうか? 原因があるから結果があるはずです。 このようなことは頭のよい科学者が既に考えていると思うのですが、それともその答えは既にマックルウエルの方程式に含まれているのでしょうか? なお、水の屈折率は n = 4/3 なので、光速は、3/4 となり、約 25 % 光速が減衰するそうです。
- First_Noel
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1. 「光速度不変の原理」として,「光速はどの慣性系から観察しても一定」と 定義することで相対論がスタートします. こう仮定すると,現実の現象が無矛盾に説明できるので, 今のところ受け入れられていますし,実際の探査機の軌道決定などでも使われています. アインシュタイン以前の物理学者がいろいろ礎を築いていた上でだったと思います. 2. 真空中での光速度と物質中の光速度の比が屈折率ですから, 水や空気の中だと真空中の光速度より遅くなります. 従って光速度不変とは,その物質中の光速度が不変,と解釈します. 3. 光子には質量は無いとされています. 質量を持つと仮定すると矛盾が生じるからです. 光子のエネルギーが変わると,電磁波の振動数が変化します. コンプトン効果などです. どうして遅くならないか・・・そういう宇宙に住んでいるから?でしょうか. 4. 全ての電磁波は光速で伝搬します. 人間の体温によって発せられる赤外線も光速で伝搬します. (しかし周辺の空気が吸収する波長帯のものはそこらへんで吸収されます.) 5. それで他の無矛盾な理論や観測と無矛盾なら良いのですが, 詳しく考察できませんので,ごめんなさい.
お礼
ありがとうございます。 「光速度不変の原理」は、なぜそうなるのかという証明はされていないと解釈しました。 「光速はどの慣性系から観察しても一定」というのは本当に不思議です。 >光速度不変とは,その物質中の光速度が不変,と解釈します. 新発見です。どこもかしこも一定だと思っていました。 >光子には質量は無いとされています. 「粒子であり同時に波である」と解釈していたので、当然質量があるものと思っていました。 >人間の体温によって発せられる赤外線も光速で伝搬します. 人間ってすごかったんですね。
お礼
ありがとうございます。 マクウエル方程式では、Cの値を決めるファクターは、誘電率と透磁率のようですが、もうひとつ、「光=電磁波の質量がゼロである」ということがあるのではないでしょうか? 説明はできませんが、「質量がゼロであるがゆえに、光速度C以外の値を取り得ないのだ」と考えると少し納得がゆきます。 もし光に質量があるとしたら、光速不変の法則は崩れるのではないでしょうか? 話が飛びますが、「(質量がないと思われていた)ニュートリノに質量があることがわかった」というニュースを聞いたことがあるので、ニュートリノの速度は光速より遅いのではないでしょうか。