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鉄の磁化
訳あって、磁力という概念を根本から紐解いてみたいと思っています。そこで基本的なことをひとつ教えてください。鉄の磁化はなぜ起こるのでしょうか。針を磁石でこすると、磁石を取り去った後も、針があたかも磁石のように他の針をひきつけるようになるというあの現象です。そしてしばらく時間が経つと、また普通の針に戻ってしまいます。これは針(Fe)の中で何が起こっていると考えられるのでしょうか?また、こすっても磁化しない物質との違いは何なのでしょうか。
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こんにちは。 この疑問を解くにはまず、電子の「スピン」という概念をまず知らなくてはなりません。 (http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k0dennsikotai/19spin.htmを参考) そのうえで、まず、鉄について言うと、鉄は「強磁性」を示す物質の一つです。強磁性を示す物質を「強磁性体」といいますが、強磁性体とは、電子のスピンが一様にそろっていて、物質を構成する原子をひとつの磁石と見なすことができる物質です。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E7%82%B9を参考にして下さい) では、なぜ、 >針を磁石でこすると、磁石を取り去った後も、針があ >たかも磁石のように他の針をひきつけるようになると >いうあの現象です。そしてしばらく時間が経つと、ま >た普通の針に戻ってしまいます。 ということが起きるのでしょうか? これは「磁区」という概念で説明できます。 (http://www.magnet.okayama-u.ac.jp/magword/domain/ を参考にして下さい) >また、こすっても磁化しない物質との違いは何なので >しょうか。 これは、「常磁性」、「反磁性」、「反強磁性」の概念で説明できます。 常磁性を示す物質は、磁石には軽くひっつきますが(あるいはほとんどひっつかない)、鉄のように磁石になることはありません。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%A3%81%E6%80%A7、 http://www.elct.eng.himeji-tech.ac.jp/elct1/mag01.htmlを参考して下さい) また、反磁性を示す物質は、磁石を近づけると磁石から遠ざかろうとします。 (http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/amenity/Knowledge.asp?DSN=ElectroChem&nKnowledgeID=1980を参考にして下さい) また、反強磁性を示す物質は、磁石には全くくっつきません。 (http://www.e.chiba-u.jp/~tkato/8_SPN.HTMを参考にして下さい) このほか、「フェリ磁性」などという物もありますが、いずれにしろ、磁石の性質は非常に奥が深いものなのです。
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- ie-
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ちょっと疑問に思ったので、 >磁石で針を磁化すると針があたかも磁石のように他の針をひきつけるようになる ですが、針があたかも磁石のようになったのではなく。実際に針が磁石になったのです。磁石を作る方法は強磁性体に磁場を掛け磁化する事により作成します。ks9430さんが行ったのは強磁性体の代わりに針を使用し針を磁石にしたと言うことだと思います。 では、なぜ針(強磁性体)が磁場を取り去った後も磁石のままでいるのか?それは、スピンがある方向にそろってしまう(磁化する)とスピン同士の相互作用により戻りずらくなるためです。詳しくは・・直感的でいいと思います。 時間が経つと元に戻るですが、基本的には時間が経っても元には戻らないと思います。磁石はよく永久磁石と呼ばれますので、しかし温度によって磁石でなくなってしまいます(温度の力は等方的なんで)。磁化した後の針を熱してやると磁化がなくなると思います。長くなりすいません。
- moumougoo
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強磁性体が常温で磁化が外に見えないのは磁区のせいではないでしょうか? 経時変化があるのは、磁区の多くそろった構造(磁石の状態)が不安定で磁化の見えない状態に戻るせいではないでしようか?
- DC1394
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こんにちは。 >また電子の存在や自転の様子を捉えた文献等、世の中 >にありましたら紹介いただけると幸いです。 これはどういった文献のことをおっしゃっているのでしょうか? 電子のスピンについて知りたければ、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E8%A7%92%E9%81%8B%E5%8B%95%E9%87%8Fを参照して下さい。
お礼
いつもありがとうございます。変な質問ですみません。電子の顕微鏡写真を見たいと思ったもので‥。先日同じ質問を米国アルゴンヌ研究所の知り合いにしたら、今年の春に世界で始めて撮影に成功し、論文がNatureに掲載されたと言っていたのですが、私はまだその文献を確認できていないのです。知っていますか?
- DC1394
- ベストアンサー率45% (90/200)
こんにちは。 残念ながら、考えてどうにもなるものではないです。 バンド計算は非常に困難で、並列コンピューティングによる大がかりな計算を何日もかけて実行するのです。 (http://www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/INTRO/intro0.htmlを参考に) バンド計算による磁性の研究報告がありましたので参考にしてください。
- DC1394
- ベストアンサー率45% (90/200)
こんにちは。 >ここで、電子スピンが揃った状態で安定する物質と揃 >ってない状態で安定する物質が存在します。なぜなの >でしょうか? これは非常に難しい疑問です。おそらく、この疑問の答えを得るには固体のバンド計算が必要になるでしょう。
お礼
毎度ありがとうございます。「固体のバンド」計算ですか。いいヒントをいただきました。少し考えてみます。
お礼
どうもありがとうございました。参考になりました。でもやはりホントのところがよくわからないというのが正直なところです。確かに電子の「スピン」と磁力または磁性の関係を調べなければと思っています(ホントかというのも含めて)。例えば磁石というものは電子のスピンが揃った状態で安定し存在している、一方、鉄などは外部から磁界を与えることで、揃っていなかった電子スピンを一時的に揃えることができるが、時間が経つと元に戻ってしまう、即ち揃っていないほうが安定しているという説明ですよね。ここで、電子スピンが揃った状態で安定する物質と揃ってない状態で安定する物質が存在します。なぜなのでしょうか?また電子の存在や自転の様子を捉えた文献等、世の中にありましたら紹介いただけると幸いです。よろしくお願いします。