No. 2 の方が 「あちこちに分散してるのでどこでコメントしたらいいものか...」 と書かれていますので、ちょっと検索して、
1039627、1039685、1041184
の三つが一連の質問かな、と見当をつけました。それぞれいろいろな方が回答されているんですが、高校生と言うことなので、TLC の辺りから、少し説明してみます。同時に、それぞれの質問で、実際に何をどうやったのかが判然としない部分がありますので、そこは勝手に推理して回答しますので、間違っていたら、補足してください。
TLC とは、ガラス盤なりアルミ薄板上に、ある一定のものを平たく言えばくっつけたものです。使っているのは多分ケイ酸 (Silica) ではないかと思いますが。TLC のある箇所に、物質の溶けた液 (溶液、物質は溶質、溶かしている液は溶媒) を Spot し、その部分を一旦乾かすと、Silica として話を進めると、Silica の中に物質が入り込んだ状況になります。この TLC を展開溶媒に浸すと、毛細管現象で展開溶媒が Silica の中を順に登っていき、物質が Spot された位置に達します。ここでその物質が展開溶媒に溶ける性質があれば、展開溶媒に溶け、展開溶媒と一緒に、Silica の中を登って行きます。しかし、Silica と展開溶媒は、言わば性質が逆 (Silica が展開溶媒に溶けるようなら、展開溶媒につけたらはがれることになるでしょう) なので、物質によっては、Silica に強く引かれ、物質によっては展開溶媒に引かれ、と言うことがおき、同じ位置に Spot しても物質によって、展開溶媒の登った距離と同じだけ登ったり、途中まで登ったり、全く展開溶媒に溶けないものは移動しない、ことになります。
このことを TLC による展開と言い、展開溶媒が達した位置と Spot した位置の距離の差を一として、各物質が移動した距離を相対値 (0 から 1) で示し、これは TLC と展開溶媒が一定なら、物質個有の値になり、移動度 (Rf) と定義します。
さてやったことを推理していくと、1039685 では、αナフトール、βナフトール、この二種の混合溶液を、TLC の下端から同じ距離離れた別の位置に Spot して展開し、その後 UV 照射で紫色の Spot がそれぞれ見えた。とすると、αナフトールの Lane (Spot したところから上に向かって一定の幅の線を考えてください) 上では一ヶ所、βナフトール の Lane 上でも (移動距離が違うところに) 一ヶ所、混合溶液の Lane では二ヶ所、検出されていませんか。αナフトールとβナフトールでは移動している距離が違い、混合溶媒の二ヶ所の一ヶ所はαナフトール、もう一ヶ所はβナフトールと一致していませんか。一枚の TLC の別の場所に Spot して同じ展開溶媒で展開したのですから、「TLC と展開溶媒が一定」 なので、物質個有の Rf に従い移動して、その Rf の違いで、移動するところが変わり、同じ物質は同じところに移動することになるのです。検出は外の方が回答されていますね。
次に 1039627 ですが、おそらく植物名と思われる 「ミル、ミニトマト、エゾノネジモク、ヘニトリカニノテ、アラメ、タンバノリ」 そのものを TLC では展開では理解できないので、何らかの抽出操作をして得られた溶液 (6 種類) と、α-ナフトール、β-ナフトール (の標準溶液) を、一枚の TLC の下端から同じ距離離れた別の位置に Spot (8 ヶ所になる) して展開した。その検出は UV でも何でも良いんですが、植物由来の Lane 上にいくつかの Spot (検出された部分) がある筈です。その中にα-ナフトールなりβ-ナフトールと同じ移動度のものがありませんか。もしあれば、それをα-ナフトールなりβ-ナフトールと考えます。同じ物質は同じ Rf を持ちますが、たまたま同じ Rf を持つ他の物質も存在し得るので、これだけでα-ナフトールなりβ-ナフトールであると断定はできないので、別の回答にあるように、構造決定などを行なう必要もあります。
これで、1041184 の回答なんとなく見えてきませんか。
Rf の大小と言うのは、簡単に言ってしまえば、展開溶媒に溶けやすいか溶けにくいか、で決まってきます。実際は Hydrophiric (親水性)、Hydrophobic (疎水性)、また使う TLC に依存して来て、ものすごくややこしいことになるんですが。ナフトールのように芳香環を持ったもの (構造式くらいは自分で調べてください) は水には溶けにくく、エーテル等の有機溶媒には溶けやすい辺りが糸口でしょう。
もし可能であれば、展開溶媒のジエチルエーテル (それとも使ったのは石油エーテルですか、だとしたら正確には n-ヘキサンを使うべきですが) とアセトンの比率を変えて展開してみれば Rf は変わってきますよ。
必要なら再質問してください。具体的にやった内容を順番に教えてもらえば、もう少しはっきりしたことが言えるかもしれません。