こんにちわ。 文字を細々と研究しているものですが・・・(専門家ではありませんが)。
漢字の元祖-中国でどのように使用されているかが参考になると思います。
>「青」と「蒼」の具体的な意味の違いを教えて下さい。
*青:植物の葉っぱの"みどり色"の意。比喩的に"春" "若者" "青春"の意。"Blue"色の意。黒色の意。方位の"東"の意。
*蒼:草や木の葉の色。深緑色。濃い藍色。灰黄色。灰白色。天。人が大勢いるの意。白髪交じりの意。老いてなお力がある意。
蛇足で、
*藍:植物の藍。あい色。晴天の空の色。野菜の名前。
*碧:青緑色。浅緑色。宝石の青玉。春草の緑色。
>ただ色の違いを表すものなのでしょうか?
*正確を期すれば青と蒼は異なる色です。使用範囲も少し異なります。
>どのような状況でどちらを使えばよいのでしょうか?
*日本語ではほとんど混同して使用されているので大きな差は無いと思います。しかし漢字の元々の意味を意識しながら使い分ければより的確な表現が可能になると思います。
*青:
青田。青田買い。青信号。青海亀。青梅。青刈り大豆。青首大根。青菜。青桐。青蛙。青雨。青そこい(緑内障)。←(以上全て、ほんとうは緑色をしている)。
青臭い。青年。←(若い草のように未熟の者の意)。
綺麗な青色をしたスポーツカー。青天の霹靂。青海原。顔が青くなる。←(以上すべて、ほんとうに青い)。
青目(眼球の黒目の意)。←(中国語の意味の黒色の意から)。
青帝(せいてい)。←(春を司る天の神。東の方向に住むといわれる。色は"Green")。
*蒼:
BMWは蒼色が似合う(BMWのロゴマークは半分が濃い藍色です)。顔面蒼白(あおじろい顔、灰白色の顔)。蒼白の頭髪(灰白色の髪の毛)。古色蒼然(色あせて灰色になって古びた様子)。蒼天(濃い藍色の空、比喩的に春)。蒼樹(あおあおと茂った樹)。蒼浪(老衰して髪が乱れる樣)。蒼老(老いてなお力がある、枯れている)。
>漢字の意味や起源のようなものも教えて
*漢字の元祖-中国ではいわゆる「みどり」(Green) は「青」と書き表します。現在でも特に文語表現のときには「青」と書けば「みどり」(Green)のことです。会話でも普通に「青」と言ったら「みどり」を指します。そして日本語の「あお=青」/英語で言う"Blue"は「藍」と書き表します。
日本語で「みどり」"Green"と言えば昔から「緑」のことですね。そのむかし中国伝来の書物には当然ながら「みどり」の意味で「青」と書いてありました。当時、その書物を読んだ日本の学識者たちは「青」の字は「みどり」と理解しました。それが現代日本にも引き継がれている状況です。漢文の素養がある現代人、または漢文が必須科目で学校で習っていた時代の年配者は今でも「みどり」のことを「青」と表現する傾向があります。一番いい例が交通信号の"青色ランプ"です。『青信号になったら進みましょう』と言います。あれは実際は「みどり色」ですよね。進め信号は"Green"が世界共通です。日本人だけが"青信号"と現在でも表現している理由の典型例です。
銅の錆の緑青(ろくしょう)もそうです。あの錆色はどう見たって"Blue"とは関係有りません。"緑青"の中国語の意味は孔雀石のことで、マラカイトグリーンといって鮮やかな"みどり"色をしている宝石の一種です。銅の錆の色と同じだったので「ろくしょう」のことを緑青と書きました。「ろくしょう」は鮮やかな「マラカイトグリーン色」をしています。この熟語の青も「みどり」と深い関係が有ります。
現代の時代でも中国人が「青」の文字を見ると、まず"Green"を連想します。「青」の文字を見て"Blue"を連想するのは世界広しと言えども我が日本人だけではないでしょうか(爆)。中国人が言う「緑」は日本人の言う「みどり」よりももっと濃い「みどり」のことです。
以上、日本語の辞典にも出てくる熟語などを選びました(^^♪。
お礼
>蒼:草や木の葉の色。深緑色。濃い藍色。灰黄色。灰白色。天。人が大勢いるの意。白髪交じりの意。老いてなお力がある意。 老いてなお力があるという意味もあるんですね、言われてみればそんな感じも受けますね。 >BMWは蒼色が似合う 僕も車が好きなので妙に納得してしまいました(笑)確かに蒼老といった言葉が似合いそうな車が多いですね。 かなり参考になりました。丁寧な回答をしていただきありがとうございました。