【牛乳の科学】牛乳をマグカップに入れて電子レンジに

質問

【牛乳の科学】牛乳をマグカップに入れて電子レンジにかけると泡がぶくぶく出て、マグカップから泡が飛び出て、電子レンジの下のトレイが牛乳でびしゃびしゃになるのに、牛乳に少量の水を入れて電子レンジにかけると溢れ出ないのはなぜですか？

回答No.2

noname#259322 · ベストアンサー

牛乳は加熱したときに吹きこぼれやすいような条件がちょうどそろっています。そしてレンジでの加熱は、液体がふきこぼれやすい傾向を持つ加熱方法です。
だからこの２つの組み合わせである「牛乳をレンジで加熱」は噴きこぼれが起きやすいんです。

ただし、牛乳は鍋で温めても吹きこぼれやすいです。
そして、質問者さんは「少量の水を入れるとあふれ出ない」と感じているかもしれませんが、実際には、多少吹きこぼれるまでの時間が伸びるだけです。少量の水を入れても、牛乳をレンジで一定時間以上温めると吹きこぼれます。
現に、私は10回近く、少量の水を入れた牛乳を吹きこぼれさせたことがあります。

牛乳がなぜ吹きこぼれやすいか？
液体であるが、粘度が高めの液体だからです。そして、加熱されたときに固形になるたんぱく質を含みます。
だからです。

牛乳の水分は100gあたり85.9g、水分だけでいうと89.6g含むスイカよりも「水っぽくない」食材です。
それだけ固形分が多いのです。
そしてその中には約4g弱のたんぱく質を含みます。牛乳のたんぱく質は複数ありますが、その中でもカゼインは加熱される間に牛乳の中で固まって固形になります。これが浮いてくるとあの「温めた牛乳の膜」になります。

電子レンジで加熱すると、このたんぱく質の固形化が液体中でもう始まっています。たんぱく質が空気の粒を取り囲むように固まるんです。
たんぱく質にくっついた牛乳の脂質などもつられて空気の粒にくっつき、泡が発生します。
加熱が続くと空気は膨張します。しかし、空気の粒にできた膜もいっしょに伸びるので、水蒸気が液体の外に逃げず、泡としてどんどん大きくなります。
だから牛乳は吹きこぼれやすいんです。

原理はこれなので、鍋で温めても同じことが起きます。たとえばミルクティーを作ろうと思って、牛乳とお湯を加熱中、加熱しすぎると噴きこぼれますよ。

牛乳だけでなく、麺類を茹でているときも同じことが起きるはずです。これは水分中に麺類の小麦粉が均一に溶け、同時に小麦のたんぱく質が水とくっつくことで空気を取り囲む泡になるからです。

電子レンジがガスコンロの鍋より噴きこぼれやすい理由は、電子レンジだと鍋より水分の対流が起きにくいため、より水蒸気が液体の外に逃げにくいからです。
だから突沸が起きやすいことでも知られています。

飲み物や汁物の突沸に注意（独立行政法人国民生活センター）
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen210.html

それからもう一点、電子レンジで牛乳を温めるときはマグに入れるでしょう。
つまり、温めたい本体の体積の割には、表面積が小さい容器に入れますよね。
こうすると、電子レンジ側は牛乳がどの程度温まっているのか、センサーで感知しにくいんです。

電子レンジのセンサーは複数の方式があります。高価な機種ほど複数搭載して、温めムラや噴きこぼれを防ぐように作られています。
しかし「牛乳をマグで加熱」は、令和5年の今でもレンジにとってけっこう温めるのが不得意な食品です。
温める本体である牛乳の温度上昇を掴みにくいからです。一方、陶磁器であるマグはレンジの加熱方式ではあまり温度が上がりません。
そのため、噴きこぼれるまで加熱してしまう、という電子レンジ側の弱点もあって牛乳は溢れ出やすいんです。

最後に、繰り返しになりますが、
「牛乳に少量の水を入れて電子レンジにかけると溢れ出ない」について。
水を入れると、牛乳の粘度が下がります。つまり水蒸気が逃げやすくなります。だから同じ加熱条件であれば、水を入れたほうが溢れ出にくくはなります。
質問者さんが「牛乳に少量に水を入れると電子レンジにかけても溢れ出ない」という体験をしたのなら、そのためでしょう。

ですが、牛乳の中でたんぱく質の固形化は起きるわけですから、加熱時間が長いとか、容器に対して液体の量が多いなど、条件が揃えば同じように溢れ出ます。
質問者さんの体験はたまたまです。

なおこれを防ぐ一番簡単な方法は、この条件ならだいたい噴きこぼれるという条件を覚えておいて、その手前で取り出すことです。
以前、自動あたためボタンでは毎回噴きこぼれさせるレンジを使っていたことがあります。
懲りて学び、「自動あたため」ボタンを使わず、任意の温め設定を決められる温め方式に変えました。

お礼

みんなありがとうございます

回答No.1

solomon6309

牛乳は水に比べると、
熱を加えたとき液中に水蒸気の泡ができやすいんです。
さらに、この泡には牛乳中に含まれているタンパク質が集まりなかなか壊れない薄い膜を作るので、水のようにそのまま破裂して蒸発してくれません。

なので水を少量入れるのです