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債権放棄した側はどんな得が?
企業の経営再建にあたり、銀行などへ債権放棄を求めることがよくありますが、要は貸し倒れですよね? 放棄した側にはなにかメリットはあるのでしょうか?
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不動産賃貸業を営んでおります。 家賃の場合、1軒、1部屋貸しているだけという小規模大家だと、例外的に家賃を受け取った時に収入になり、課税されるようです(現金主義)ですが、 「不動産賃貸業」に分類される我々は、受け取った時ではなく、家賃債権が「発生した時点で収入」として取り扱われます。まだ貰っていなくても、即納税なのです(発生主義)。 つまり、病気でリストラされて入院費がかかる上に給料が得られず滞納している、というような厳しい状態の滞納家賃でも、家賃債権を持っている限りは「既にもらったものとして納税」を強制されるわけです。 「同情して、取り立てないオマエが悪い!」「納税がイヤなら、同情なんてしていないで、布団を剥がしてでも徹底的に取り立てろよ」というわけです。 なので、実は「悲惨でどうしようもない、同情したくなる滞納者」なら夜逃げして行方不明になってくれるほうがいいのです。自己破産して「自己破産は権利である!」などとうそぶいて胸を張るような人間は許しませんけど。 そうすれば、夜逃げして行方不明の人を相手に訴訟をして、「頑張ったけど取り立てられない」という証拠を得て、債権を無かったことにできます。 そうやって、もらえなかった家賃を収入から減らすことができます。 おそらく銀行も、債権を持っているとそれだけで、元金は存在して、且つ契約に従って決まった利息が入金されたものとして、納税させられるのだろうと思います。 我々だと、「こっそりもらっているんじゃないか」と疑われますので、訴訟などの実績が必要ですが、経営再建に協力して債権を放棄してマスコミで報道されたりすれば、税務署も認めざるを得ないので、「利息はもらっていないこと」「元金は消えて損害を被った」として収入から減らして納税額を減らせます。 だから、どうしようもなく、同情したくなるようなケースでは債権を放棄したほうがいいのです。
お礼
具体例まで挙げていただき、ありがとうございます。 もう返ってこないならさっさと損失を確定させた方が得になることもあるということですね。